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住宅ローン金利は低いが・・・サラリーマン大家は魅力的?

このページでは、住宅ローンに関する各種ニュースや情報をご紹介します。今回取り上げるニュースはこちら。
2012年9月25日

日本経済新聞

不動産で副収入 「サラリーマン大家」




※抜粋

<編集部からのコメント>

今ひとつ回復しきれない日本経済の現状や、増税問題、年金問題などを考えると、将来の収入に対する不安がもたげてくるのも当然だと思います。

折りしも空前の低金利。住宅ローンの金利も大きく下がっています。となると・・・この低金利のチャンスを活かして不動産投資を試してみようという人も多いかもしれませんね。いわゆる「サラリーマン大家」になるということです。

誰しも憧れる、働かずして稼ぐ「不労所得」ですが、その最も身近なものが家賃収入であり、「大家さん」ですね。順調に賃貸経営ができれば、将来は安泰、アーリーリタイア、セミリタイアも夢ではない・・・かもしれません。

しかし、現実はそんなに甘いものなのでしょうか?

記者自身はたまにコメントさせていただいているように「サラリーマン大家」という考え方には極めて懐疑的です。確かに周りでこうした不動産投資を行っているサラリーマンを知らないわけではありませんが、最初は良いとして、10年後、20年後の収支が本当にプラスなのか甚だギモン、というのが正直なところです。

上記コラムでは一例として、31歳で1億2,000万円の賃貸マンションを所有する、元外資系金融機関という「華麗なる」サラリーマン大家が紹介されています。そのマンション投資の収支は以下の通りですね。

・マンション価格 : 1億2,000万円(築23年)
・満室時の表面利回り : 約9%
・家賃収入 : 月約80万円(9室中1室空室)
・毎月の収支 : +10万円(住宅ローン、税金支払い後)

毎月10万円のプラスということで、今時、かなりの副収入と言えますね!この結果だけを見れば「私もやってみたい」と思う方もいるかもしれません。

しかし。

もしこの収支をベースに決算書を作成すればどうなるでしょうか?「年間120万円の黒字」という決算が出来上がるのでしょうか?

残念ながらそうではありません。というのもこの収支には、このマンションが年月と共に老朽化し、価値を失っていく「減価償却」のマイナス部分が加味されていないからですね。

仮にマンションの耐用年数が40年とすると、このマンションの「寿命」は残り17年です。17年後に建物の価値がほぼゼロとなるとし、残る土地代がこのマンション価格の3割くらいだとすると、概算の建物代(7割)=8,400万円が17年かけて徐々にゼロになっていくわけで、毎年の減価分は8,400万円÷17年=▲494万円ということになります。

つまり何もしなくても毎年494万円分、建物の価値が減っていくわけで、仮に毎月家賃で10万円のプラスが出ても全く心もとないですね・・・。

ちなみにもう少し正確に計算すると、住宅ローン返済額の全てが費用になるのではなく、費用はあくまで利息部分のみとなります。毎月の住宅ローン返済額は60万円くらいですかね?だとすれば金利にもよりますが、平均で月20万円くらいの利息を払っていることになります。損益としてはこんな感じでしょうか。

・年間家賃収入 : 約960万円 (空室1室)
・支払い利息 : 約▲240万円
・税金 : 約▲120万円
・減価償却 : 約▲494万円
=合計損益 : 約106万円

一応、損益は年106万円の黒字という計算になりますが、仮に空室がもう1室増えれば吹き飛ぶ利益です。やはり心もとないですね。

さらに今のところ損益は黒字ですが、建物が老朽化していけば当然、家賃も減っていきます。仮に建物の価値と同じペースで家賃も下がっていくと想定すれば、960万円÷17年=▲56万円ということで、計算上は年間56万円ずつ家賃が減ることになります。

とすると2年後にはこの損益も赤字に転落することになりますね・・・。

推定している部分も大きいですし、実際にここまで家賃が下がるわけではないでしょうし、また築40年を超えた途端、貸せなくなるわけでもありませんが、それでもやはり「中長期的な黒字確保がかなり難しい物件」であると推測されます。

余計なお世話ではありますが、元外資系金融機関出身ということは金融のプロであるわけで・・・ちょっと残念な投資判断ですね。

加えて、建物価値以外のところでも設備が老朽化していきますから、ある程度の維持管理費は必要になってくるでしょうから、ますます費用は膨らむことになります。

ちなみにマンション投資の際、忘れがちなのが、上記減価償却コストに加え、「空室リスク」なわけですが、ではこの空室率は何%を想定しておけばいいのでしょうか?直感的には10%くらい見ておけばいいかな、と思ったりしますが、上記コラムでは直近の地域別、賃貸マンションの空室率を紹介しております。



10%でもまだ甘いですね・・・平均すれば15%くらいのようです。上記コラムの例では9室中1室=11%が空いているということですが、まさにこれが実態ということになります。

さらにあえて付け加えておけば、上記損益計算では土地代は購入時と変化しない前提で計算から除外していますが、実際には全国の地価は東京23区も含めジリジリ下落し続けております。

仮にこうした地価の下落も計算に含めれば・・・トータルでの投資リターンは大赤字になるのは間違いなさそうです。

他に大きな収入があり、節税目的で「赤字を作りたい」というならまだしも、少なくとも一般的なサラリーマンが老後の収入を確保するために、安易に不動産投資に走るのは禁物と言えそうです。

そもそも。

そうした経費や減価償却、住宅ローンの支払いを考慮しても絶対黒字になるような物件であれば、誰も手放しません。

万が一、何らかの理由でそうした物件が売りに出たとしても、相談を受けた不動産会社が自社で所有してしまいますよね。絶対、儲かるわけですから。

確かに住宅ローン金利は空前の低金利ではありますが、それを考慮しても、サラリーマン大家として中長期的に投資リターンをプラスに持ってくるのはかなり難しいと思います。

世の中、甘い話はありますが、旨い話はないことを肝に銘じておく必要がありますね。不動産による副収入に関心がある方は参考になさってください。

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