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<編集部からのコメント>
日本の株価が驚くほど好調ですね。そもそも下落する日が少ない上に、下落してもすぐさま上昇しリカバリーする動きが続いています。
これはアベノミクスへの期待や、世界経済の回復基調などが下支えしているのは間違いないとは思いますが、それ以上に直接的に株価上昇要因となっているのは足元の円安傾向です。あっと言う間に95円台ですからね。長らく80円前後の史上最高の円高に苦しんでいたのがウソのようです。
ではなぜ円安が進んだかと言うと、原発停止などに伴う、折からの貿易赤字の定着が大きいですね。最近では経常収支まで赤字です。これはこれで問題なしとしませんが・・・。
このように株価が上昇し、世の中が明るくなり、国内経済も徐々に活気を取り戻しつつあるのは結構なことですが、住宅ローンを検討されている方にとって気になるのが金利の動向です。と言うのも金利と株価は基本的には連動し、株価が上がれば金利も上昇するからですね。
そんなわけでいつものように、住宅ローン金利と関係の深い10年もの国債金利=長期金利の最近の動きを上記グラフでチェックしてみると・・・何と足元では0.585%まで下がっています!
金利はこの1ヶ月でメチャメチャ下がっているわけですね。2012年も結構な低金利でしたが、その水準をもはるかに下回る、「ハイパー低金利」とも言える状態です。
アベノミクスのインフレ志向から、「ハイパーインフレ=ハイパー金利上昇」を懸念する声もありましたが、実際には「ハイパー低金利」が実現しているというのはなんとも天邪鬼な動きですね。もし金融市場が今後の金利上昇を本気で信じるなら、こんな低金利で国債を購入し、後で莫大な損失となるリスクは取らないわけですが、そうなっていないところを見ると、少なくとも金融のプロは結果的に、インフレも、それに伴う金利上昇も全く信じていない、ということになりますね。
本音は分かりませんが・・・。
金利がこのように大きく低下している理由はもちろん、日銀に対する、更なる金融緩和期待です。今までこうした金融緩和期待は膨らんではしぼむ、ということを繰り返してきましたが、今回の期待感は結構、持続していますね!
ただし、もうまもなく新しい黒田・日銀がスタートするわけで、今度は期待に応え、それを上回るだけの結果が求められます。記者自身はさらなる金融緩和やその効果については残念ながら極めて懐疑的ですが、実際はどうなるのでしょうね?This time is different=今度は違う、ということになるのでしょうか?
住宅ローン利用者としてはもちろん低金利継続を期待したいところですが、追加金融緩和が期待はずれに終わり、金利が上昇する可能性は十分あります。
そもそも景気が回復し、株価が上昇し、政府がインフレを目指す中で、金利だけがいつまでも「ハイパー低金利」に沈むというのは無理があります(それが大胆な金融緩和の結果だとしても)。もちろんこのまま金利が低下していく可能性もあるわけですが、どこかで金利が反転する可能性についても頭に入れておくべきなのではないかと思います。
いずれにしても金利が驚くほど低下している今の状態は住宅ローン検討者・利用者にとっては強い追い風と言えます。焦って契約する必要はもちろんありませんが、この機会をぜひ上手に生かしてもらいたいと思います。
さて気になるのが今後の金利見通しですが、その前に、いつものように2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。
長期金利は今が歴史的な低水準にあることがよくわかる一方で、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。
当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入による金融不安の大幅な後退などが要因と思われますが、仮に「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、脅かすわけではありませんが、やはりこれから金利が上昇する可能性というのは十分ありそうです。
足元では上記の通り金利はむしろ低下傾向にあり、その点では繰り返しになりますが焦る必要は全くありませんし、仮に今後2003年並みに上昇するといってもたかが+1%程度なわけですが・・・されど1%ともいえます。
今の「ハイパー低金利」は住宅ローン返済額を大きく縮小できる絶好の機会ですね。ぜひ上手に活用してもらいたいと思います。
さて、2013年4月の住宅ローン金利ですが、いつものように、早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利から動向を占ってみたいと思います。ソニー銀行の住宅ローン金利を、3月と4月で比較するとこういうことですね。
◆ソニー銀行住宅ローン金利
・変動金利 : 1.121% → 1.121% (変わらず)
・10年固定 : 1.499% → 1.394% (0.105%低下)
・20年固定 : 2.318% → 2.234% (0.084%低下)
・30年固定 : 2.511% → 2.434% (0.077%低下)
やはり足元の長期金利の低下を受けて、10年もの金利を中心に大きく金利を引き下げていることが分かります。
当然、こうした金利環境というのは他の銀行や金融機関も全く同じですから、4月の住宅ローン金利は全般的に、固定金利タイプを中心に大きく下がるのは間違いなさそうです。
フラット35などは史上最低金利を更新しそうですね。期待しておきたいと思います。
一方、あえて付け加えるとすると、ソニー銀行の4月の上記住宅ローン金利の中で唯一金利が変わらないのが変動金利タイプですが、これは変動金利タイプのベースとなる短期金利が一足早く「ゼロ金利」となっているからですね。
ベースの金利がすでにゼロなのでなかなかこれ以上下げようがありません。いくら金利の低下が進んでも、変動金利タイプはこれ以上下がりにくい点はご注意ください。
皆さまがこの「ハイパー低金利」という追い風を生かし、最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております!