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最近、再びマンションの供給戸数が増えているという話を聞きましたが、と言うことは住宅販売が好調なのでしょうか?
そうしたわけで、今回は久しぶりに最新の住宅価格動向や、契約率、みんなの見通しから、今マイホームは買い時なのかどうか探ってみたいと思います。
まず始めに、よくご案内している国土交通省が発表している7月発表の不動産価格指数はこのようになっています。
相変わらずマンション価格は「孤高」の上昇を続けていることが分かります。昨年秋には下落基調に転じ、いよいよマンション価格高騰も終焉したかと思ったのですが、今年に入ってから再び上昇し、息の長い上昇となっています。往時と比較して3〜4割上昇している計算でしょうか。
このまま永遠に上昇することはないとは思いますが・・・果たしていつ上昇が止まるのでしょうか。
そしてこれまた対照的に、宅地や戸建て住宅は低位安定しています。積極的に「値上がり益」を狙うのでなければ、注文住宅や戸建て住宅の方が価格が安定しており好ましいと言えますが、マイホーム選びは経済合理性だけで決めるべきものではありませんので、なかなか悩ましいですね・・・。
このようにマンション価格が高騰している背景には「マンション人気」があるのではないかと思いますが、では新築マンションの契約率がどうなっているのか調べたいと思います。不動産経済研究所が発表した最新のデータはこうです。
グラフが少し小さいかもしれませんが、青が首都圏、ピンクが近畿圏ということになります。
また、契約率は赤線を引いた70%が好不調の目安になっていて70%を超えると好調、70%を下回ると不調と言われていますが、首都圏は「マンション人気」どころか、2016年から概ね70%を下回る「不調」が続いていることが分かります!
つまりは首都圏に限って言えば最近の価格上昇の原因は「人気だから」ではないということですね。人件費高騰なのか、地価上昇なのか、そのどちらもなのかは分かりませんが、あくまで「供給サイド」の問題ということのようです。
一方、近畿圏に関しては今年に入ってから好調ですね!一度も70%を下回らず推移しています。住宅市場の好不調にも地域差があるということです・・・。
ちなみにこの不動産経済研究所のデータにはもう1つ興味深いものがあって何かというと新築マンション価格の推移ですね。このようになっています。
まず、確かに首都圏の新築マンション価格は上昇傾向を維持しているものの、一方近畿圏は、2014年から新築マンション価格がほぼ同水準を維持しているということですね。
またその首都圏の新築マンション価格にしても3年前は4,830万円のところ、直近では5,642万円ということで、その上昇率は「+17%」にとどまっています。さらに1月の最高値=6,911万円からは低下傾向ですね。
恐らくこれは一戸あたりの面積を以前より少し小さくして価格が高騰しないように調整しているのでしょうね、きっと。そうした業者の開発努力・販売努力がマンション人気が「大崩れ」しない理由の1つではないかと思います。
全体的には住宅価格は上昇傾向にあるものの、その中身はマンション・戸建て・宅地で大きく異なっており、中でも上昇が目立つマンションも、地域によってこれまた傾向が異なるということですね!
とすると、「住宅は買い時かどうか?」という質問に対する答えも「地域や物件によって異なる」という、何とも歯切れの悪いものとなりそうですが、事実は事実ですので仕方ありません。
物件選びの際は、特にマンション価格が上昇する前の2012年ごろの価格を調べて、「どれくらい上昇しているのか?」「当時の価格水準まで下落するとすればどれくらい下がるのか?」を調べておいた方が良さそうです。
なお最後に、日銀が定期的に調査している「生活意識に関するアンケート調査」によれば、消費者の皆さんの「地価」の見通しはこのようになっています。
全体的には「上がる」が3割、「変わらない」が4割、「下がる」が3割ということで拮抗していますが、ただやや「下がる」が優勢ですね。
本当に先行き地価が下がるのであれば住宅購入はしばらく待っておいた方が良さそうですが、ただこの「やや下がるが優勢」という状態は、2014年の冬からずっと続いていて、これまた低位安定していることが分かります。
今のところその見通しは残念ながら、願望も込められているのか当たっていないわけですから、「見通しがどうなっているか」というより、「見通しがどう変化しているか」に着目した方がいいのかもしれません。
そしてその見通しは、今回の調査でも大きな変化はないわけですから、とすると地価動向もしばらく「現状維持」ということなのですかね。
そうしたわけで繰り返しになりますが、住宅が買い時かどうかというのは、「マンションか戸建てか」と言った点や、「どの地域か」によって変わってきそうです。全体として「今が買い時!」ということはないと思いますが、物件によっては「買い時」と思われるものがあるかもしれません。
いつもご案内しているようにマイホーム選びは経済合理性ではなく、この家に一生住みたいと思える気持ちが大切ですが、しかしそれでも「買い得だった」と思える方が精神衛生上良いですね。
最終決定する前にぜひ周辺地域の過去数年の住宅価格の動向をチェックしてみてください。参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>