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1〜6月に供給された投資用マンションは57物件で、前年同期より2物件増加した。平均価格は2381万円と49万円アップした。首都圏の供給エリア別では都内の豊島区が309戸でトップで、事業者別ではTFDコーポレーション(526戸)、日商ハーモニー(292戸)と続いた。
投資用不動産の供給が戻り始めたのは、都心回帰や超低金利を背景に再び賃料収入の拡大が見込めるとの期待が高まりつつあるからだ。もちろん足元の分譲マンションの販売好調を受けて市況が高まりつつあるのも投資への意欲をかきたてている。
不動産経済研がまとめた今年上期(1〜6月)の首都圏マンションの発売戸数は前年同期比27.0%増の2万171戸と6年ぶりに前年水準を上回った。住宅ローン減税などを追い風に「収入が高い30〜40代の購入が増えている」という。実際、首都圏の1戸当たりの平均価格は4712万円と、前年同期より231万円高くなった。地域別の発売戸数は、東京23区が33.1%増となったほか、23区以外の東京が41.0%増、神奈川県が16.3%増と軒並みプラスだ。
首都圏を中心に、マンション販売が復調しつつあるのは既にご案内の通りでありますが、それと同時に投資用マンションの供給も回復しつつあるようですね。
投資用マンションとは、言葉通りではありますが、居住用ではなく誰か他の人に貸してその賃料で利益を出そう、というものですね。資産家であれば、資金の運用先の1つとして、不動産というのは当然、視野に入ってくると思います。
昔は財産3分法ということで、現預金・株式・不動産に1/3ずつわけて保有すべし、という考え方がありましたが、インフレやデフレ、実体経済の混乱の可能性などを考えると確かに理にかなっているとは思います。ある日、紙幣が紙くずになったり、株式がゴミになったりすることはないでしょうけれど(いやまぁ、株式についてはそれはありますが)、とはいえ実物資産として不動産を所有するのは、もしもの時の安心感だったりを考えると悪くないですね。
ただそれはあくまで、「保有資産の運用先」として、ですね。お金持ちが資産を分散して投資することは悪くないと思いますが、そうでない人がわざわざ借金をして投資用マンションを買うのは、まぁやめた方がいいでしょうね。
投資用マンションの想定利回りがいくらか知りませんが、ざっくり5%とします。
5%といえば大した利回りではありますが、もちろんそれがまるまる利益になるわけではありません。記者もそれほど詳しくはわかりませんが、主な費用はこんな感じでしょうか。
・建物の減価償却 2%
・管理費/修繕積立金 1%
・税金等その他経費 1%
これだけでざっくり費用は4%になり、差し引き1%しか残りません。
借金がなければそれでもまだ1%は残ると考えていいかもしれませんが、借金をするとさらに利息も払わないといけません。今は変動金利が低いですが、長期の収支を考える場合にはやはり住宅ローン金利は3%くらいは見ておいたほうがいいですね。
さらに居住用ではなく、投資用マンションだと金利はもっと高いかもしれません。借りに住宅ローン金利が4%だとすると、トータルのコストは8%となり、利回りはマイナス3%の赤字になってしまいます。
また、想定利回りを5%としていますが、これは1年中、入居者がいるという前提です。実際には数年に1回、数ヶ月空くでしょうから、礼金等で回収できない場合は想定利回りはどんどん下がっていくことになります。
加えて、最終的に処分する時にネックとなるのが地価ですね。地価が上昇していれば売却益を狙えますが、今の日本ではなかなか望み薄です。仮に地価が下落していたりすると、売却損がさらに負担となることが考えられます。
もろもろ考えるとやはり投資用マンションはリスクが大きすぎますね。お金持ちの方が資産の一部分で投資するにはまだアリだとは思いますが、一般的なサラリーマンや、退職金をつぎ込んで投資するものではないと思いますねー。
そもそも、必ず儲かる物件なら、業者が絶対手放さず、自分で賃貸しますよね(笑)。世の中に投資用マンションを販売する業者はたくさんあるけれど、投資用マンションに投資して儲けている業者がないことを考えれば、自ずとそれほどおいしい話ではないことがわかりますね。
これから不動産市況が活況になってくるとまた、「サラリーマンでも大家」的なプロモーションが出てくるかもしれませんが、慎重に冷静に判断したいものですね。
(編集部)