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<編集部からのコメント>
先日のこちらのコラムでは、住宅ローン金利タイプの市場シェアについて、国土交通省のデータによればこうなっているとご案内しました。
>>>迷ったらコレ!最強(?)の住宅ローン金利タイプとは
・変動金利 : 69.5%
・当初固定金利 : 25.5%
・全期間固定金利 : 7.0%
つまり・・・7割近い方が変動金利タイプを選んでいるということですね!逆に全期間固定金利タイプのシェアがわずか7%というのも衝撃です。
ちなみにこちらも最近ご紹介しましたが、業態別の住宅ローン新規貸出額のシェアはこのようになっています。
全期間固定金利と言えばフラット35=住宅金融支援機構なわけですが、 2013年4月から2014年3月までの1年間の住宅ローンの新規貸出額が5兆8,441億円なのに対して、住宅金融支援機構の貸出額は4,861億円であり、そのシェアは8.3%ということですね。
もちろん民間銀行の住宅ローンの中でも全期間固定金利の貸出額はそれなりにあるとは思いますが、それを考慮しても、「残高シェア」が7.0%に留まるという状況がそれなりに納得できる水準となっています。
ファイナンシャルプランナーなどの「専門家」や、住宅ローン初心者が好む全期間固定金利ですが、実態としては極めてマイノリティな金利タイプであることが分かりますね。
ちなみにこの金利タイプの推移を表したのがこちらのグラフです。
ここしばらく、ずっと変動金利タイプ優位の状態が続いていると思っていましたが、実際には2009年ごろからググっとシェアを伸ばしたわけですね。特にシェアが50%を上回ったのは2011年からということで意外に最近であることが分かります。
その要因としてはもちろん長引く低金利というのもありますが、2005年ごろに残高シェアを大きく伸ばした「固定金利期間選択型(3年以下)」が2〜3年後の固定期間終了時に、変動金利タイプに切り替わっていったことも影響が大きそうですね。
結果的に変動金利タイプは、足元では多少残高シェアを落としつつあるものの、他の金利タイプを一切寄せ付けない圧倒的なシェアを占めていることがわかります。
さてそうした「金利タイプのシェア」以外にもこの国土交通省のデータには興味深い調査結果がいくつか含まれており、まず住宅ローンの返済期間は購入物件のタイプ別にこのようになっています。
中古物件の方が返済期間が短いのが印象的ですね。
これは中古物件を買う人の方が堅実、という前向きな捉え方もできますし、そもそも物件価格が新築に比べれば安いので住宅ローンが少なくてすむという現実的な解釈も可能ですが、相対的に年収がそれほど高くないグループがこうした物件を選んでいるのだとすれば、住宅ローン審査が思いのほか厳しく、なかなか期待していた期間=たとえば30年〜35年で借りられないという問題があるのかもしれませんね。
いずれにしてもみんながみんな30年や35年の住宅ローンを組んでいるかと言えば、必ずしもそうではないことをお含みおきください。
次に、年間返済額に関する調査結果はこのようになっています。
こちらも物件タイプによって微妙に異なりますが、実額が示されている点が興味深いですね。年間の住宅ローンの返済額が90万円〜120万円ということは毎月の返済額は8万円〜10万円ということになります。
ボーナス払いがなくてこの金額ということは・・・結構、堅実ですね。
実際、返済負担率も概ね20%前後となっています。つまり、ざっくり言えば年収500万円に対して住宅ローンの返済額が100万円くらいですから問題はなさそうですね。
もちろん税引き前の年収だと思いますので、手取りは400万円くらいになるのではないかと思いますが、それでも相応に余裕のある家計となっています。これくらいの負担であれば、仮にどこかで年収が半減するような事態となっても、配偶者が働きに出ることで十分カバーできそうですね。
逆に言えば、これより負担の重い返済計画を考えておられる方は、購入プランや資金計画を再考された方がいいかもしれません。住宅ローンを利用するということは、多額の借金を背負い込み、長期間返済し続ける必要があるわけですからね・・・慎重に慎重を重ねて困ることは何一つありません。
参考になさってください。