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先日のコラムでは住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査」を取り上げましたが、今回もその続きで住宅ローンの完済期間についてご紹介したいと思います。
まず完済の話をする前にそもそもの「貸出期間」ですがこのようになっています。
半分以上が概ね30年以上であり、1割の方が概ね35年ということですね。もっと「35年」が多いイメージがありましたが、実際には30年程度に抑えていることが分かります。
確かに35歳で借りて、年金生活が始まる65歳までに完済しようと思えば借り入れ期間は30年となりますし、40歳なら25年ですね。35年はちょっと長いかもしれません。
では平均値はいくらかと言うと大体、25年から26年の間ということですね。これまたイメージより少し短いですが、この借入の中には「借り換え」も含まれていることを踏まえればこんなものなのでしょうね。
では当初の貸出期間=借り入れ期間は25年として、実際の完済期間はいくらなのでしょうか?何もしなければ借り入れ期間=完済期間となるわけですが、借り換えによって早めに返済されたり、繰り上げ返済などでどんどん返済が進められれば、完済期間はそれだけ短くなります。
その気になる完済期間はと言うとこういうことですね。
何と概ね「14年」ということで、当初の借り入れ期間より10年以上短縮されていることが分かります!すばらしいですね。
ただしこのように完済期間が短縮される理由としては上記の通り
1.借り換えによって早めに返済される
2.繰り上げ返済によってどんどん返済が進められる
の2つがあり、知りたいのは2の方ですね。と言うのも借り換えをしても基本的には借り入れ期間は短くならないからです。「みんなは実際には何年で完済しているのか」が今回明らかにしたい点です。
これを計算するためにまず借り入れの中の借り換えの割合を調べたいと思います。都合のいいことに同じ調査の中に「新規貸出額に占める借り換え割合」が明記されています。こういうことですね。
だいぶバラツキがありますが、概ね「全体の25%程度」とします。
次に借り換えの場合の借り入れ期間ですが、同じく住宅金融支援機構の調査によればこういうことですね。
合計欄の数字から単純計算すると概ね「12年」ということになります。
つまり、25%の借り換えの返済期間が12年とすると、残り75%の「本当の完済」の返済期間がいくらであれば全体が14年になるのか計算すればいいわけですが、単なる方程式ですので計算すると「約15年」ということになります。
あまり変わらなかったですね・・・。
それはともかくとしてこの調査結果から、住宅ローン利用者のみなさんは「期間25年で住宅ローンを借りて、15年で完済している」という姿が浮き彫りになります。
借り換えをせず返済期間を短縮しようと思えば上記の通り「繰り上げ返済」しかありません。みなさん、かなり積極的に繰り上げ返済を進めているということですね!
「我が家は一度も住宅ローンの返済を遅らせたことはないし優秀な方だ」などと思っていると50代後半には、まわりのみんなはとっくに完済していて慌てる・・・なんてこともあるかもしれません。
ドキっとされた方はぜひ15年で完済するためにはどんな返済ペースが必要なのか計算してみてはいかがでしょうか。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>