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<編集部からのコメント>
住宅ローンを選ぶにあたり、金融機関の選択も重要ですが、悩んでしまうのは住宅ローンの金利タイプをどうするか、ということかもしれません。逆に住宅ローンの金利タイプが選べなければ金融機関の選択も難しくなりますね。
なぜ住宅ローンの金利タイプを選ぶのが難しいかと言えばそれはもう「正解がないから」に他なりません。今後、金利が上がるのか下がるのか、上がるとすればいつ、どれくらいの規模で上がるのかを想定しなければ正解を出せませんが、もちろん将来の金利動向を正確に予想できる人はいません。
とすると各自の金利観で判断するしかないのですが、自分の金利観に自信を持っている人はどれくらいいるでしょうか?もちろん記者も自信があるわけではありません。
であれば最後はエイヤっと決めるしかないわけですが、なかなか自分の判断に自信が持てないとすれば時間がかかってしまうのも当然ですね。
ただ将来に向けての判断で正解があることの方がむしろ珍しいですね。将来というのは常に一定の不確実性をはらんでいるものです。現実的な判断としては、少なくとも当面メリットが確実なものを選びつつ、想定外のことが起きた場合のリスクを最低限押さえておく、というケースが多いのではないでしょうか?
これを住宅ローンの金利タイプに置き換えれば、当面メリットが確実なものは間違いなく「変動金利タイプ」ですね。とにかく圧倒的な低金利ですから、当初の住宅ローン返済額を確実に抑えることができます。
加えて住宅ローンの変動金利タイプの場合、参照しているのが市場の短期金利ですが、市場の短期金利は日本銀行の「ゼロ金利政策」により実質的に0%に抑えられている点が安心感があります。
市場の長期金利は機関投資家などの思惑によって多少とはいえ変動し、時に上昇することもありますが、短期金利は日本銀行が低金利に誘導していますので上がることも下がることもなく安定しています。
日銀はこの「ゼロ金利政策」をデフレ状態から脱却するまで、と定めていますが、では日本経済はインフレになる兆しがあるかと言われれば・・・全くありませんね。少子高齢化によりマーケットが緩やかに縮小し、資金需要がどんどん細っていく中では、インフレなど永遠に来ないのかもしれません。
加えて、日銀は9月19日に更なる金融緩和を決定しました。まだまだ金融緩和政策が拡充されていることを考えても、やはり「ゼロ金利政策」はかなりの長期間継続しそうです。
そんなわけで今は住宅ローンの「変動金利タイプ」が最も魅力的な金利タイプと言えそうです。
しかし。
先ほど述べた「想定外のことが起きた場合のリスクを最低限押さえておく」というのはどうでしょうか?何か「金利上昇保険」のようなものがあれば一番いいのでしょうけれど、そんな都合のいいものは残念ながらありません。
もちろんこれも正解があるわけではありませんが、記者がおすすめするのはやはり、借り入れの何割かを固定金利にする「ミックス金利タイプ」で借りることですね。こうしておけば、変動金利の低金利メリットも、固定金利の安心もそれなりに享受することができます。
それに加えて、毎月の返済額が少ないうちに繰り上げ返済を積極的に進めることですね。たとえば仮に元本3,000万円、金利1%と2%の住宅ローンの毎月返済額を比較すると、概ねこのようになります。
・金利1%の住宅ローンの毎月返済額 : 約85,000円
・金利2%の住宅ローンの毎月返済額 : 約99,000円
これらを比べて、「お、毎月14,000円も少ない!ラッキー」と思うのはいいのですし、事実そうなのですが、問題はこの浮いた14,000円の使い道ですね。これを生活費に組み入れてしまっては金利上昇リスクに対して全く準備できません。
「正解」は(この場合は正解があります)、この14,000円で繰り上げ返済を実施することなのですね。そうすれば金利が低いうちに元本返済がどんどん進み、仮に5年後、10年後に金利が上昇したとしてもそのインパクトを軽減することができます。
仮に金利が1%で変わらないまま毎月14,000円の繰り上げ返済を進めれば利息が約95万円も減り、返済期間は何と5年8ヶ月も短縮されます。住宅ローンからの解放が6年近く早まるなら、やはり繰り上げ返済を進めたくなりますよね。
そんなわけで記者の、住宅ローン金利タイプ選びのアドバイスとしては変動金利タイプの低金利メリットを最大限活用しつつ、ミックス金利や繰り上げ返済を積極的に活用することで金利上昇リスクに備える、ということになります。
ただし。
もしそうした選択をするのであれば以下のような住宅ローンを選ぶことが大切ですね。
・住宅ローンのミックス金利を取り扱っている
・変動金利も固定金利も両方低い
・繰り上げ返済が1円からなど小額から、いつでもネットで簡単にできる
・繰り上げ返済手数料が無料である
主要な住宅ローンの中で、上記条件を満たすものとしてパっと思いつくのはやはり人気の新生銀行や住信SBIネット銀行ですね。こうした銀行ではシミュレーションツールも提供していますので、まずはメリットを試算してみてはいかがでしょうか。
>>>新生銀行の住宅ローンシミュレーションはこちらから
>>>住信SBIネット銀行の住宅ローンシミュレーションはこちらから
さて、では実際に世の中の人がどういう金利タイプを選んでいるかと言うと、上記記事で紹介されている調査結果ではこのようになっています。
やはりと言うべきか当然と言うべきか、最新の2011年度の住宅ローンの実績では53.3%と過半数の人が変動金利タイプを選んでいます。一方、当サイトおすすめのミックス金利については全体の3.9%とまだまだ少数派ですね。やや残念な気もします。
ちなみに内訳で見ると東京や大阪では変動金利が6割を超えているのに対し、名古屋では37%、地方都市では46%と極端に違いがある点が気になります。
「県民性」ということであれば、ユーザーが納得しているのでしょうから、それはそれでいいのですが、仮にこれが金融機関の営業トークに乗ったものだとすれば問題なしとは言えませんね。
特に地方エリアはまだまだ金融機関同士の競争も激しくないでしょうから、金融機関側の力が強いという面があるかもしれません。上記の通り、固定金利と変動金利とでは支払い利息に大きな差がありますからね!
真偽は分かりませんが、やはり住宅ローンの金利タイプは、利用者自身が主体的に、冷静に、しっかり判断していってほしいものです。
これから住宅ローンの金利タイプ選択を検討されている方は参考になさってください。