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東日本大震災を受けて、住宅ローンの金利動向のことはすっかり頭から消えてしまった、という方も多いかもしれません。記者もどちらかと言うとその通りであります。震災からこの方、何となく時間が3月11日のままでストップしているような気すらします。
加えて、株価や為替相場がかなり荒っぽく動きましたので、記者の市場に対する残り少ない関心もそちらに向かってしまい、正直、金利のことは抜け落ちておりました。しかしながら月日はこちらの余裕に関係なく進んでいくもので、気がつけば4月の住宅ローン金利が発表されはじめておりますね。上記記事によれば三菱UFJ銀行の4月の住宅ローン金利は「3月と据え置き」、ということであります。
株価や為替相場があれだけ動いたわけですから金利も同様に変動しても良さそうなものですが、据え置きということは金利の方はあまり変動しなかったのでしょうか?
というわけで代表的な金利指標である長期金利の動きをチェックするとこういうことになっております。
◆長期金利グラフ(期間:3ヶ月)
意外にも金利は落ち着いておりますね。むしろ2月と比較すると若干下がっています。通常、金利と株価は連動しますので、これだけ株価が下がっているわけですから、金利が下落するのも当然と言えるかもしれませんが、株価や為替相場の動きがパニック的に動いたことに比べるとちょっとあっけないくらいの穏やかな金利動向になっております。
住宅ローンの新規借入や借り換えを検討されている方からすれば、原因が原因だけに素直に喜べる方は少ないとは思いますが、この金利下落の動き自体は追い風と言えそうです。
では気になる今後の金利見通しはどうでしょうか?
今のところ金利と株価は連動していそうですので、金利の今後の動向を占うことはつまり、株価の今後の動向を占うこととなりそうです。中長期的に見ればこれから大きな復興需要が生まれますので、多くの企業、特に今回地震の直接的な影響がなかった西日本の会社などを中心に大きな収益チャンスがあるのかもしれません。
専門家の見方では、早ければ今年後半には復興需要による経済効果が見込める、という意見もあるようです。
一方で短期的には、震災の直接的な被害を受けた会社は当然として、それだけでなく、計画停電や、原発にかかわる混乱、さらには消費の自粛ムードによって打撃を受ける会社は相当数に上るものと思います。
そう考えれば中長期的にはともかく、短期的には株価は低迷する可能性が高いと言えるかもしれません。とすると、金利の方も数ヶ月は低位安定が続くことになります。
今回の震災を受けて、家選びもしばし様子見という方も多いかもしれませんが、住宅ローンについても、金利が短期的には上昇しそうにないとすれば、あまり焦る必要がないと言えるかもしれません。
ただ、世界経済全体はそれでもリーマンショックからの回復基調にありますし、日本経済もどこかで復興需要が出てくることを考えれば、金利の低下は「あくまで一時的」と考えておいたほうが無難なのでしょうね。
いずれにせよ、繰り返しになりますが、今のところ金利と株価は概ね連動していそうですので、株価の動きを見ておけば、金利の今後の動きが予想できそうです。