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可処分所得に占める住宅ローン返済額の割合も20・6%と過去最高だった。
住宅ローン返済額の月平均は10万2069円(年間約122万円)で、前年より名目で0・5%増えた。住宅ローン世帯の割合が増えたことについて、農林中金総合研究所の南武志氏は「金利が低いことや住宅ローン減税が要因」と指摘している。
また、10年のサラリーマン世帯(単身世帯を含む)の実収入の月平均は47万1727円で、物価変動の影響を除いた実質で前年比2・3%増えた。このうち税金や社会保険料などを除いた可処分所得は38万9848円。食料費や光熱・水道費などの消費支出は28万3401円だった。
住宅業界は景気の回復と共におだやかに回復しつつあるように見えますが、しかしリーマンショック・サブプライムショック前の水準と比べればまだまだ低水準ですね。本格回復への道のりは遥か先のように感じます。
当然、住宅ローンの貸し出しも低迷している・・・かと思いきや、上記記事では住宅ローンを抱えるサラリーマン世帯の割合が過去最高になった、ということです。その割合は36.9%。母集団は2人以上のサラリーマン世帯なので多くが結婚している夫婦だとすると、結婚しているサラリーマンの約4割が住宅ローンにお世話になっている、という計算になります。
サラリーマン世帯の定義がよく分かりませんが、イメージとして30歳〜60歳までの結婚していて、職業を「会社員」と記入する世帯が標準的なケースだとすると、その4割が住宅ローンを借りているということは・・・やはり多いのでしょうね。
実際、統計的には「79年に集計を始めて以来、過去最高となった」とのことであります。
また住宅ローンの場合、一般的には年齢が高くなるにつれて残高が減っていき、50代や60代で完済してしまう人も一定割合いるとすれば、30代のサラリーマン世帯などに絞れば、住宅ローンを利用している人の割合はもっと高くなるのでしょうね。
ライフスタイルの多様化だったり、デフレ経済の中で賃貸志向の人も増えているような気がしておりますが、全体から見れば結構みなさん堅実な生き方を選んでいるようですね。バブル時代は完全に過去のものとなり、低成長が長らく続いておりますが、その中で考え方も保守的に、安定志向になってきているのでしょうか?
一方、違う切り口で考えれば、30歳〜60歳までをサラリーマン世帯とした場合、最も人口が多いのは今40歳前後の「団塊ジュニア」世代です。団塊世代はそれよりもっと多いわけですが、すでにその多くが定年を迎えているでしょうから、サラリーマン世帯で考えればボリュームゾーンは「団塊ジュニア」であります。
そして40歳前後というのは住宅を購入する最後のタイミングですね。もちろん40後半でも50歳になっても家は購入できるし、住宅ローンも借りられますが、一般的な期間30年〜35年の住宅ローンを組もうと思えば年齢的にはやはり40前半が最終コーナーとなってきます。
この「住宅ローン利用割合が過去最高」という意味は「団塊ジュニアの中で持ち家志向の人が概ね住宅ローンを借りきったから」ということなのかもしれません。
もちろん昨今の住宅ローン減税を初めとする各種優遇政策が後押ししている面は多分にあるとは思いますが。
こういう状況の中でいい面があるとすれば、同世代で多くの人が住宅ローンを利用しているわけですから、成功談や失敗談も含めていろいろ話を聞けたりアドバイスしてもらえる、ということでしょうか。サラリーマンで3人集まれば1人は住宅ローンを抱えているわけですから、相談相手を見つけるのは容易ですね。
悪い面があるとすれば、これはむしろ金融機関だったり建設業界の問題になってきますが、住宅の購入者や住宅ローンを借りてくれる人がこれからどんどん減っていくかもしれない、ということですね。今、住宅の販売件数が回復しつつあるとは言え低水準である理由が、景気のせいではなく、人口構成による構造的な問題だとするとちょっと深刻ですね・・・。
長い目でみれば住宅ローンも新規の貸し出しから借り換え狙いに、また建設業界も新築販売からリフォームや建て替え狙いに移っていくのでしょうね。
それはそれで今の住宅ローン利用者からすれば、ずっと自分たちを気に掛けてくれるようなものですし、適度な競争状態が保たれるわけでラッキーと言えるのかもしれませんけれど。
ちなみに上記記事によれば「住宅ローン返済額の月平均は10万2069円(年間約122万円)」ということですね。これは実感に近い気がします。参考になさってください。