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<編集部からのコメント>
土地の値段を計る尺度はいろいろありますが、一番、有名なものの1つが路線価です。路線価という名前の通り、道路ごとに値段を決めていく仕組ですね。
調査するのは国土交通省ではなく国税庁となります。というのもこの値段が相続税や贈与税のベースになるからですね。
さてその路線価ですが、今年も例年通り7月に発表されておりまして、上記記事の通り4年連続下落したものの、下落率は2.8%に縮小した、ということです。この3年間の推移はこういう感じのようですね。
全国の路線価 : ▲8.0% → ▲3.1% → ▲2.8%
見事に下落しています。全国的に見れば下げ止まるにはもう数年かかりそうですね。
この3年間を振り返れば、震災よりリーマンショックの方がはるかに影響が大きかったということですね・・・。
一方、これを3大都市圏に限るとどうなるでしょうか?
東京 : ▲9.7% → ▲2.0% → ▲1.2%
大阪 : ▲8.3% → ▲3.4% → ▲1.7%
愛知 : ▲7.6% → ▲0.8% → ▲0.5%
実は下落幅が大きく縮小しているのが分かりますね。特に改善が顕著なのが大阪でありまして、今年も同じ改善率となれば来年はついにトントン、再来年は上昇に転ずることになります。下落幅はこの3つの中で一番大きいのですけれどね・・・。
いずれにしてもこのペースでいけば、3大都市圏に限っては、今年や来年にかけて地価が下げ止まり、上昇する局面も出てくるのかもしれませんね。そんなにスムーズに上昇に転ずるか予断は許さないわけですが。
ところでこうした土地の値段というのは上昇する方がいいのでしょうか?それとも下落した方がいいのでしょうか?
もちろんどちらにもメリット・デメリットはあると思いますが、家が狭いよりは広いほうがいいに決まっていますので、やはり下落した方がいいのでしょうね。
地価が下がると既にマイホームを購入した人にとっては「含み損」となり、万が一手放す時には、購入時の値段と比較すると大きく下がった価格で売らないといけないため、残念な思いをすることになります。
しかしずっと住み続ける限りはそうした「含み損」が表に出てくることはありませんし、仮に「住み替え」であれば、新居の値段も下がっているはずなので、影響は相殺されますね。
唯一、地価下落のメリットが少ないケースは、経済的な事情で住宅ローンが返済できなくなり、物件を売却しても住宅ローンが返済しきれず残ってしまう場合ですが、その場合でも、土地の値段が下がっていればもともとの住宅ローンの借入額も相対的に少ないはずですし、引越し先の賃料も、地価の下落に呼応して下がっているわけですから、全くメリットがないわけではありませんね。
そう考えると、「土地転がし」などを狙わないかぎり、やはり一般庶民にとっては土地の値段は下がるほうがうれしいと言えそうです。
こうした動きが少子高齢化を背景にしたものだとすれば、少子高齢化もデメリットばかりではありませんね。うまく我々の生活の幸せ感の向上につながっていってほしいものです。
と話がそれて恐縮ですが、これから住宅購入を検討されている方は、このように全国的にも3大都市圏でも地価が下がり続けており、上昇するのはまだまだ先、という状況を理解した上で購入をご検討いただければと思います。
要は焦って購入する必要は全くないということですね。自分にとって最適で最良で、「一生住める」と思える物件をじっくり探していただければと思います。
加えて、消費税増税に伴い「13年秋から駆け込み需要が本格化する」という専門家のコメントも掲載されていますが、足元の地価の下落幅を考えれば、消費税増税によるコストアップはすぐに吸収できます。
そもそも消費税がかかるのは建物だけで土地にはかかりませんからね。中古物件には消費税が全くかかりませんし。
というわけで消費税増税を考慮しても焦って買う必要はなく、むしろ「15年度以降の反動減が大きくなる可能性がある」のであれば、その時に購入してもいいのかもしれません。薄型テレビもエコポイント終了後の方が値段が下がっていますしね。
マイホーム選びのポイントは、あくまで「一生住みたいと思える家」に出逢えるかどうかでして、あまり地価の動向や消費税などの外部要因に左右されない方がいい、というのが記者の結論でありますが、いかがでしょう?
これからマイホーム購入を検討されている方は参考になさってください。