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<編集部からのコメント>
9月となりました。今年の春先から4月・5月にかけて、増税前の駆け込み需要や、地価上昇懸念、そして何より金利上昇への不安感から、大きく盛り上がってきた住宅ローン市場ですが、夏場にかけてややスローダウンしてきたように感じています。
実際、住宅ローン金利が上昇してしまった、ということもありますが、増税前に住宅を購入しようと思うと新築マンションなどではそろそろ間に合わないタイミングになりつつある、ということもあると思います。今回の住宅ローンの駆け込み需要のピークが一足早く終了したと考えても、そうおかしくはありません。
そんなわけで、最近の報道で住宅や住宅ローン市場について、これから駆け込み需要が起きてくると言われても正直、ピンと来なかったわけですが・・・。
9月はまだ数日ですが、当サイトへのトラフィック数や、サイト内でのクリック数が、また回復しつつあるようです。これが本当に駆け込み需要によるものなのか、あるいは足元の金利低下によるものなのか、単に「たまたま」なのかどうかはまだ分かりませんが、動向を興味深くウォッチしたいと思います。
ではいつものように、住宅ローン金利と関係の深い、最近の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
なぜか5月中旬にドカンと上昇した長期金利ですが、上記の通りここに来てようやく低下し始めました!住宅ローン利用者としては歓迎すべきことですね。
足元ではしばし続いた0.8%台に別れを告げ、0.7%前半まで低下しています。0.6%台まで目前、という状況です。
アメリカの「金融緩和縮小懸念→金利上昇」の動きが後退していることや、株価の下落、さらにはシリア情勢など地政学リスクがジワジワ増大していることもありますが、やはりベースとしては、異次元の金融緩和によって崩れていた国債市場の需要と供給のバランスが正常化しつつある、というのが大きいのでしょうね。
だとするとさらなる金利低下も期待できそうですが・・・期待だけはしておきたいと思います。
[2013年9月の住宅ローン金利]
さて9月の住宅ローン金利ですが、上記の通り長期金利が7月半ばから順調に低下してきていることもあり、全般的に引き下げとなっています。
つまりは、5月から7月まで3ヶ月連続で続いていた住宅ローン金利上昇の動きが一旦は終了した、ということですね。ありがたいことです。
仮にこうした金利低下が住宅ローン需要の拡大にダイレクトに影響するのであれば、冒頭ご案内したようにスローダウンしたように感じていた住宅ローン市場も再度盛り上がってくることになりますね。今後、順調に市場金利も住宅ローン金利も低下していくことを期待したいと思います。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
今月の住宅ローン金利を具体的に見ていくと、フラット住宅ローンも、主力のフラット35の金利は−0.05%、フラット20の金利は−0.05%と、やはり8月に比べ低下しています。金利水準としては今年の春先のレベルまで低下してきた、ということですね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
では一般的な住宅ローンはと言うと、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、8月と9月の住宅ローン金利を比較するとこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行
・変動金利 : 0.865% → 0.815% (−0.05%)
・10年固定 : 1.350% → 1.250% (−0.10%)
・20年固定 : 2.300% → 2.250% (−0.05%)
・30年固定 : 2.420% → 2.370% (−0.05%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.275% → 1.275%
・10年固定 : 1.900% → 1.700% (−0.20%)
・20年固定 : 4.100% → 3.850% (−0.25%)
・30年固定 : 3.130% → 2.830% (−0.30%)
>>>最新の金利はこちら
やはり、全般的に金利が下がっていますね。特に三菱UFJ銀行については、金利の引き下げ幅が−0.2%〜−0.3%とかなり思い切った利下げになっています。
一方、ベースとなる長期金利は多く見積もっても0.1%程度の金利低下ですから、それだけ住宅ローンの獲得に積極的であり、それだけ銀行間の住宅ローン獲得競争が過熱している、ということでもあります。
その点では住信SBIネット銀行が、変動金利を−0.05%引き下げた点も強く印象に残ります。短期金利についてはずっとゼロ金利が続き変動していません。つまりベースとなる金利は変わっていないのに、住宅ローン金利が下がったということは、単純に「銀行の利ざや=儲けを削ってきた」ということですね。
住宅ローン利用者にとってはもちろんありがたいことですが、個人的にはここまで利ざやを削ってくると、住宅ローンビジネスではなかなか利益が出ないのではないかと少し心配になってきますね・・・。余計なお世話かもしれませんが。
さて当サイトで一番人気の新生銀行の9月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.980% → 0.980%
・10年固定 : 1.750% → 1.700% (−0.05%)
・20年固定 : 2.200% → 2.100% (−0.10%)
・30年固定 : 2.600% → 2.600%
>>>最新の金利はこちら
こちらも10年固定や20年固定で金利を引き下げてきています。特に20年固定はこの中では最も低いですね。ただ金利引き下げ競争からは半歩出遅れている気もしないではありません。新たなキャンペーン等が開始されることを期待したいと思います。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力していますね。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても比較検討されてはいかがでしょうか。
[今後の住宅ローン金利の動向]
気になるのが今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り、長期金利は順調に低下していることに加え、銀行間の住宅ローン獲得競争も過熱しており、短期的にはさらなる住宅ローン金利の低下が期待できる状況にあります。
一方で。
中長期的に考えると、景気と金利は基本的には連動しますので、今後、国内経済が順調に回復していけばいつか金利が上昇する局面も出てくると思います。
特にカギとなるのは物価ですね。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、実需と金融緩和縮小の両面から金利の上昇圧力になってきます。
足元の物価は若干プラスになった程度ですので、本格的な金利上昇にはまだまだ力不足ですし、個人的には少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか、疑問を感じなくもないですが、中長期的な金利上昇の可能性については頭に入れておきたいところです。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした長い目で見た場合の金利上昇リスクを、頭の片隅に入れて、相対的に金利が低い間に、着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が全般的に下がった今月=9月というのは、やはり住宅ローンを検討するにはベストなタイミングと言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2013年9月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.815%〜2.675%
・10年固定:1.250%〜4.10%
・20年固定:2.100%〜4.10%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはり先月の金利と比較すると今月は、全般的に住宅ローン金利が低下していますね。すばらしいことです!参考になさってください。