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<編集部からのコメント>
さて今月=8月は記録的な猛暑ですし、お盆休みもあってゆっくりしたいところですが・・・そうはいかない事態となっています。
というのも、各銀行が相次いで異例の「月中」で住宅ローン金利を引き下げているからですね。
背景としては2つあると思います。1つ目は長期金利=10年もの国債金利を筆頭に金利が低下傾向にあるからですね。最新の長期金利グラフはこのようになっています。
7月中ごろから金利の低下傾向が鮮明ですね。5月に長期金利が急上昇した後、「0.8%台」というのが定位置だったわけですが、足元では0.75%前後まで下がってきました。
それでもまだ4月の「異次元の金融緩和策」発表前後の水準から比べれば高いところにありますが、ようやく混乱が収まり、金利が低下傾向にあるのは歓迎すべきですね。
5月の金利上昇は、最近ではアメリカの金融緩和縮小懸念と中国経済の失速が主因だったと解説されることが多くなってきましたが、アメリカの金利が落ち着いていることも最近の金利低下に影響しているのでしょう。さらに金利が低下することを期待したいと思います。
背景の2つ目は6月に実施された三井住友銀行の「3年0.6%」住宅ローンキャンペーンでしょうね。これはもちろん通常では「赤字金利」になるのではないかと思いますが、三井住友銀行には日銀からの超低金利の特別融資があったのでそれを原資に、期間限定・金額限定という形で実施したのでした。
>>>三井住友銀行「3年0.6%」の住宅ローンはお得?
三井住友銀行の誤算は、三菱UFJ銀行もみずほ銀行もこのキャンペーンに追随してきたことですね。残念ながら三菱UFJ銀行にもみずほ銀行にもこうした特別融資がないにも関わらず追随したということは・・・やはり「赤字覚悟だけれど背に腹は変えられない」ということだったのではないかと思います。
つまり、いよいよ三井住友銀行の住宅ローンキャンペーンをキッカケに過熱する住宅ローン競争が「採算ギリギリ」から「赤字覚悟」の段階へと一歩進んだ、ような気がしています。
この「3年0.6%」キャンペーンはすでに終了していますが、今月、上記の通り異例の「月中」で、みずほ銀行や三菱UFJ銀行が住宅ローン金利を引き下げてきたのはやはり、こうした血みどろの「住宅ローン戦争」の延長線上にあるのではないでしょうか。
住宅ローンユーザーからすれば、もう願ったりかなったり、ということではありますが、宴もバブルも永遠には続かないのが常でして、その反動がちょっと気になる記者であります・・・。
さて今回の金利引下げの目玉はやはり三菱UFJ銀行が変動金利の最優遇金利を8月16日から、0.875%だったものを0.775%に引き下げる点ですね。何だかんだ言って、住宅ローンの金利タイプの中で圧倒的な人気は変動金利タイプですから、これは大きなインパクトがありそうです。
>>>三菱UFJ銀行の最新金利はこちら
ただし、忘れていけないのが人気のネット銀行で、住信SBIネット銀行がそれに先立つ8月9日にこれまた異例の金利引下げを行っており、変動金利は0.05%引き下げ、0.815%としています。
>>>住信SBIネット銀行の最新金利はこちら
また、最近人気のイオン銀行が、7月から変動金利を何と0.77%としていますね!これもかなり魅力と言えます。
>>>イオン銀行の最近金利はこちら
なかなか過熱していますが、ではこうした積極的な金利の中で、どれが一番お得なのでしょうか?
単純に考えればイオン銀行(0.77%)>三菱UFJ銀行(0.775%)>住信SBIネット銀行(0.815%)という順番になりますが、これは正しいでしょうか?
まず最初に押さえておかないといけない点は、三菱UFJ銀行の0.775%というのはあくまで「最優遇金利」である、という点ですね。実際にホームページをチェックしてみるとこういう風に表記されています。
・年0.775% 〜 年1.075%
つまり、0.775%となるのか、あるいは1.075%となるのかは最初の段階では分かりません。仮にその真ん中が多いとすれば平均は「0.925%」ということになります。だとするとお得度は、イオン銀行(0.77%)>住信SBIネット銀行(0.815%)>三菱UFJ銀行(0.925%)という順番になりますね。
さらに忘れてはいけないのが疾病保障です。疾病保障とは、がんや脳卒中、心筋梗塞といった大きな疾病にかかった時に住宅ローンが免除される保険ですが、メガバンクが発売以来、人気を博し、メガバンクでは全住宅ローンの半分以上を占める、という記事を見たことがあるような気がします。
通常はこの疾病保障は金利に+0.3%程度というのが相場ですが、住信SBIネット銀行の住宅ローンには何とこの疾病保障が無料でついてくるのですね!これを加味すると実質金利はこのようになります。
◆2013年8月現在の実質変動金利(疾病保障料を加味)
・住信SBIネット銀行 : 0.815%
・イオン銀行 : 1.070%
・三菱UFJ銀行 : 1.225% ※想定平均優遇レート
もちろん疾病保障は任意ですので、「うちはいらないよ」と判断される方もいると思いますが、35年ローンを40歳で借りるとなると、完済時は75歳ですからね!実際にどれくらいの保障率となっているのかは分かりませんが、やはりないよりはあった方がよく、その点でも最初から無料で付保されている住信SBIネット銀行の住宅ローンはかなり親切と言えます。
ではこれでおしまいでしょうか?
いえ、実は最後にもう1つ考慮しておくべき点があります。それは保証料ですね。保証料について詳しい説明は省きますが、結論から言えば、言葉の響きとは裏腹に、「利用者に何のメリットもない無駄なコスト」です。実際、ネット銀行などはこの保証料を取りません。
この保証料が大体年0.2%相当と言われていますので、三菱UFJ銀行の金利は保証料を加味すると1.225%→1.425%まで上昇することになります。
一方、住信SBIネット銀行やイオン銀行はこうした保証料は取りませんが、その代わり、それとほぼ同じコストとなる、「残高の2.1%」の事務手数料が必要になってきます。これもやはり概ね年0.2%相当と換算できます。
ではこうした保証料も高額の事務手数料も取らない銀行はないのでしょうか?
もちろんあるわけで、その代表格が当サイトでも人気の新生銀行ですね。新生銀行では保証料も高額の事務手数料も取らない上に、「安心パック」を利用すれば、疾病保障がつき、繰上返済した分は、あとで元本返済をストップできるなどの安心サービスが提供されます。
>>>新生銀行の住宅ローンについて詳しくはこちら
そんなわけで、保証料や高額な事務手数料を加味した実質的な変動金利は以下のようになります。
◆2013年8月現在の実質変動金利(疾病保障料、保証料、高額な事務手数料を加味)
・新生銀行 : 0.980%
・住信SBIネット銀行 : 1.015%
・イオン銀行 : 1.270%
・三菱UFJ銀行 : 1.425% ※想定平均優遇レート
表面的な金利の大小はともかく、隠れたコストや疾病保障も金利換算していけば、新生銀行や住信SBIネット銀行がそれでもまだ圧倒的にお得、という考え方もできる、ということになります。
ただし繰り返しになりますが、疾病保障が不要かどうかなどによっても、実質金利が大きく変わってきますし、細かい計算をいくらしたところで、審査に落ちてしまっては元も子もありません。
あまり細かく優劣をつけすぎるのではなく、ますは「良さそうだな」と思ったところに申し込んでみて、審査に通ってから、考えてもいいかもしれませんね。
三菱UFJ銀行などのように金利に幅がある場合は、実際に金利がいくらになるかは審査通過後でないとわかりませんしね。
ちなみに審査について、最近よく見かける口コミが、A銀行でダメだったけれどB銀行はOKだった、というものや、その逆にB銀行はダメだったけれどA銀行はOKだった、というものです。銀行によっては結構、審査基準が異なる、ということですね。
こうした点も参考に、ぜひいろいろな銀行に申し込んでみてはいかがでしょうか。もちろん申し込むだけならタダです。
これから住宅ローン選びをされる方はぜひ参考になさってください。