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11月のアメリカ大統領選挙は驚きの「トランプ氏勝利」で幕を閉じました。その後、為替市場・株式市場以上に大きく反応したのが債券市場です。実際にアメリカの長期金利の推移をチェックしてみるとこうなっています。
大統領選の結果を受けて大きく上昇しているわけですね!これは今後の景気回復期待に加え、トランプ政権によって大規模な財政出動が行われ、アメリカの財務状況がさらに悪化することへの懸念もあるのではないかと思います。
さらに12月にはアメリカの中央銀行であるFRBが1年ぶりの利上げを実施しました。グラフを見ても金利がもう一段上昇していることがよく分かります。
ただ一方で年末にはその「トランプ・ラリー」も一服し、金利はむしろ少し低下していますね。
そのようなアメリカの長期金利の動向を受けて、日本の長期金利も上昇が一服しており、本日の長期金利は「0.070%」ですね。先月の「0.085%」からわずかに低下しています。
住宅ローン利用者からすればこのまま市場金利が低下していくことを期待するわけですが、ただ実際に金利がどんどん上昇する可能性があるかと言えばそれはなさそうです。というのも日銀の長期金利の操作目標が「0%」になっているからですね。
もし国債の金利が0%を大きく上回るほど「安く」なれば、日銀がどんどん購入することで長期金利を引き下げてくるものと思います。買うのはおそらく簡単です。
日銀がしっかり長期金利を低水準に抑え込んでくれることを祈りたいと思います。
なお具体的な2月の住宅ローン金利予測については以下記事にて詳しく述べておりますので参考になさってください。
>>>[2017年2月の住宅ローン金利予想] メインは据え置きもしくは+0.05% ただし金利引き下げの可能性も
メインシナリオを「据え置きもしくは+0.05%」としたのは「外れ」かもしれませんが・・・。
一方で。
本題の2月のフラット35住宅ローン金利を予測するのはずっと簡単です。
と言うのも、フラット35金利のベースとなる住宅金融支援機構の「機構債」の条件がすでに発表されているからですね!したがってここから長期金利がどう動こうとも、少なくとも2月のフラット35金利はほぼ確定です。
と言うわけでその「機構債」金利から、2月のフラット35住宅ローンの金利を予想してみたいと思います。
ちなみにフラット35住宅ローンの金利は概ね以下のような金利の積み上げで決定されているようです。
1.ベース金利=機構債金利
+
2.住宅金融支援機構のフラット35事業運営コスト
+
3.販売金融機関のマージン
残念ながら上記2や3の詳細な内訳は分かりませんが、しかしこれらがほとんど変動しないとすれば、上記1、つまり機構債の条件の変化がそのまま出来上がりのフラット35金利の変化となります。
では具体的に今月=1月発行の機構債の条件はと言うと、前月12月と比較してこのように変化しています。
◆前月と今月の住宅金融支援機構債の発行条件
・0.48% → 0.46% (−0.02%低下)
今月は長期金利と歩調を合わせるように−0.02%と順当に低下したということですね。
フラット35の金利としては最低水準にある楽天銀行をベースにするとこのように変化することになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(単純計算)
・フラット20金利 : 1.02% → 1.00% (−0.02%低下)
・フラット35金利 : 1.12% → 1.10% (−0.02%低下)
切りもいいですが、とは言いつつ毎回、微妙に予測を外しておりますのでもう少し精度を高めるべく、過去6ヶ月の機構債の金利変動と、楽天銀行のフラット20、フラット35の金利変動をチェックするとこうなっています。
・2016年7月の機構債金利変動 : 0.23%→0.19%(−0.04%低下)
8月のフラット20金利 : 0.85% → 0.83% (−0.02%低下)
8月のフラット35金利 : 0.93% → 0.90% (−0.03%低下)
・2016年8月の機構債金利変動 : 0.19%→0.33%(+0.14%上昇)
9月のフラット20金利 : 0.83% → 0.96% (+0.13%上昇)
9月のフラット35金利 : 0.90% → 1.02% (+0.12%上昇)
・2016年9月の機構債金利変動 : 0.33%→0.37%(+0.04%上昇)
10月のフラット20金利 : 0.96% → 0.95% (−0.01%低下)
10月のフラット35金利 : 1.02% → 1.06% (+0.04%上昇)
・2016年10月の機構債金利変動 : 0.37%→0.34%(−0.03%低下)
11月のフラット20金利 : 0.95% → 0.93% (−0.02%低下)
11月のフラット35金利 : 1.06% → 1.03% (−0.03%低下)
・2016年11月の機構債金利変動 : 0.34%→0.41%(+0.07%上昇)
12月のフラット20金利 : 0.93% → 1.03% (+0.10%上昇)
12月のフラット35金利 : 1.03% → 1.10% (+0.07%上昇)
・2016年12月の機構債金利変動 : 0.41%→0.48%(+0.07%上昇)
1月のフラット20金利 : 1.03% → 1.02% (−0.01%低下)
1月のフラット35金利 : 1.10% → 1.12% (+0.02%上昇)
こうしてみると、フラット35の金利はこの機構債の金利に概ね連動していることが分かります。
一方で全然法則性が見えないのがフラット20の金利ですね!今月は機構債金利が+0.07%上昇したにも関わらず−0.01%低下と真逆の動きになりました・・・そのうち、金利決定メカニズムが分かる日が来ることを祈っております。
ということで今回も全くの勘ではありますが、当サイトの2月のフラット35金利予測は最終的にこう結論づけたいと思います。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論)
・フラット20金利 : 1.02% → 1.00% (−0.02%低下)
・フラット35金利 : 1.12% → 1.10% (−0.02%低下)
つまりは機構債の金利変動がそのままフラット20・35の金利に反映される、という読みですね。
当たるかどうかは分かりませんが、相応に金利が下がることを期待しています。
なおこの予測に楽天銀行の金利を利用しているのは、楽天銀行のフラット35は、金利+手数料のトータルコストが最低水準だからですが、それでもこれはあくまで「表面金利」であり、取扱い手数料や、団体信用保険のコストなどを加味すると「実質金利」は概ねこのようになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論:実質金利)
・フラット20金利 : 1.46% → 1.44% (−0.02%低下)
・フラット35金利 : 1.56% → 1.54% (−0.02%低下)
表面金利からすれば魅力は低下してしまいますが、それでも「全期間固定金利」という点を踏まえれば、かなり魅力的と言えます。
ただし上記金利はあくまで「予測」ですので、実際の金利は来月1日以降に正式発表されてからご確認いただければと思います。
>>>フラット35の最新金利について詳しくはこちら
ちなみにこのフラット35、フラット20、そして機構債の金利推移をグラフにするとこのような感じになります。
過去5年間の平均値を見る限り、フラット35・フラット20の金利変動と、機構債の金利変動との間に大きな差はありません。つまり概ね連動してきたということですね。
と言うわけで繰り返しになりますが今月=1月の機構債の金利は低下しましたので、2月のフラット35住宅ローン金利がわずかながら低下するのは間違いなさそうです。
久しぶりの金利低下で、フラット35の申し込みも増加するでしょうか?
参考になさってください。
みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。
<日本住宅ローンプランニング編集部>