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「マンションすまい・る債」は、マンション管理組合が住宅金融支援機構が発行する債券を定期的(年1回。最高10年間)に購入することで、修繕積立金の計画的な積立てと適切な管理をサポートするもの。10年満期時の年平均利率(税引前)は0.459%。
同制度利用には、同機構から融資を受けて共用部分の修繕工事を行う予定のマンション管理組合であること、修繕積立金の1戸当たりの平均月額に係る要件などの一定の維持管理要件を満たすことが必要。
応募受け付け期間は、平成24年6月20日から同10月11日。積立申込書と必要書類を同機構・住宅債券事務センター宛に郵送で申し込む。
<編集部からのコメント>
世の中、心配事に事欠きませんが、マンションを購入した後に気になるものの1つが、管理組合による修繕積立金等の資金管理かもしれません。
記者の素人考えでは、最大のリスクはやはり盗難ということではないかと思います。年に数回、管理組合の資金が盗まれた、という事件が報道されますね。被害額が大きいことも一因だと思いますが、仮にこれらの事件が氷山の一角だとすれば注意が必要です。
うちのところは大丈夫、と思われる方も多いかもしれませんし、実際のところ発生率を冷静に分析すれば、たしかにほとんどの管理組合では大丈夫、ということになるのではないかと思いますが、とは言え、一度被害に遭ってしまうと影響は甚大ですからね。しっかりリスク管理を行っていく必要があると思います。
管理会社任せにするのではなく、実際にリスクを共有している居住者自身が主体的に管理すること、また管理組合の口座管理については、最低限、通帳とハンコを別々の人が保管する等の牽制する仕組みをとっておくことが大切ですね。防犯体制は「性悪説」に立って作られるべきものです。
また、普通預金や流動性預金などに入れておくと、いつでも引き出せることから、ついつい「出来心」が生まれないとも限りません。数十万円や数百万円なら気にしなくても、数千万円や数億円となってくると、ソワソワしてくる人がいないとも・・・限りません。経済事情は様々ですからね。そうしたリスクを軽減するためにも、定期預金などで資金を「固めていってしまう」のも手です。
とは言いながら定期預金などの場合、怖いのはペイオフです。銀行が破綻してしまうと1,000万円以上は保護されません。
そうしたマンション管理組合の方々のニーズに応えてくれそうなのが住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」ですね。これはマンション管理組合向けに発行される債券で最長10年間、運用することができます。直接的に政府保証がつくわけではありませんが、公的な機関である住宅金融支援機構が発行するものなので、少なくとも銀行よりは信用力があります。
加えて毎年、積立のような形でどんどん元本に足していけるのも便利ですし、認められた場合には途中解約も可能なようです。
気になる利率ですが、次回の平成25年2月発行予定のものは平均利率が0.459%ということです。詳しくはこうですね。
利払月/単年利率
平成26年2月 : 0.044%
平成27年2月 : 0.100%
平成28年2月 : 0.156%
平成29年2月 : 0.212%
平成30年2月 : 0.268%
平成31年2月 : 0.516%
平成32年2月 : 0.643%
平成33年2月 : 0.757%
平成34年2月 : 0.886%
平成35年2月 : 1.008%
毎年毎年、金利が上がっていくのがユニークですね。金利も後半は結構高いです。防犯の観点から説明してきましたが、もちろん組合資金の有効活用という観点からも、検討の余地がありそうです。
マンション管理組合の強い味方となってくれそうな、住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」。組合関係者の方で、よくご存知ない方は調べてみてはいかがでしょうか。
ちなみにこの「マンションすまい・る債」を利用するには、上記記事にあるとおり、
・機構から融資を受けて共用部分の修繕工事を行う予定であること
・修繕積立金の1戸当たりの平均月額に係る要件などの一定の維持管理要件を満たすこと
などが必要になってきますのでご注意ください。