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アベノミクス、成功でも失敗でも住宅ローン金利上昇!?

このページでは、住宅ローンに関する各種ニュースや情報をご紹介します。今回取り上げるニュースはこちら。
2013年5月2日

ガジェット通信

アベノミクス失敗でも成功でも金利上昇の可能性高いとFP分析




※抜粋

<編集部からのコメント>

5月となりました。すでに当サイトの住宅ローン金利比較も更新させていただいていますが、時系列で住宅ローン金利をチェックされている方は「あれ?」と思われたかもしれません。と言うのも今月は全般的に住宅ローンがほんの少し上昇したからですね。

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4月にいわゆる「異次元の金融緩和」策が発表されました。金融緩和が実施されれば、金融市場や銀行にお金があふれ金利が低下することから、当然、「異次元の低金利」が実現されると連想した方は多いのではないでしょうか?

かく言う記者もその口でありまして、まず市場金利が下がり、次に住宅ローン金利が下がり・・・ということで当初は5月以降の住宅ローン金利は下がるであろうと踏んでいたのですが、実際には少し上昇したわけですね。

ではなぜ今月の住宅ローン金利が上昇したかと言えば、まさに市場金利が上昇したことに他なりません。「異次元の金融緩和」によってむしろ金利が上昇するというのは奇異ですが、それだけ金融市場が混乱したということであり、それだけ大規模な金融緩和だったということですね。最も代表的であり、住宅ローン金利と関係の深い長期金利=10年もの金利はこのように推移しています。



恐らくこうした金利上昇は一時的な混乱だと思いますので、今後、金融市場が落ち着くにつれ金利はやはり金融緩和の規模に見合うだけ低下していくのではないでしょうか?もちろん未来の金利を正確に予測できる人はいませんが・・・。

とは言いつつ。

今月の住宅ローン金利上昇にドキっとされた方は少なくないかもしれません。と言うのも、そもそも住宅ローン金利が史上空前の低金利になっていることに加え、安倍政権や黒田日銀が志向するアベノミクスでは、2年後に2%のインフレ率達成を目指しているからですね。

インフレというのはモノの値段が上がり、お金の価値が下がることで、お金の価値が下がるということは金利が上がることを意味します。つまりシンプルに言えば、2年後に2%のインフレが実現すれば、金利も2%になっている可能性があるということです。

そんなわけでアベノミクスが盛んに取り上げられるに従い、住宅ローン利用者、利用予定者の「金利先高観」が徐々に高まっているのではないかと思いますが、今月の住宅ローン金利上昇はそうした懸念を後押ししたかもしれませんね。

では「識者」は今後の金利動向や住宅ローン金利の行方についてどう考えているかと言うと、上記記事で取り上げられているFP氏は「アベノミクスが失敗しても成功しても金利は上昇する可能性が高まっている」と断言しております。

その根拠としてまずアベノミクスが失敗するケースは、国債増発に歯止めがかからないと市場に見られて国債の信任が低下し金利が上昇するという、いわゆる「悪い金利上昇」が起きるシナリオですね。

確かにその可能性は一定割合あると思います。

次にアベノミクスが成功するケースは、企業による設備投資などで資金需要が増加することにより「良い金利上昇」が起こるシナリオですね。

もちろんその可能性も一定割合あると思います。

ただし、これらを持って「アベノミクスが失敗しても成功しても金利は上昇する可能性が高い」と考えるのはやはり極論ですね。

上記はあくまで「ものすごく失敗するケース」と「ものすごく成功するケース」です。極端なケースを持ち出し、「どちらに転がっても金利が上昇する」と警告しているわけですが、実際にはその「間」に着地するのが現実的なメインシナリオではないかと思います。

では、その「間」のケースというのはどういうことかといえば「国債残高が増えるものの信用が低下するほどではなく、景気が回復するものの金利が上昇するほどではない」というシナリオですね。

「素人のお前より識者の予想の方が信用がおけるではないか」と批判されるかもしれませんが、では金融市場のプロたちが未来の金利をどう予測しているのか、最も端的に調べる方法があります。

それが何かといえばまさに上記の長期金利をチェックすることですね。足元では0.60%前後という水準ですが、仮にプロたちが2年後の金利上昇を予測しているとするとこの金利はどうなるのでしょうか?

長期金利は上記の通り10年もの金利ですので「最初の2年間は0.5%くらいで、残りの8年間は2.0%で推移する」と予測しているとすれば、長期金利は1.7%ま上昇するはずです。

あるいはもっと極端に「最初の2年間は0%で、残りの8年間は2.0%で推移する」と予測していたとしても1.6%となっているはずです。

ところが・・・0.6%なのですよね。これはたとえば「最初の2年間は0%で、残りの8年間は0.75%で推移する」といった金利予測を表しているとも言えますし、「10年間、0.6%という超低金利のまま上がらない」と考えているとも言えます。

つまりプロ中のプロは、今のところ、金利上昇を全く予測していない、ということですね。

ということは、現状の金融市場のコンセンサスは「アベノミクスが失敗しても成功しても金利は上昇する可能性は低い」という、全く逆の見方、ということになります。

もちろんこうした長期金利は思惑によって上下することも多いですし、プロの予測が必ずしも当たるわけではないのですが、少なくとも今が、金利上昇に焦る局面ではない、というのは間違いないと思います。

日本ではバブル崩壊以降、20年以上、金融緩和が実施されてきましたが、実際のところ、「悪い金利上昇」も「良い金利上昇」も一切起こっていませんからね。少なくとも歴史的に見れば「アベノミクスが失敗しても成功しても金利は上昇する可能性は低い」という方に分がありそうです。

今月の住宅ローン金利上昇にドキっとされた方は参考になさってください。

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