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<編集部からのコメント>
8月から世界の株式相場は荒れ模様ですが、9月に入ってもまだ落ち着きませんねぇ。そうした中、金利も動いています。最近の長期金利の動きは以下の通りです。
直近では1%割れの水準まで下がっています。住宅ローンの金利ももしかするともう一段下がるかもしれませんね。住宅ローンを検討されている方にとっては良いニュースと言えそうです。
さて上記ニュースでは、そうした低金利を背景にして住宅ローン競争が激しくなる中、ソニー銀行が変動金利型の新しい住宅ローン「変動セレクト住宅ローン」の取扱を始めた、ということであります。8月の金利は0.892%ということでとても魅力的ですね!
しかし・・・手数料が融資額の2.1%もかかってしまうのですね・・・あらら。
住宅ローンというのは、貸し手優位の歴史がそうさせたのか、結構複雑なコスト体系になっています。金利だけを見てもなかなか正しく実質的なコストを比較できないのですね。その主な隠れコストの1つが「保証料」でして、大体、融資額の2%程度がこっそり(?)徴収されてしまいます。
この保証料というのは響きは何となく必要そうな感じがしますが、借り手にとっては何のメリットもないものですから、ないに越したことはありません。この保証料は概ね「年0.2%相当」と計算されます。
ネット系の金融機関は保証料をとりませんが、そうすると保証料を取る金融機関の住宅ローンと比べて0.2%程度高くしないと採算が合わなくなるので見た目、不利になります。そのため、一部のネット系の金融機関では保証料の代わりに2%程度の手数料をとるところがあります。これはやはり「年0.2%相当」となりますので、その分、上乗せしないと正確な比較はできませんね。
で、ソニー銀行は今までそのどちらでもない、「保証料も高額の手数料もない」、ある意味良心的な住宅ローンを提供してきたのですが、ついに「高額の手数料がかかる」住宅ローンタイプを提供してきたということになります。「客引き」としてはいいのでしょうけれど、ユーザーからすれば残念ですね。
また保証料は繰上げ返済すると一部が戻ってきますが、手数料の場合は戻ってきません。仮に繰り上げ返済を進め大きく期間短縮すると、結果的には「当初の手数料がかなり割高だった」ということにもなります。その点でもあまりオススメはできないですね。
というわけで金利を比較するときのポイントをまとめるとこうなります。ちなみにフラット35の場合は、手数料(+0.2%)に加え、団体信用保険(+0.3%)が借り手負担となりますので、正味+0.5%ということになります。
・保証料も高額の手数料も取らない住宅ローン : 実質金利=表面金利
・2%などの高額の手数料がかかる住宅ローン : 実質金利=表面金利+0.2%
・保証料を取る住宅ローン : 実質金利=表面金利+0.2%
・フラット35 : 実質金利=表面金利+0.5%
9月の主要な銀行の変動金利を比較するとこうなりますね。
・新生銀行 : 0.980%(キャンペーン金利は0.880%)
・住信SBIネット銀行 : 0.875%+0.2%=1.075%
・ソニー銀行 : 0.888%+0.2%=1.088%
・三菱UFJ銀行 : 1.275%+0.2%=1.475%
参考になさってください。
今月の「実質金利」一覧はこちらにまとめています。 >>>今月の住宅ローン実質金利比較