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<編集部からのコメント>
以前も取り上げた、ゆうちょ銀行の住宅ローン参入問題。あまりニュースに上ることはありませんが、参入にむけて準備が着々と進んでいるようですね。
背景としてはゆうちょ銀行の利益が伸び悩んでいることに加え、上記の通り、郵政民営化委員会が日本郵政が規模拡大を容認する方針に転換したことがあります。
この動きについては賛否両論があるようで、特に直接競合する民間金融機関は大きく反発しています。政府の出資や関与が残っている限り、「半・公的機関」として利用者の信頼感が高まり、公正・公平な競争とならない、ということです。
全くもって一理あります。記者も正論だけで考えるなら、順番としてはまずしっかり民営化して、規模を拡大するにせよ、縮小するにせよそれから、というのが正しいと思います。
一方で、住宅ローン利用者としての立場で考えると、全く逆で、ゆうちょ銀行の住宅ローン参入は大歓迎ですね。金利が低ければ十分選択肢になります。実際、ゆうちょ銀行には低金利で集めている定期貯金・定額貯金がたっぷりありますから、低金利の住宅ローンを提供できる可能性は結構ありますね。
特にうれしいのは、地方にお住まいの住宅ローンユーザーではないでしょうか?地方だとなかなか大手銀行の支店はありませんし、ネット銀行などもカバーしていない地域があります。そういうところでは地域金融機関がメインとなりますが、適切な競争状態にあるのか、利用者にとって有利な条件となっているのかどうかと言うのは・・・正直、疑問です。
実際、地域金融機関の貸し出しの中心は固定金利であり、相対的に金利が高めですね。顧客が十分納得して借りているのであれば全く問題ありませんが、不十分な競争の中で、そうした金利タイプに誘導されているのだとすると問題なしとはいえません。
ゆうちょ銀行はその充実した店舗網の下、特に利便性が相対的に高いのはそうした地方エリアですね。コンビニや銀行がない地域でも、ゆうちょ銀行だけは必ずあります。仮にそのゆうちょ銀行が大手銀行並みの低金利を提供してくれるのであればかなり心強いです。
ちなみに上記の通り、当初は「民業圧迫」という批判をかわすために、現在の住宅ローン仲介業で実施しているような、自営業者や高齢者など、民間が積極的に取り組んでこなかった顧客層に対象を絞り込んで事業を展開する方針のようですね。
そうなるとちょっと期待外れになるという気もしなくはないですが、ただそうであったとしても、民間ではなかなか借りられない人にも選択肢が広がるわけで悪い話ではありません。
また、規模拡大を考えれば、いつまでもそうしたニッチ層だけを狙うわけにはいかないでしょうから、徐々に対象顧客を広げていくのは時間の問題かと思われます。
いずれにせよ、順調にゆうちょ銀行の住宅ローン参入が進むことを期待したいと思います。
しかし。
気になるとすれば、「近い将来」から「近いうち」に改められた、衆議院の解散総選挙の影響です。仮に総選挙となれば、どの政党にも風が吹いていない現状では、最も支持率が高そうな自民党を中心とした連立政権になる可能性が高いですね。
これは日本郵政とゆうちょ銀行にとって追い風となるのでしょうか?それとも向かい風になるのでしょうか?何となく追い風になるような気もしますが、こればっかりは蓋を開けてみないと分からないですね。
未来のことは分かりませんが、やはり、いつまでも政治家頼み・政治力頼みというのはやめにして、1日も早く完全民営化して、スッキリした形で公正・公平に業容拡大に努めてもらいたいものですね。