※当サイトには広告リンクが含まれています。
これから住宅ローンを借りようとされている方や借り換えようとされている方にとって多少は気になるかもしれないのが、「今、住宅ローンの借り入れは人気なのかどうか」という点ですね。
それを最もタイムリーに知ることができるデータが、住宅金融支援機構が3ヶ月に1回発表する「業態別の住宅ローン新規貸出額」調査です。その最新版=2017年4月〜6月期の結果が発表されていますので早速チェックしてみるとこうなっています。
時代は空前の低金利。とすると住宅ローンの新規貸出額も順調と考えられるわけですが、ではこの4月〜6月期の実績を昨年と比較すると・・・−15.8%と大きく減少しているのですね!
貸出額1,000億円以上の主要業態の実績を抜き出すとこうなります。
・国内銀行 : −17.0%
・信用金庫 : −17.3%
・労働金庫 : +3.7%
・住宅金融支援機構 : −20.3%
なぜか労働金庫が少し増加していますが、それ以外は仲良く2割近い減少となっています。つまりはある業態だけが苦戦したわけではなく、全体が苦戦したということで、住宅ローン業界全般の傾向ですね。
ではなぜこのように前年比で大きく減少したかと言うと考えられる理由はおそらく以下2つです。
1.昨年のマイナス金利政策発動に伴う「住宅ローンブーム」の反動が今回表れた。
2.昨年秋以降の金利上昇傾向が影響した。
おそらく1ではないかと思いつつ、念のためこれまでの新規貸出額の推移をチェックしてみるとこうなります。
一目瞭然ではありますが、念のため過去4年の「4月〜6月期」の新規貸出額を抜き出してみるとこうなります。
・2014年4−6月期:3兆9千億円
・2015年4−6月期:4兆4千億円
・2016年4−6月期:5兆9千億円
・2017年4−6月期:4兆9千億円
つまり・・・いきなり6兆円近い新規貸し出し額となった昨年=2016年が異常だったのであり、今年の実績=4兆9千億円も、2015年・2014年と比較すれば十分なボリュームだったと言えそうです。
住宅ローンは「引き続き人気」というわけです。
その点では昨年秋以降の金利上昇傾向も、むしろ「駆け込み需要」を喚起した側面があるのかもしれません。ということでいつものように、この新規貸出額の中で、フラット35の貸出額と長期金利の推移をチェックしてみるとこうなります。
こうしてみると、「駆け込み需要を喚起した」というよりは、「金利水準にほぼ相関した貸出額だった」と言って良さそうですね。念のため長期金利とこのフラット35の新規貸出額を抜き出すとこうなります。
・2014年4−6月期: 0.617%→3,432億円
・2015年4−6月期: 0.378%→5,035億円
・2016年4−6月期:−0.065%→7,904億円
・2017年4−6月期: 0.072%→6,300億円
かなり相関がありそうですね!ちなみに足元の長期金利は0.020%ですので・・・今期はともかく、少なくとも来期=2017年10月〜12月期はそれなりに好調に推移することになりそうです。
もちろんそれはフラット35に限らず他の民間住宅ローンにも言えることではありますが。
念のため直近の長期金利のグラフをチェックするとこうなっています。
日銀の金利操作=イールドカーブコントロールによって−0.1%〜0.1%の狭いレンジで推移しつつも、7月ごろから再び低下傾向に入ったことが分かります。
すでに底=ボトムは脱したように見えますので、このままおとなしく下がるのかどうかは分かりませんし、アメリカの金利引き上げ&金融緩和縮小の影響も気になるところですが、更なる金利低下を期待しておきたいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>