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<編集部からのコメント>
7月となりました。最近、何度もコメントさせていただいているように増税後の4月以降、やや低迷していたように感じていた住宅ローンの需要ですが、6月から徐々に回復しつつあるのではないかと思っています。
と言うのも、当サイトへのトラフィックやクリック数が徐々に増加してきたからですね。
一方で、最近の報道などを見ると、マンションの供給数も引き続き低迷しているようですし、戸建て住宅や注文住宅の着工件数も大きく低迷しているようですね。もちろんこれらの数値は5月以前のものでしょうから単なるタイムラグなのかもしれませんが、気になるところです。
ただ足元の地価・建設費の上昇傾向や、来年秋の増税方針を考慮すれば、早晩、「反動減」を乗り越えて新たな駆け込み需要が発生するのではないかと思いますが・・・いかがでしょうか。
いずれにしても、新規借入ニーズにせよ、借り換えニーズにせよ、住宅ローン需要が堅調な間は金利が低位安定して推移することを祈りたいと思います。
さて7月の住宅ローン金利動向ですが、上記ニュースの通り、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行の各メガバンクの10年固定金利は「据え置き」ということで引き続き低金利が継続されています。
先日のこちらのコラムでは「7月の金利はほんの少し低下へ」と予想しましたが、結果は「据え置き」ということでやや当てが外れました。
>>>[7月の住宅ローン金利予想]長期金利は0.6%回復も、7月の金利はほんの少し低下へ
ただ言い訳するわけではありませんが、10年固定金利以外のところ=20年固定金利や30年固定金利については一部で「引き下げ」となっておりまして、その点では当たらずとも遠からず・・・といったところではないかと思います。
ここでいつものように住宅ローン金利と関係の深い、最近の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
長期金利は、長らく強力な抵抗線となってきた0.6%を大きく割り込み、0.5%台半ばまで低下していますね!実際、足元の長期金利は0.550%であり、先月のこの時期の0.580%から順調に下落しています。
上記グラフの期間中でも最低水準まで低下してきているわけですが、もちろん歴史的に見ても最低水準にあります。これはやはりそもそもの異次元緩和による金利引き下げ圧力に加え、「アメリカの金融緩和縮小はそんなに早くは進まない」という安心感が広まっているからか、世界的にも金利が低下してきている影響が大きそうです。
そんなわけでアメリカの金利をチェックしてみると・・・やはり徐々に低下を試す動きとなっています。少なくとも一時の上昇の勢いはすっかり失われました。
日本の株価も今ひとつ波に乗れませんし、当面、市場金利も住宅ローン金利も低位安定しそうと考えておいて良さそうですね。住宅ローンをご利用の方や、これから利用しようとされている方はこの
「超・低金利」という空前の追い風をしっかりご活用いただければと思います。
[2014年7月の住宅ローン金利]
すでにご案内しているように、7月の住宅ローン金利は6月の金利から「概ね据え置き、一部でわずかに利下げ」といった動きになっています。つまりは先月や先々月の住宅ローン動向とほぼ同じ動き、ということですね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
ここで具体的な金利をチェックしていくと、フラット住宅ローンについては、メインのフラット35の金利は6月と比較して据え置き、そしてそれより期間の短いフラット20の金利も据え置きとなっています。今月の住宅ローン金利を象徴する動向ですね。
また、据え置きということは5月に更新した過去最低金利を維持した、ということとなります。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、6月と7月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(Mr.住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 1.180% → 1.180% (変わらず)
・20年固定 : 1.830% → 1.830% (変わらず)
・30年固定 : 1.970% → 1.930% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.275% → 1.275% (変わらず)
・10年固定 : 1.600% → 1.600% (変わらず)
・20年固定 : 3.550% → 3.550% (変わらず)
・30年固定 : 2.230% → 2.220% (−0.01%)
>>>最新の金利はこちら
ほとんど先月比、据え置きなわけですが、あえて言えば三菱UFJ銀行が30年固定金利をほんの少し引き下げています。
さてこの2つで見比べれば、やはり前者の住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は新しい商品である「Mr.住宅ローン」の提供を昨年11月から開始しました。住宅ローン金利が低いだけでなく、従来の全疾病保障無料にプラスして何と、傷害補償や地震補償も無料で付加されます!
そうした「大盤振る舞い」のサービス内容でありながら、固定金利だけでなく変動金利も0.650%と極めて低水準に設定しているのですね。
こうした変動金利タイプのベースとなっているのは、「1日もの金利」などの超・短期の市場金利ですが、すでにゼロ金利となっている短期金利がさらに低下しているわけはありませんので、完全に「戦略的な金利引き下げ」ではないかと思います。
つまり自社の利益を削って金利を引き下げた、ということですね。
そうした甲斐があってか先日のニュースでは住宅ローン取扱額が1兆8千億円を超えたとのことです。審査などで手間隙かかる住宅ローンで取扱額が2兆円近いというのはネット銀行としては驚異的です。引き続きがんばってほしいものですね。
さて当サイトで一番人気の新生銀行の6月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.980% → 0.980% (変わらず)
・10年固定 : 1.650% → 1.650% (変わらず)
・20年固定 : 2.100% → 2.000% (−0.10%)
・30年固定 : 2.600% → 2.550% (−0.05%)
>>>最新の金利はこちら
こちらは20年固定金利と30年固定金利を引き下げてきたわけですが、加えて、条件を満たせば金利が0.2%引きとなるキャンペーンを実施中です。それを加味すれば実質金利はこのようになります。
・変動金利 : 0.980% → 0.780% (−0.20%)
・7年固定 : 1.350% → 1.150% (−0.20%)
・20年固定 : 2.000% → 1.800% (−0.20%)
新生銀行の住宅ローンは、ただでさえ保証料が無料など、実質コストが低いわけですが、このキャンペーンによってさらに実質金利が低下する、ということですね。この機会にこちらも比較・検討されてはいかがでしょうか。
>>>新生銀行の金利優遇キャンペーン詳細はこちらから
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。
[2014年7月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り、長期金利はさらなる低下の兆しを見せていることに加え、世界的にも金利は低下傾向にあり、当面は住宅ローン金利も超・低金利を維持するのは間違いなさそうです。
ただし。
中長期的に見れば、アメリカの金融緩和縮小に伴う円安による日本株上昇とアメリカ金利の上昇が起こる可能性が高いですね。つまり一定の金利上昇パワーが予想されている、ということです。
一方で。
足元では後退したとは言え、消費税増税後の景気低下を避けるため、日銀がさらなる追加金融緩和を実施する可能性は引き続きあり、金利低下パワーは現実的にも潜在的にも強力です。
つまり、そうした金利上昇パワーと金利低下パワーが強力だった2013年と同様に、今のところ低位安定している2014年の金利も、またどこかのタイミングで上がったり下がったりを繰り返す可能性がある、ということです。
では気になるその金利上限はどういったレベルか、ということですが、長期金利で言うと、1つの目安が昨年5月末の最高値である0.90%前後という水準です。
今の長期金利の金利水準からすれば+0.3%前後ということで、びっくりするほどの金利上昇かといわれればそうではありません。実際、長期金利がピークをつけた昨年の5月や6月の住宅ローン金利がとても高かったかと言われると決してそんなことはありませんでしたしね。
やはり、「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低水準を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのは間違いないと思います。多少の金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討いただければと思います。
もちろん、足元では上記の通り、市場金利も住宅ローン金利も低下傾向にあるわけですから、なおさら慌てる必要がないわけですが。
ちなみに。
さらなる将来的な金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
とは言え足元の物価は円安や増税といった「外圧」でかなりゲタを履いており、「実力」を考えれば本格的な金利上昇にはまだまだ力不足です。加えて、少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、長期的なインフレ=金利上昇の可能性については頭に入れておきたいところです。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が全般的に、引き続き歴史的な低水準を維持した今月=7月というのは、これまでと同様にやはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2014年7月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:1.18%〜3.85%
・20年固定:1.80%〜3.55%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も引き続き「史上最低水準」であるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。