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<編集部からのコメント>
14日の衆議院選挙では事前の予想通り自民党が圧勝という結果となりました。となると金融市場にも安心感が広がり、円安・株高の流れが続くかと思いきや・・・むしろ円高・株安の動きとなっていますね!相場の動きというのはよく分からないものです。もちろんこうした動きというのは国内要因というよりは原油安や欧州景気の不振といった海外要因なのでしょうけれど。
一方で選挙前から変わらず順調に低下しているのが長期金利です。長期金利は何と・・・0.3%台後半という水準まで低下してきました。昨年4月の「異次元緩和」発表直後に0.3%台に低下したことはありましたが、あれは一瞬の出来事でしたので、実質的には史上最低水準まで低下したと考えて良さそうですね。
もちろんこのままいけば、その「一瞬の最低金利」を下回り、正真正銘の史上最低値に到達するのも時間の問題だと思いますが。
このように足元で金利の低下が加速している背景としては、10月末に発表された「追加金融緩和」のインパクトも大きいと思いますが、それに加えてやはり今回の与党勝利の影響も見逃せません。安倍政権が少なくとも今後2、3年間は維持されるのであれば、今の黒田日銀とのタッグによる「超・金融緩和」政策も継続されるからですね。
さらに上記で触れたように原油価格の低下が急ピッチで進んでいますが、これは世界の物価上昇圧力を抑えることになりますので金利の低下要因となってきます。つまり国内要因だけでなく海外要因も金利の低下を促しているわけですね。
とすると当面、金利はますます低下していきそうですが果たしてどうなるでしょうか。
そんなわけで、すでにほとんど前段で語ってしまった感がありますが、念のため本日=16日の長期金利をチェックしてみると0.375%ということで、先月のこの時期の0.490%から0.1%以上低下し、ついに「0.3%台」を実現しているということですね!0.2%台も時間の問題のように思えます。
ちなみにこちらもすでにコメントしてしまいましたが、いつもご紹介している日本の株価とアメリカの金利をそれぞれチェックするとこのようになっています。まず日本株はこうです。
次にアメリカの金利はこうです。
金利との相関でいえば、株安=金利安ですし、当然、海外の金利が低くなれば日本の金利にも影響するわけで、このグラフからも金利が低下する環境が整えられていることが分かります。
最後に世界3大経済圏のもう一極であるヨーロッパのドイツの長期金利をチェックするとこうなっています。
こちらも先月に引き続き順調に低下しています。1年で金利が3分の1近くまで低下したということで、かなり劇的ですが、このような一次関数的な下げが続くとすれば半年後の来年6月には金利はゼロとなってしまいそうですね。
いずれにしても日本の金利は、「日銀のハロウィン緩和」×「安倍政権の勝利」×「原油安」というトリプルパワーでさらに低下するのは間違いなさそうです。もちろんそれは住宅ローン金利も低下していくことを意味しますので、住宅ローン利用者とすれば歓迎したいところです。
気になるのは今の「超・低金利」がいつまで・どれくらい続くのか、という点ですが、少なくとも金融緩和は消費税の延期目途とされている2017年4月までは続く可能性が高く、だとすれば金利もそれまでは本格的に上昇することはなさそうです。参考にしてみてください。
ちなみにより長期的に、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。
今の長期金利は中長期的に見ても、「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。最も低い時期でも0.5%前後であり、0.3%台という金利水準は「史上最低水準」ということですね。ぜひこの追い風を生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。
ちなみに。
あえて長期的な観点から注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。
たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利の金利水準からすれば4〜5倍ですし、仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。
2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。
繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りさらなる金融緩和も発表され、消費税が2017年4月まで延期になった現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりませんが、それでも今の歴史的な低水準からすれば、「これから更に下がるとしても限定的」という点でいつかは上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。
焦る必要は全くありませんが、今が住宅ローンの借入・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの好機を上手に活用してもらいたいと思います。
さて前置きが長くなりましたが、2015年1月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックするとこのようになっています。
◆ソニー銀行住宅ローン金利
・変動金利 : 0.889% → 0.889% (変わらず)
・10年固定 : 1.331% → 1.247% (−0.084%低下)
・20年固定 : 2.001% → 1.928% (−0.073%低下)
・30年固定 : 2.164% → 2.092% (−0.072%低下)
予想通り全般的に低下していますね!今月は意外にも10年固定が少し上昇しましたが、来月は順当な動きになるということです。
次に、これまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。
◆12月16日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利
・1年 : 0.01% → 0.00% (−0.01%低下)
・10年 : 0.48% → 0.42% (−0.06%低下)
・20年 : 1.27% → 1.20% (−0.07%低下)
・30年 : 1.52% → 1.42% (−0.10%低下)
こちらもイメージ通り、どの期間もキレイに低下していますね!特に1年もの国債に至ってはついに0.00%です・・・正確には0.003%ですが、いずれにせよ金利がほぼつかない状態になっていることは間違いありません。さらには金利がなんと「マイナス」になっている日すらあるようです。
金利がマイナスということは預ければ預けるほど元本が減っていく状況ですね。そうなってくると一体どういった人がどういった理由で国債を買うのか、素人には全く謎です・・・「超・低金利」を実感いたします。
ということで後2週間、金利がこのままの状態で推移すれば、1月の住宅ローン金利はさらに下がる可能性が高そうですね。つまり、すでに史上最低となっている住宅ローン金利がさらに史上最低値を更新しそう、ということです。長期金利が史上最低水準に迫っておりますので当然と言えば当然かもしれませんが・・・。
ただし金利低下を期待されている方には申し訳ないですが、利下げになるとしても下落幅自体はわずかだと思います。と言うのもこれだけ金利が低下してくると、さらなる低下余地はほとんど残っていないからです。そういう意味では繰り返しになりますが、細かな変動にとらわれずに着実に住宅ローンの借り入れ・借り換えの検討を進めていただければと思います。
最後に住宅ローン「変動」金利について。
上記の通り長期金利はさらなる低下傾向にあるわけですが、人気の住宅ローン変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。
そしてこの短期金利については、日銀が「ゼロ金利政策」によって完全にコントロールしているために、上がることも下がることもなく引き続き「超・低金利」を維持しているのですね。
実際、12月16日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「0.069%」と文字通りケタ違いの低金利=ゼロ金利となっています。1ヶ月前の金利は「0.064%」でしたから、ほぼ同じ水準をキープしていることになります。
日銀のこうしたゼロ金利政=短期金利の引き下げ政策は、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますし、繰り返しになりますが、少なくとも増税延期目途である2017年4月まで継続されるのはほぼ間違いないと思います。
そして短期金利はまだまだ低金利が続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。
そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、十分なインフレなど永遠に起こらないかもしれませんしね。
住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の6年近く全く上昇していません。
つまり住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。こちらも参考になさってください。
みなさんが来月もこうした追い風に見合った最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。