※当サイトには広告リンクが含まれています。
<編集部からのコメント>
12月となりました。この前、夏だったような気がするのですがもう年末ということですね!早いものです・・・。
何かと忙しい時期に入ってきたわけですが、ただ冬のボーナスが支給され、個人消費が年2回の活況を迎えるタイミングでもあります。上場企業を中心に冬のボーナスは調子がよさそうですしね。
GDPが2四半期連続でマイナスとなり、衆議院選挙での各党の主張を聞いていると日本経済が良い状態なのか悪い状態なのかわからなくなってきますが、実際には雇用状態が大きく改善され、消費も徐々に持ち直すなど間違いなく「良い状態」ですね。その点では今回のボーナス商戦も良好な結果が期待できそうです。
では一体、何が日本経済の足を引っ張っているかと言うと「住宅」関連ですね。要するに住宅は昨年9月から今年3月にかけて増税前の駆け込み需要に沸いたわけですが、その反動が長引いているだけでなく日本経済全体にも影を落としているということになります。もちろん地価や建設コストの上昇など他の要因も影響しているとは思いますが、一番大きいのはやはり増税要因ではないかと思います。
だとすれば・・・今議論になっている「軽減税率」について、最も候補に入れないといけないのは、食料品や本・新聞などではなく、住宅(建物)なのではないですかね!?
いずれにしても来年9月にかけて起こると予想されていた「駆け込み需要第2弾」も結果的に延期されることとなりましたのでご注意ください。
さて、12月の住宅ローン金利動向ですが、上記ニュースの通り三菱UFJ銀行、りそな銀行、三井住友銀行の3メガバンクが主力金利の1つである10年固定金利を据え置く一方で、みずほ銀行が同金利を引き上げてきました。
全体的には12月の住宅ローン金利は「据え置き」がほとんどですが、みずほ銀行の場合、「引き下げ」ではなく「引き上げ」ですからね!驚きました。と言うのも長期金利の低下傾向が徐々に鮮明になっているからです。
上記ニュースでも指摘されているように、実態としてはみずほ銀行が「下げすぎた金利を修正して横並びに戻した」
ということだと思いますが、仮にそうだとしても、ここまで加熱してきた住宅ローン競争が少し弱まる兆しなのだとすれば今後の動きに注目したいですね。
とは言いつつ全体的には住宅ローン金利は「史上最低水準」を維持しているほか、逆に過去最低金利を更新している住宅ローンもあり、悲観的に考える必要は全くありませんが。
なお先日のこちらのコラムでは「12月の住宅ローン金利はさらに下がる可能性が高そう」と予想しましたが、金利を引き上げたところもあるという点を踏まえれば、少し予想を外しましたね・・・失礼しました。
>>>[12月の住宅ローン金利予想]金利も景気も低迷 ローンに利下げ圧力
ここでいつものように実際の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
11月前半に多少上昇傾向を見せた長期金利ですが、その後順調に低下し、足元では0.42%前後まで低下していることがわかります。空前の低金利ですね!「0.3%台突入」も時間の問題のような気がします。
上記みずほ銀行のように今月住宅ローン金利を引き上げた銀行は、単に横並び意識だけでなく、こうした11月前半の金利上昇に影響された面があるのかもしれませんが、ではこのように11月に長期金利が少し上昇した後で大きく下がった理由は何かと言えば、やはり10月31日に発表された日銀の追加的な金融緩和策ですね!
金融緩和が実施されれば金融市場にマネーがあふれることから基本的には金利低下圧力となります。実際日本で、この20年の間に金利が徐々に低下してきたのは、金融緩和が徐々に強化されてきたからですね。
となると金利はすぐに下がりそうなものですが、そう一筋縄に行かないのが金融市場ですね。実際、昨年4月の「異次元緩和」発表時には直後こそ金利が急低下したものの、その後はむしろ大きく上昇するという予想外の事態となりました。
その後市場が落ち着いてからは順調に金利は低下していったのですが、今回も同じ様に「緩和策発表直後に金利は一旦上昇した後で本格的に低下する」という動きを辿っているのかもしれません。
そして「発表直後の金利上昇」がすでに11月の前半で終了したとするのであれば、ここからさらなる金利の低下が待っているということになります
。今朝は国債の格付け引き下げというニュースがありましたが、今のところ本日の長期金利は0.440%ということで引き続き史上最低水準を維持しています。今後の金利動向に注目ですね。
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
順調に上昇しているかと思いきや、意外に足元では急低下していますね。急速に進む原油安などによってインフレ懸念が後退しているからでしょうか・・・。
次にドイツの金利はこのようになっています。
こちらはモノサシを当てられるくらいまっすぐ金利低下していますね!1年前の半分以下となり、「3分の1」に迫っております。こんなに劇的な金利低下はなかなかないのではないでしょうか。
いずれにしても今の金利環境は、国内の金融政策からも、世界の金利動向からも、強い低下圧力を受けている、ということですね。とすれば引き続き住宅ローン金利の低下を通じて住宅ローン利用者に大きな追い風が吹くことが期待できそうです。
住宅ローンをご利用の方やこれから利用しようとされている方は、この空前の好機をしっかりご活用いただければと思います。
[2014年12月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、12月の住宅ローン金利は11月の金利から「上げ下げマチマチ」という動きになっています。注意が必要ですね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについては、メインのフラット35の金利が10月と比較して−0.05%低下しています。これにより5ヶ月連続で過去最低金利を更新した、ということですね。
それより期間の短いフラット20の金利も同様に−0.05%低下となっており、相対的な魅力が増していますね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、11月と12月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(Mr.住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 1.080% → 1.080% (変わらず)
・20年固定 : 1.690% → 1.690% (変わらず)
・30年固定 : 1.800% → 1.800% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.450% → 1.450% (変わらず)
・20年固定 : 3.450% → 3.450% (変わらず)
・30年固定 : 2.070% → 2.040% (−0.03%)
>>>最新の金利はこちら
さすがにこの2つの銀行の主要な金利においては「引き上げ」というのは見当たらず、ほとんどが「据え置き」ということですね。前向きに評価してもよさそうです。
さてこの2つの実質的な金利水準で見比べれば、やはり前者の住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は新商品である「Mr.住宅ローン」に注力しています。住宅ローン金利が低いだけでなく、従来の全疾病保障無料にプラスして、何と傷害補償や地震補償も無料で付加されます!
そうした「大盤振る舞い」のサービス内容でありながら、固定金利だけでなく変動金利も0.650%と極めて低水準に設定しているのですね。
こうした変動金利タイプのベースとなっているのは、「1日もの金利」などの超・短期の市場金利ですが、すでにゼロ金利となっている短期金利がさらに低下しているわけはありませんので、完全に「戦略的な金利引き下げ」ではないかと思います。つまり自社の利益を削って金利を引き下げた、ということですね。
引き続きこうした「低金利+高サービス」を維持していってほしいものです。
さて当サイトで一番人気の新生銀行の12月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.400% → 1.450% (+0.05%)
・20年固定 : 1.900% → 1.750% (−0.15%)
・30年固定 : 2.400% → 2.400% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
こちらは今月の住宅ローン金利を象徴するかのように、10年固定金利が引き上げとなる一方で、20年固定金利が引き下げとバラバラな動きですが、ただし今月から始まった「金利優遇キャンペーン」を加味するとこのようになります。
・変動金利 : 0.880% → 0.730% (−0.15%)
・10年固定 : 1.450% → 1.300% (−0.15%)
表面金利が上昇した10年固定金利も含め、実質的には大幅な金利引き下げになっているということです。期間限定ですのでご興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。
[2015年1月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り11月前半に一旦上昇した長期金利は足元では反転し、むしろ大きく低下しています。
こうした動きが続くのかどうかはわかりませんが、今後は追加金融緩和が徐々に実力を発揮してくるのだとすれば、金融緩和=金利低下ですから、長い目で見ればやはり金利が低下していくのは間違いなさそうです。金利が本格的に上昇する機運は全くありません。
2015年1月以降の住宅ローン金利はさらなる低下をうかがう展開となりそうです。
やはり「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低水準を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのでしょうね。多少の金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討いただければと思います。
ちなみに。
もっと長期的な金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
とは言え足元の物価は上昇の勢いが弱まっているだけでなく、円安や増税といった「外圧」でかなりゲタを履いており、「実力」を考えれば本格的な金利上昇にはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については頭に入れておきたいところです。
仮に日本経済がインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことではないかと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が史上最低水準を維持し、さらなる低下も期待できる今月=12月というのは、やはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2014年12月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:1.08%〜3.80%
・20年固定:1.69%〜3.50%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。