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<編集部からのコメント>
これから住宅ローンを組んだり、あるいは住宅ローンの借り換えを検討されている方にとって気になるのが金利の動向です。ここ数年、金利水準自体は「超・低金利」の状態が維持されているわけですが、特に最近はさらに金利が低下している状況ですね。
金利の代表的な指標の中で、最も住宅ローンとゆかりが深いのは「長期金利」です。長期金利というと何か漠然とした、一般名称のようですが、実際にはちゃんと定義がなされていて、「10年もの国債の金利」を長期金利と呼ぶことになっています。
期間10年の金利なので、住宅ローンの金利にしては短く、その金利がそのまま住宅ローンの金利に反映されるわけではもちろんありませんし、住宅ローンは国債と違い、「返済してもらえないリスク」がありますので、当然その分、貸し出し金利が高くなるわけですが、一方で住宅ローンの金利が長期金利に概ね連動しているのは間違いありません。
これはつまり、長期金利が上昇すれば住宅ローン金利も上昇し、長期金利が下落すれば住宅ローン金利も低下する、ということです。
長期金利は毎日公表されていますので、今後の住宅ローン金利を占う上で大変参考になります。
さてその長期金利ですが、最近の動きをグラフでチェックしてみるとこういうことになっています。
どどーんと下がっておりますね。特に4月以降、ここ3ヶ月の下落が顕著です。ついに0.8%をも割り込んでいる状況ですね。上記記事にあるとおり、これは「9年ぶりの低水準」なわけですが、ではそれ以前にこれ以上金利が低かったことがあるかと言えばありませんので、「史上最低レベル」ということになります。
となると来月8月の住宅ローン金利は・・・フラット35などの期間が長めの住宅ローンを中心に、さらに下がるのが確実な状態です。固定金利での借入を検討されている方は、少なくとも今月より来月の方がいいのでしょうね。
そのフラット35ですが、2003年に制度が開始されているわけですが、こちらは今月一足早く「制度開始以来、最も低い金利」となっています。今後、どこまで下がるか・・・期待したいと思います。
さて気になるのは今後の金利動向ですが、上記グラフを見る限りきれいな右肩下がりトレンドができあがっていますので、当面、まだまだ下落が続くのは間違いないと思います。
世界各国で金利の引き下げが相次いでおりますし、株価もみちみち下がり続けていますしね。
では今後、金利が上昇するのはどういう時でしょうか?
よく言われるのは国債の買い手がいなくなり、国債が暴落し、金利が跳ね上がるという「パニック型の金利上昇」ですが、これは正直、まだまだ考えにくいですね。われわれの預金が国債購入に向かう流れが安定的なうちはまず実現化しません。かつ、銀行からすれば国債くらいしか運用先がありませんから、この流れはこの先もずっと続くものと思います。
加えて消費税増税など、財政再建への道が着実に進む限り、こうしたパニックの可能性はさらに低くなります。
常識的に考えれば、金利が上昇するのはやはり世界経済の回復に伴い、日本や世界の株価が上昇するタイミングでしょうね。そうすれば資金の流れが国債から株に少し移り、国債の値段が下がり、金利が上昇することになります。
さらに世界経済が過熱し、バブルなんて起こったりすると、今度は景気の過熱を冷やすため、金融当局が積極的に金利を引き上げたりします。ここまでくると高金利の最終局面ですね。
しかし。
上記のとおり、現状では各国の中央銀行が、景気の下支えや債務危機の深刻化を防ぐため、積極的に金利を引き下げている状態ですから・・・金利上昇などまだまだ先ですね。
そんなわけで金利が今後、どこまで下がるかは誰にもわかりませんが、少なくとも金利が上昇することは当面ないと言えそうです。
住宅ローン利用者にとっては引き続き追い風が吹いている状態ですね。うまくこの追い風を利用していただければと思います。もちろん、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんが。