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<編集部からのコメント>
4月となりました。少し前まで冬の寒さが厳しく、北日本を中心に雪の被害が報道されていましたが、いつの間にやら桜が咲き、散り、新年度となっていますね・・・早いものです。
例年、不動産市場は3月がピークで、住宅ローン市場はそれより早い2月ごろにピークを迎えるようですね。当サイトの訪問者数も確かに1月から2月にかけてピークアウトし、その後はやや落ち着き始めているように見えますが、しかしそれでも12月などと比較すると相対的には高水準で推移しています。
昨日は4月1日だったわけですが特に訪問者数が減ることもありませんでしたので、そういった季節性とは別に、今は住宅ローンへの高い関心が続いているようです。
確かにインフレだの株高だの景気回復だの、金利上昇をイメージする言葉が新聞紙面をにぎわせている傍らで、実際の市場金利も住宅ローン金利も大幅な低下傾向にあり、住宅ローンから目が離せない金利環境と言えるかもしれません。
加えて住宅ローンの借り換えであれば不動産市場のピークとは関係がないでしょうし、新規借り入れの場合でも、今は消費税増税という大きなイベントが徐々に近づきつつある時期ですからね。否が応でも住宅ローンへの関心が高まりやすいのかもしれませんね。
では具体的に足元の、住宅ローン金利と関係の深い長期金利の水準がどうなっているかと言うとこのようになっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
2月中旬くらいから金利がドドーンと下がっており、昨日(4月1日)は0.555%となっています。先月のこの時期が0.605%でしたので、そこから見れば0.05%下落したことになります。金利水準がかなり低くなっているのでこの0.05%の差は大きいですね。
今までの史上最低金利が2003年の0.435%でしたので、そのとき以来、史上2番目の低水準ということになります。
株価も上昇し、政府がインフレ経済を目指す中での金利低下は常識的に考えれば違和感を感じるわけですが、低金利の最大の要因は、新しく日銀総裁となった黒田氏の大胆な金融緩和への期待が高まっているからですね。
金融緩和が実施されれば、マネーが市場にジャブジャブと投入されることに加え、日銀が国債を積極的に購入し、国債の値段が上昇しやすくなることから、その分、金利は低下します。
こうした金融緩和への期待がずっと続くのか、それとも失望に変わるのかは分かりませんが、当面は強い金利低下圧力が続きそうですね。
[2013年4月の住宅ローン金利]
ここで4月の住宅ローン金利をチェックすると、20年固定や30年固定などの長期固定金利を中心に住宅ローン金利が下がる、という結果になりました。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
フラット住宅ローンも、フラット20の金利が概ね▲0.15%、フラット35の金利が概ね▲0.19%と3月に比べ大きく低下しています。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
一般的な住宅ローンはと言うと、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、3月と4月の住宅ローン金利を比較するとこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行
・変動金利 : 0.865% → 0.865%
・5年固定 : 0.690% → 0.710% (+0.02%)
・10年固定 : 1.180% → 1.180%
・20年固定 : 2.040% → 1.940% (▲0.10%)
・30年固定 : 2.170% → 2.070% (▲0.10%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(実質金利)
・変動金利 : 1.275% → 1.275%
・10年固定 : 1.550% → 1.550%
・20年固定 : 3.600% → 3.550% (▲0.05%)
・30年固定 : 2.810% → 2.600% (▲0.21%)
>>>最新の金利はこちら
確かに全般的には金利が低下しているものの・・・まず気になるのが住信SBIネット銀行で5年固定金利がほんの少し上昇している点ですね。5年ものの市場金利をチェックしてみると確かに下げ止まっているようですが、一方で上昇しているということもなさそうです。
だとすると、3月までの積極的な金利が終息した、と言った面があるのかもしれません。注目したいと思います。
加えて気になるのが、最近の金利低下を受けて確かに20年固定や30年固定の住宅ローン金利は下がっているものの、より人気が高そうな10年固定金利は据え置きだった点ですね。これには記者も含めややガッカリされた方もいるかもしれません。その理由として上記記事では「調達金利が低下していないことなどが背景」とのことです。
市場金利が低下しているのに、銀行の調達金利が低下していないのは解せませんが、もしそれが真実だとすると、特に今月動きがなかった10年固定の住宅ローン金利などは、なかなかもうこれ以上は下がらない水準まで来ているのかもしれませんね・・・こちらも今後の動きに注目したいと思います。
ちなみに当サイトで一番人気の新生銀行はキャンペーン終了により金利が少し上昇しました。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.980% (+0.10%)
・10年固定 : 1.400% → 1.500% (+0.10%)
・20年固定 : 2.300% → 2.300%
・30年固定 : 2.600% → 2.600%
>>>最新の金利はこちら
こちらも住信SBIネット銀行と同様に、3月までの積極的な金利が終了したのかもしれませんね。
新生銀行は、金利だけでなく、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しており、そうしたことも背景にあるのかもしれません。それでも最低水準の金利ではあるのですが・・・。
[今後の住宅ローン金利の動向]
気になるのが今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り当面は市場金利に強い低下圧力がかかりそうなので、住宅ローン金利もすぐに上昇するということはなさそうです。黒田・日銀もこれから実際に金融緩和を始めるわけですしね。
一方、毎回ご案内しているように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみると「別の懸念」も出てきます。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
上記の通り、0.55%前後という金利水準は歴史的に見て「超・低金利」であるのは間違いありませんが、前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんが、住宅ローンをご検討の方はそうした金利上昇リスクを頭の片隅に入れてご検討を進めていただければと思います。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2013年3月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.865%〜2.675%
・10年固定:1.180%〜3.75%
・20年固定:2.040%〜3.60%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはり先月の金利と比較すると今月は、20年固定金利が低下していますね。参考になさってください。