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<編集部からのコメント>
昨年の年末からビックリするくらいに株価が上昇していますね。日経平均で言えば11,000円台も間近な状態です。
これは、安倍政権による大胆な金融緩和や財政出動期待に加え、それに連動する形で為替相場が大きく円安に振れたことも大きいですね。久しぶりに景気回復を実感できるのでしょうか?一市民としては期待したいところです。
ただ一方で、これから住宅ローンの借り入れや借り換え、マイホーム購入を検討されている方にとっては喜んでばかりはいられない面もあります。
まず景気や株価と金利は連動していますので、景気が回復し、株価が上昇すれば金利も上昇します。金利が上昇すれば当然、住宅ローン金利も上昇することになります。実際、足元の長期金利は昨年末の0.7%前後から0.8%前後へ、0.1%近く上昇していますね。
上昇幅はわずかですし、金利の絶対水準自体はまだまだ超低金利です。さらに足元では金利は逆に低下する兆しがあるものの・・・今後、金利が上昇する可能性が高まっている点には注意が必要です。
そしてもう1つ、景気回復によるマイホーム購入へのデメリットを挙げるとすれば土地や建物の値段の上昇が考えられます。バブル崩壊以降、中長期的にはずっとデフレ経済が続き、特に土地の値段は下がり続けてきたわけで、値段が上昇すると言われてもピンと来ませんが、しかし、その兆しは確実に出ていますね。
上記記事でも指摘されているように、国土交通省が発表した10月時点の地価調査によれば、前回7月の調査時点と比較して「地価が上昇している地点+横ばい地点」の割合が、東京圏でも大阪圏でも増えているのがわかります。
逆に地価が下落している地点の割合は東京圏では2割、大阪圏では1割未満まで減ってきているのですね。デフレ経済のもと、「何となく待っていれば値段は下がる」という状況に慣れっこになっていますが、土地の値段に関しては一足早くそうした状態から抜け出しつつあるようです。
さらにこの調査は上記の通り10月地点のもので、その後は政権交替があったわけですから、土地の値段はさらに強含んでいるとしても不思議ではありません。株価がこれだけ上昇しているのですからね。地価にもそれなりに上昇圧力が加わっていると考える方が自然だと思います。
仮に地価が1%上昇するとすれば、土地代が2,000万円の場合で20万円、2%上昇だと40万円、3%上昇だと60万円です。それほど焦る金額ではないかもしれませんが、それでも住宅ローン金利の細かな差を吹っ飛ばすだけの威力があるのも事実です。下がり続けた地価が反転するのであれば大きな潮目の変化となります。
そもそも安倍政権が目指すインフレ経済とはモノの値段が上昇する経済ということで、土地の値段も同様に上昇することになります。少子高齢化が進む日本で本当にインフレ経済となるのかどうか、疑問は残るものの、足元では地価が上昇に転じつつあるわけですからね。ご留意いただければと思います。
ちなみに上記記事のように地価に関しては東京や大阪が取り上げられることが多く、「上昇と言っても都心部だけでしょ?」という先入観がありますが、実際には東京圏よりも地方の方が地価の上昇傾向が出てきていますね。具体的に上昇している地域についてはこちらの記事も参考になさってください。
>>>気になる地価動向 主要都市は上昇へ
住宅市場には、こうした地価上昇の兆しに加え、消費税増税という強力な追い風があります。さらに冒頭申し上げたように景気回復に伴い金利が上昇すれば、住宅ローン金利も上昇することになるわけで、そうなってくるとかなり過熱してくる可能性は十分あります。
日本経済全体から見ればこうした動きは結構なことかもしれませんが、マイホーム購入者からすれば・・・やはり焦りを禁じえない状況と言えますね。
とは言いつつ、買う家も住む家も1つなわけで、2つも3つも購入するわけではありません。今後は周りが過熱すればするほど、冷静さを保つ心がけの方がむしろ必要と言えるのかもしれませんね。
大事なことは地価動向や税制、住宅ローンの金利水準ではなく、「一生住みたい」と思える家に出逢えるかどうかです。住宅選びをされている方がベストなマイホームにめぐり合えることを祈っております。