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<編集部からのコメント>
10月となりました。住宅市場については引き続き低迷が続いているようですね。仮に消費税10%へのアップが決まれば再び過熱してくるのではないかと思いますが、7月〜9月期のGDPは天候不順もあって良いはずがなく、決定が先延ばしとなる可能性も十分あります。
最近何度かご案内しているように、住宅購入を検討されている方の「買い時感」には上昇の兆しが出ていますが、これも背景としては消費税の再増税に意識が移りつつあるからではないかと思います。もし増税が遠のけば、買い時感も相応に低下しそうですね。
どちらに転ぶのか・・・予断を許しません。
ただ消費者からすれば駆け込み需要によるメリットはほとんどありませんから、むしろ住宅市場が落ち着いたまま推移した方がよい、という考え方も出来ます。
そもそも増税を喜ぶ消費者はいないわけですが・・・。
さて、10月の住宅ローン金利動向ですが、上記記事の通り、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行といった大手銀行が主力金利の1つである10年固定金利を少し引き上げてきました。ここ最近はずっと金利を引き下げてきたので「引き上げ」というのは新鮮な響きですが、概ね6ヶ月ぶりの上昇ということですね。
先日のこちらのコラムでは「住宅ローン半年ぶりに上昇へ」と予想しましたが、結果は予想通りとなりました。2週間前に書いたコラムですので大きく外す方が難しいわけですが・・・。
>>>[10月の住宅ローン金利予想]長期金利0.5%台 住宅ローン半年ぶりに上昇へ
ここでいつものように住宅ローン金利と関係の深い、最近の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
注目すべきは9月の金利の動きですね!0.4%台という史上最低水準でスタートした9月の長期金利ですが、中盤にかけてスルスルっと0.5%台後半まで上昇しました。
いよいよ金利のトレンドが変わったのか!?と懸念されましたが、9月後半から低下を始め現状では0.5%台前半となっています。つまり「行って来い」になったということですね。本日の長期金利は0.515%であり、先月のこの時期の0.490%からわずかに上昇しているものの、ほぼ同じレベルまで低下してきました。
こうした動きは世界的に見ても同様で、アメリカの金利も同じ様なカーブを描いています。目盛がなければ専門家でも日米どちらの金利グラフか見極めるのは難しそうですね。
そしてドイツの金利も9月中旬に多少上昇したものの、足元ではやはり低下してきています。
しかしヨーロッパの金利の急落ぶりは衝撃的ですね!1年前からほぼ半分となりました。それだけ景気が悪いということになります。
こうなってくると逆に不思議なのが、なぜ9月に金利が上昇したかと言うことですね。「ウクライナでの停戦」や「アメリカでの大規模緩和終了アナウンス」などがキッカケではないかと思いますが、そうだとすればなぜその後に低下したのか分かりません。
12月にも一時的に上昇したように、意外と「期末要因」というのが大きいのかもしれませんね。国際的に見て「期末」というものがあるのかどうなのかはよく知りませんが・・・。
いずれにしてもそのメカニズムは分からないものの、金利上昇のキッカケをうまく消化して、世界的に金利が落ち着いている状況というのはありがたいことですね。
住宅ローンをご利用の方や、これから利用しようとされている方はこの 「超・低金利」という空前の追い風をしっかりご活用いただければと思います。
[2014年10月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、10月の住宅ローン金利は9月の金利から10年固定金利を中心に「概ね上昇」という動きになっています。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
ただ繰り返しになりますが、9月1ヶ月の間でめまぐるしく金利が動いたことや、超長期金利は長期金利(10年)と少し異なる動きをしたためか、金利をあえて下げてきた住宅ローンもないではありません。
その代表例が、フラット35ですね。具体的な金利をチェックしていくと、メインのフラット35の金利は9月と比較して−0.01%低下しています。これにより3ヶ月連続で過去最低金利を更新した、ということです。
しかしそれより期間の短いフラット20の金利は据え置きとなっておりご注意ください。こうしたまちまちな動きは、ある意味、今月の住宅ローン金利を象徴する動向と言えるのかもしれませんが。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、9月と10月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(Mr.住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 1.170% → 1.120% (−0.05%)
・20年固定 : 1.740% → 1.740% (変わらず)
・30年固定 : 1.860% → 1.860% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.400% → 1.500% (+0.10%)
・20年固定 : 3.450% → 3.500% (+0.05%)
・30年固定 : 2.100% → 2.170% (+0.07%)
>>>最新の金利はこちら
三菱UFJ銀行は変動金利を除き、ほとんどの金利が上昇している一方で、住信SBIネット銀行はほとんどの金利を据え置いたほか、10年固定金利についてはむしろ金利を引き下げてきたのですね!なかなか意欲的な動きですが、ここでもやはりまちまちな結果となっています。
さてこの2つの実質的な金利水準で見比べれば、やはり前者の住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は新商品である「Mr.住宅ローン」に注力しています。住宅ローン金利が低いだけでなく、従来の全疾病保障無料にプラスして、何と傷害補償や地震補償も無料で付加されます!
そうした「大盤振る舞い」のサービス内容でありながら、固定金利だけでなく変動金利も0.650%と極めて低水準に設定しているのですね。
こうした変動金利タイプのベースとなっているのは、「1日もの金利」などの超・短期の市場金利ですが、すでにゼロ金利となっている短期金利がさらに低下しているわけはありませんので、完全に「戦略的な金利引き下げ」ではないかと思います。つまり自社の利益を削って金利を引き下げた、ということですね。
引き続きこうした低金利を維持していってほしいものです。
さて当サイトで一番人気の新生銀行の10月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.450% → 1.450% (変わらず)
・20年固定 : 1.950% → 1.950% (変わらず)
・30年固定 : 2.450% → 2.450% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
こちらは全期間「据え置き」ということですね。やはり対照的です。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。
[2014年11月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り9月中旬に一旦上昇した長期金利ですが、足元ではすでに低下を始めているほか世界的にも金利は低下傾向にあり、こうした状況が続くようであれば11月の住宅ローン金利は超・低金利を維持し、再度低下をうかがう展開となりそうです。
つまりは今月のような住宅ローン金利の上昇が続く可能性は相対的に低いということですね。
ただし。
もう少し長い目で見れば、アメリカの金融緩和縮小→終了→利上げと進むにつれ、円安が進行し、それに伴い日本株上昇とアメリカ金利の上昇が起こる可能性が高いですね。つまり一定の金利上昇パワーが予想されている、ということです。
一方で。
消費税増税後の景気低下を避けるため、日銀がさらなる追加金融緩和を実施する可能性は引き続きあり、金利低下パワーは現実的にも潜在的にも強力です。
つまり、そうした金利上昇パワーと金利低下パワーが強力だった2013年と同様に、今のところ低位安定している2014年の金利も、またどこかのタイミングで上がったり下がったりを繰り返す可能性がある、ということです。そう言い続けてもう10月ですので、これは「2015年の宿題」ということになりそうですが・・・。
ではそのような金利変動が起こるとして、気になるその金利上限はどういったレベルか、ということですが、長期金利で言うと、1つの目安が昨年5月末の最高値である0.90%前後という水準です。
今の長期金利の金利水準からすれば+0.4%前後ということで、びっくりするほどの金利上昇かといわれればそうではありません。実際、長期金利がピークをつけた昨年の5月や6月の住宅ローン金利がとても高かったかと言われると決してそんなことはありませんでしたしね。
やはり、「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低水準を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのは間違いないと思います。多少の金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討いただければと思います。
もちろん、足元では上記の通り、市場金利は低下に転じており、なおさら慌てる必要がないわけですが。
ちなみに。
もっと長期的な金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
とは言え足元の物価は円安や増税といった「外圧」でかなりゲタを履いており、「実力」を考えれば本格的な金利上昇にはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、長期的なインフレ=金利上昇の可能性については頭に入れておきたいところです。
市場関係者のインフレ期待はますます後退しているようですが・・・。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が引き続き魅力的な水準にあり、今後、再引き下げも期待できる今月=10月というのは、やはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2014年8月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:1.12%〜3.80%
・20年固定:1.75%〜3.50%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。