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2011年12月22日

住宅産業新聞社

販売ルートは住宅業者が8割、変動金利が約6割に=住金機構・民間住宅ローン貸出動向調査


 住宅金融支援機構がこのほどまとめた「平成23年度 民間住宅ローンの貸出動向調査」によると、フラット35を除く民間金融機関の新規貸出で最も多い金利タイプは変動金利型で、約6割に達した。


 前年度よりも1割以上上昇し、結果的に低利で安定していた変動金利型にユーザーの支持が集まったかっこうだ。また、住宅ローンの販売窓口として最も多いのは「住宅事業者ルート」で8割を超えている。住宅営業マンが提携金融機関の住宅ローンを紹介するケースが一般化し、住宅ローンの主要な販売ルートとして確立している。

<編集部からのコメント>

住宅ローンの新規借入や借り換えを検討されている方にとって、お悩みポイントの1つは金利タイプをどうするか、という点です。

とにかく低金利を、ということであれば迷わず変動金利タイプでありますが、一方でこれ以上金利が下がるかと言われればそれも考えにくく、となると「今のうちに金利を固定しよう」ということで長期固定金利タイプも視野に入ってきますね。

金利タイプ選びに迷っている方に参考になるのが、「周りは何を選んでいるのか」という点ですが、上記記事では住宅金融支援機構の調査結果が紹介されておりまして、民間金融機関の新規貸し出しで最も多いのはやはり「変動金利タイプ」で、約6割ということであります。過半数の人が変動金利タイプを選んでいるわけですから、やはり今のところ「住宅ローンの王道」と言えそうです。

具体的なシェアを元データで調べてみるとこういうことですね。




時期としては22年度ということなので「2011年3月末現在」ということだと思いますが、変動金利タイプはオレンジ色の部分でして、確かに59.2%と、約6割となっております。

しかも毎年大きくシェアを伸ばしていて、この3年間で40%近くシェアを増やしていることになります。まさに今は「変動金利全盛期」と言えるのかもしれませんね。

それに唯一対抗しているのが紫色の部分ですが、これは10年固定金利です。変動金利タイプと10年固定金利タイプを合計すれば8割くらいのシェアになりますね。この割合は概ね維持されております。

ざっくり言えば民間金融機関の住宅ローンは「変動金利か10年固定金利かの2択」という状況が続いているということですね。

ちなみに記者が最も驚いたのはこちらのグラフです。



こちらは業態別の金利タイプ内訳ですが、全体としては上記の通り変動金利タイプは6割なわけですが、都市銀行や信託銀行など「メガバンク系」銀行では、変動金利の割合がなんと93.5%になっておりますね!これはなかなか見たことがないシェアです。変動金利以外、ほとんど開店休業状態ということですね。

気になるとすればその下が地方銀行の金利タイプ内訳ですが、52.1%と、こちらも変動金利タイプが最大シェアとは言え、メガバンク系と比較すれば数字が大きく異なります。なぜでしょうか?

地方の方の方がより保守的、という面があるのかもしれませんが、仮にこれが銀行の誘導によるものだったりするとちょっといただけないですね。単純比較はできないものの、基本的には変動金利より固定金利タイプの方が金利が高いわけですから、銀行からすればより利益が出やすい可能性はあると思います。

そのあたりはやはり借入を行う人がしっかり自分の意思で判断しないといけませんね。

ちなみに記者は、デフレ経済が続く限り、日銀がゼロ金利政策を続けると宣言しているわけですから、当面は変動金利でいいと思いますが、どうしても心配な場合は、「変動金利タイプと固定金利タイプのミックス」をオススメします。これなら、今後金利が下がっても上がっても、それなりにメリットを享受できますね。

参考になさってください。

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