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■フラット35って、どんな住宅ローン?
「フラット35」は住宅金融支援機構と民間金融機関との提携ローンで、全期間固定金利(借入期間が20年以下と21年以上35年以下で金利が異なる)である点が最大の特徴。金利や返済額が変わらないので、長期的な家計管理がしやすいほか、保証料が不要、繰り上げ返済手数料が不要、同機構の技術基準検査に合格した良質な住宅に適用されるといった特徴がある。ただし、金利や融資手数料などは取り扱う金融機関によって異なり、団体信用生命保険は任意の加入となる。
また、「フラット35」のほかにも、借入期間36年〜50年以下の「フラット50」や借り換えに利用できる「フラット35/借換融資」などがある。
金利が優遇されることで注目を集めた「フラット35S」は、省エネや耐震などの一定の基準を満たす住宅の場合に、フラット35の金利を一定期間引き下げるスペシャル制度。2011年第3次補正予算によって、フラット35Sエコとフラット35Sベーシックに分けられ、現在は以下のような金利の引き下げを行っている。
■制度変更で、融資率や金利引き下げ期間が変わる!
2012年度の政府予算成立を前提としているが、2012年4月1日申し込み分からは、次の2点の制度変更が予定されている。
(1)フラット35及びフラット35Sベーシックの融資率の上限を、建設費または購入価格の10割→9割に引き下げ
【例】新築住宅購入価額が3,000万円の場合、融資限度額:2,700万円(=3,000万円×9割)
(2)フラット35Sベーシックの金利引き下げ期間を、当初10年間→当初5年間に変更
長期優良住宅等の特に性能が優れた住宅の場合は、フラット35Sベーシックの金利引き下げ期間を、当初20年間→当初10年間に変更。金利引き下げ幅に変更はなく、年▲0.3%。
なお、フラット35Sエコについては、2011年度第3次補正予算に伴う制度拡充終了日(2012年10月31日予定)までは現行のまま。制度拡充終了日(予算枠に達する見込みとなった場合は早期に終了)の翌日からは、フラット35Sベーシックと同じ条件(融資率及び金利引き下げ期間・引き下げ幅変更)となる。
頭金不足のためにフラット35を10割借りようと思っていた人やフラット35Sベーシックを利用する予定の人は、3月末までに申し込みができるかどうか、確認をしたほうがよいだろう。
<編集部からのコメント>
金利優遇の復活により、再度、注目を浴びているかもしれないのが「フラット35S」であります。様々な条件・制約がありますが、概ね当初10年間の金利が通常より0.3%〜0.7%優遇される、というものですね。
その「フラット35S」ですが、4月から制度が変更になるようです。あまりニュースになっていないようですし、これだけ住宅ローンの競争が激しくなっていますので、当然、より有利な条件改訂かと思いきや、上記記事によればこういう変更だと言うことですね。
1.フラット35及びフラット35Sベーシックの融資率の上限を、建設費または購入価格の10割→9割に引き下げ
2.フラット35Sベーシックの金利引き下げ期間を、当初10年間→当初5年間に変更
つまりは・・・改悪される予定、ということになります。
個別に見ると、前者の「融資率」というのは一般市民には聞きなれない言葉ですが、要するに「物件価格の9割しか貸さないよ」ということであります。したがって、必ず最低でも1割の頭金を用意しないといけません。
過半数の方は1割以上の頭金を用意しているものとは思いますが、それでも何割かの方は頭金がゼロだという調査結果を見たことがあるような気がします。
さらに、フラット35を借りる人はその借入期間の長さから、新築×若年層という組み合わせが相対的に多いと思いますので、平均以上に頭金ゼロの利用者が多いのかもしれません。そうだとすると、今回の制度変更の影響は結構ありそうですね。
また、後者のフラット35Sベーシックの金利引き下げ期間がいきなり半分に減ってしまうというのも穏やかではないですね。金利優遇メリットが100万円、とは言わないまでも50万円くらいは減ってしまうのではないでしょうか。
そういうわけで、内容を良く見るとかなりの「改悪」とも言える制度変更ですが、十分な告知期間・救済期間が設けられているかと言うと、新しい条件が適用されるのは「2012年4月1日申し込み分から」ということで、ほとんどあまり余裕がありません。
すでに物件が決まっている人ならまだしも、そうでない人は今からでは到底、間に合いそうにないですね・・・。
かつ、タイミング的に間に合いそうな人でも「申込」というのが具体的にどういうことを指すのか十分、確認しておいた方がいいですね。
いずれにせよ記事にある通り、フラット35の利用を検討されている方で上記制度変更の影響を受けそうな方は、まずは目ぼしい金融機関に、3月末までに申し込みができるかどうか、確認をしたほうが良いのでしょうね。
ちなみに記者は、フラット35は表面金利は低いものの、団体信用保険料が別途必要だったり、取扱金融機関に対して、高額な手数料が必要な点など、実質金利が結構高いことから、正直、あまり積極的にお勧めする気になれません。
したがって、あまり焦る必要はないのではないかと・・・思ってしまいます。
なお、フラット35も含めた、今月の住宅ローンの実質金利比較はこちらをご覧ください。
>>>最新の住宅ローン実質金利比較(含むフラット35)