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三菱UFJ銀行などメガバンクの変動型の金利は店頭表示金利で2.475%。ただ、最近は金利優遇を幅広く適用し、実際には1%前後まで引き下げている。住信SBIネット銀行の9月の優遇金利は0.975%で、メガバンクをさらに下回る。東京スター銀行は、利用者数限定で0%金利の住宅ローンを投入した。ソニー銀行は中古マンション購入者向けの住宅ローンの取り扱いを始めた。
地域金融機関も獲得競争に力を入れている。西日本シティ銀行(福岡市)は土・日曜日も営業する住宅ローン専用相談窓口「ローン営業室」を設置した支店を2009年度の12店舗から、10年度中に15店舗に増やす。愛知銀行も13年3月期までにローンプラザを12カ所から16カ所に拡充する。
個人は住宅取得に慎重な姿勢を強めている。日銀の調べでは4〜6月の新規住宅ローン実行額は前年同期比で約20%減の2兆7415億円となり、四半期ベースで10年ぶりに3兆円を割り込んだ。これが銀行の競争を加速している面もある。
過熱するローン獲得競争の一方、所得の減少などで返済困難に陥る利用者も増えている。昨年12月に始まった中小企業金融円滑化法に基づく条件変更の累計申込金額は、6月時点ですでに1兆円に迫る。金融機関は低金利競争を繰り広げながら優良顧客の選別も進めており、低金利の恩恵を受けられる個人の差も広がりつつあるようだ。
住宅ローンの競争が激化しているというニュースですね。金利が低下し、様々な住宅取得優遇策があり、景気も中長期的な観点からすれば回復基調にある一方で、構造的には住宅ローン市場は縮小傾向にあるわけで、競争が激化するのもやむを得ないところかもしれません。
上記記事によれば今年の4〜6月期の住宅ローンの新規貸出額は前年同期比で約20%も減少しているのですね。20%!これは大きいですね。普通の会社なら売り上げが2割も減ればたちまち赤字になります・・・恐らく。銀行の目の色が変わっているとしても確かにおかしくありません。
でも何でそんなに減っているのでしょうね?都心の住宅販売は回復基調ですし、住宅着工件数もそれほど大きくは減少していないはずです。昨年、何か季節要因的なものがありましたっけ?別の機会に住宅ローンの貸出額の推移みたいなものも取り上げてみたいと思います。
さて住宅ローンの競争の激化は、住宅ローンの利用を検討している方にとってはもちろん悪くない話ですね。金利が下がることもありがたいですし、相談窓口が増えるなどの利便性が向上するのも朗報です。
また、ソニー銀行が中古マンション購入も対象に含めたように対象物件が広がることも良い傾向です。ぜひさらなる商品性・利便性向上に努めてほしいものです。
一点気になるとすれば、金利についてはあくまで表面金利の競争になっているという点ですね。上記記事では三菱UFJ銀行と住信SBIネット銀行の例が取り上げられていますが、前者は保証料が、後者は借入時に多めの手数料が取られます。場合によっては表面金利の低さを相殺するくらい保証料や手数料が高い場合もあるわけですね。
一方でそういったコストが相対的に低い住宅ローンもあるわけで、そのあたりの「実質コスト」の競争になってくると、さらにユーザーのメリットが増すものと思います。
加えて、メディアも表面金利だけでなく、そういった「実質コスト」に踏み込んで批評してほしいものですね。特に日経あたりは記者のIQも高いと思いますので、分かりやすく比較できるものと思います。ぜひ期待したいところですね。
ちなみに菅総理の続投が決まったことや、更なる金融緩和の観測を受けて、長期金利は再度低下傾向です。住宅ローン金利もまだまだ上昇することはなさそうです。
(編集部)