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今年1年間の市場金利の動きを振り返ると、1月末にマイナス金利政策が発表された後、劇的に低下しついにマイナス圏まで達しました。
そしてボトムはBrexitショックが広がった7月ごろでしたね。長期金利は−0.3%前後まで下落しました。
ただその後は、7月末に発表された追加金融緩和が期待外れだったことや、「これまでの金融緩和の総括」に対する警戒感が広がったことから金利は上昇に転じ、さらに11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したこともあって長期金利はプラス圏に回復しています。
まるでジェットコースターのような動きだったわけですね・・・。
そうしたわけで、この1年については住宅ローン金利もボトムだった「2016年7月〜8月ごろ」に借り入れ・借り換えをするのがベストだったと言えそうです。結果論でしかありませんが・・・。
では実際にこの時期の住宅ローンの新規貸し出しはどうなっていたかと言うと、住宅金融支援機構が発表したデータによればこうなっています。
「2016年7月−9月期」の住宅ローン新規貸し出しは前年同月比+26.1%ということで大変好調だったわけですね!この時期に借り入れ・借り換えをされた方はおめでとうございます。
また上半期で見ても+28.9%と好調で、「マイナス金利」がいかに多くの住宅ローン需要を生み出したのか実感しますね。もちろん支払い利息は1円でも少ない方がいいに決まっていますので大変な追い風となりました。
これまでの推移をグラフ化してもこの7月−9月期の好調は一目瞭然です。
ただ残念ながら、それだけ住宅需要が伸びているわけではありません。潜在的な需要が限られているのにこれだけ好調だったということは・・・どこかできっちり反動が来るのでしょうね。
これから前年比−20%〜−30%となっていっても驚きません。住宅ローン利用者が気にすることではありませんが、銀行関係者に置かれては「冬」の到来に備えた方が良いのかもしれません。
さてそれはともかくとして、今回の「7月〜9月期」の数字を業態別に前年と比較すると、主要な業態ではこのようになっています。
・国内銀行 : +25.4%
・信用金庫 : −0.4%
・労働金庫 : +29.3%
・フラット35 : +58.5% ※住宅金融支援機構
つまりフラット35が断トツで伸びているのですね!確かに「今が長期固定金利の借り時」と考えたとしてもおかしくない金利水準だったと思います。
そうしたわけでこのフラット35の新規貸し出しの推移と、期初の長期金利の水準を重ね合わせるとこうなります。
確かに長期金利が下がれば下がるほどフラット35の新規貸出額は伸びていったわけですね!
ただそれ以上に全体の貸出額が伸びている可能性もありますので、念のため「新規貸し出しの中のフラット35の割合」をチェックするとこうなっています。
シェア自体も伸びているわけですね!絶対的なボリュームだけでなく相対的なシェアも伸びているわけで、やはり「金利低下局面でのフラット35人気」は本物です。
もちろんそれでもシェアは「1割ちょっと」ということで、全体から見れば「マイナー商品」という位置づけであることに変わりはありませんが、それでもこうした「勢い」を見ると「選択肢に入れてみようかな?」と思われる方もおられるかもしれません。
参考になさってください。
ただ気になるのは上記の通り、足元では長期金利が上昇に転じていることですね。「金利が上昇しているからもうフラット35は魅力的ではない」と思うのか、「金利が上昇しそうだからこそフラット35は魅力的」と感じるのか、どちらの人が多いのでしょうね?
どちらが「正解」なのか現時点では分かりませんが、今後のフラット35の新規貸出動向に注目したいと思います。
<日本住宅ローンプランニング編集部>