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<編集部からのコメント>
長期金利が大きく低下している今、8月の住宅ローン金利は更に下がり、史上最低水準になると多くのニュースで報じられています。住宅ローン利用者にとってはまことに結構な流れですね!
これから住宅ローンを借りようとされている方は当然として、すでに住宅ローンを借りている方も借り換えのチャンスですね。焦る必要は全くありませんが、この機会を積極的に活用いただければと思います。
そのように住宅ローンの金利が低下する中で、純粋に居住目的で住宅を購入するのではなく、資産運用や投資目的で住宅を購入しようと思う人も出てくるかもしれませんね。住んでよし、貸してよし、売ってよし、という物件があれば、確かに今のような住宅ローン金利が低いうちに購入するのも1つの手かもしれません。
しかし。
実際のところ、そうした投資が予想通りのリターンを生むのか、いくら儲かるのかというのは、正直、誰にも分かりません。むしろ儲からない、あるいは損をしてしまう可能性も結構高いですね。
そもそも、将来の不動産の相場や賃料水準を正確に予測することはできませんし、想定外に不動産価格が下がったり、賃料相場が下がっても、誰も責められません。
また、地価の全体的な傾向としては、基本的にはバブル崩壊以降20年以上下がりっぱなしです。もちろん東京都心などを中心に時期によっては上昇する局面がなかったわけではありませんが、全体的には値下がりし続けているわけで、投資ではなかなか勝ちにくい状況ですね。
もちろん地価が下がれば賃料も同じ様に下がる運命にあります。
加えて、着実に進む少子高齢化も、中長期的に見れば借り手や買い手が減っていくことを意味します。
そのような不動産を取り巻く環境を考えれば・・・基本的にはやはり素人が不動産投資に手を出しても簡単に儲けを出すことは難しく、「君子危うきには近寄らず」、という冷静かつ慎重な姿勢が必要かと思います。
さらに、仮に収益性の高い「掘り出し物」の物件があったとしても、そうした物件を仲介業者が見つけた時点で値段を適性価格に引き上げるか、自社で抱え込むと思われます。
多くの不動産投資会社が姿を消していっている事実も、不動産投資の難しさを如実に物語っております。
そんなわけで記者は不動産投資や投資用マンションでの資産運用には明確に反対ですが、一方で、マイホーム購入については、納得した物件に出逢えたのなら賛同いたします。と言うのも、10年後も20年後も、自分や自分の家族の住宅費が何らかの形で発生するのは確実だからですね。
不動産投資の最大のリスクは「空室」ですが、ことマイホームだけはそのリスクがゼロです。
と言うことで、住宅はあくまで「住んでよし」という観点でのみ選ぶべきですね。
そうした理解をもった上で、暇つぶしとしてご覧いただきたいのが上記ニュースでありまして、東京カンテイの調査によれば、中古マンションのリターン率が最も良かったのが4年連続1位で、東京「外苑前」だそうで1.46とのこと。
しかしこれだけだと良くわからないので発表資料を見てみるとその定義はこういうことですね。
・マンションPBRとは一定期間内に分譲されたマンションの資産価値が新築分譲時の何倍になっているかを示した値
具体的には「2002年から2011年に分譲されたマンションが今、何倍になっているか」という指標のようです。通常、新築マンションより中古マンションの方が値段が低いはずですが、地域によってはむしろ上昇しているところがあり、その代表格が「外苑前」ということですね。
一方、下落しているのは上記記事でも紹介されているように千葉都市モノレールの「作草部」で0.54倍と、新築時に比べ半分近くに下がっていることになります。
となれば、郊外はだめで都心は良いという結果かと思うわけですが、こちらも上記記事で指摘されているように、「赤坂見附」(0.70倍)や「西永福」(0.71倍)など、都心立地でも下落している場所もあります。
そもそも必ず値上がりする物件であれば、当然、それは価格に織り込まれて割高になるでしょうからね。やはり値段が上昇したのはラッキーだったのであって、購入時点では決して分からないと考えた方が正しいと思います。
やはりマイホームは、繰り返しになりますが、自分や家族をどこまで幸せにしてくれるか、という点に集中して選ぶべきであり、値上がりや賃料収入といった「邪」な期待を持つのはよろしくないと思いますがいかがでしょうか?
なお、このマンションPBRの順位の詳細はこちらです。あくまでこれは過去の結果であって、将来も値段が上がることを意味するわけではない点はご注意ください。10年後にはまるっきり逆になっている可能性も・・・もちろんゼロではありません。