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<編集部からのコメント>
1月となりました。あっという間に2015年ですね!「あっと言う間に2016年」とならないよう、今年はいろいろと挑戦していきたいものです。その点では年初めのこの時期というのは何を始めるにも良いですし、「15年」という年も区切りとしては覚えやすいですね。5年後の「20年」には東京オリンピックもありますし。
手始めに長年放置されてきた部屋にころがる段ボール箱の中身を整理し始めた記者ですが(話が小さい!)、住宅ローン利用者の方も同じように「今年こそ放置していた住宅ローンを見直そう!」と奮起される方が多いのか、1月に入って当サイトのトラフィックも順調に増加しています。
もちろんいつもご案内しているように、1月から3月までというのは期末に引っ越しシーズンが重なり、例年、住宅市場が最も盛り上がる時期であり、そうした季節性が影響しているのも間違いないところではありますが。
加えて忘れてはいけないのはここ最近のさらなる金利低下傾向ですね。これは2013年4月に発表された日銀による「異次元緩和」に続き、昨年10月末に発表された「追加金融緩和」の影響が大きいですが、これにより市場金利は「誰も知らない未体験ゾーン」に入ってきました。
ここまで金利が下がると何が起こるのか多少の気味悪さを感じないでもないですが、住宅ローン利用者からすれば強烈な追い風であるのは間違いありません。このチャンスをしっかり生かしていただければと思います。
さて、1月の住宅ローン金利動向ですが、上記の通り市場金利が大きく低下する中で、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行のメガバンク各行は10年固定金利をそろって0.1%引き下げてきました。これによりいずれも過去最低金利を更新した、とのことです。すばらしいですね。
過去最低金利を更新したということは、新規借り入れだけでなく住宅ローンの借り換えにも朗報と言えます。借り替えをした場合に多くのケースで現状の金利水準より下がることを意味するからです。すでに住宅ローンを利用されている方は、今一度、現在の借入条件をご確認ください。
なお先日のこちらのコラムでは「1月の住宅ローン金利はさらに下がる可能性が高そう」、「史上最低値を更新しそう」と予想しましたが、結果は及第点と言えそうです。3週間前の予測なので大きく外す方が難しいわけですが・・・。
>>>[1月の住宅ローン金利予想]長期金利は驚きの0.3% ローンも利下げ
ここでいつものように実際の長期金利=10年もの金利の推移を具体的にチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
11月前半に多少上昇傾向を見せた長期金利ですが、その後は急激に低下し、足元では0.3%前後まで低下していることがわかります。空前の低金利ですね!先月のこの時期には「0.3%台突入も時間の問題」とご案内しましたが、今や「0.2%台」が現実のものとなってきました。
このように金利が急激に低下している直接的な要因は何かと言えば、繰り返しになりますが昨年10月31日に発表された日銀の追加的な金融緩和策です。金融緩和が実施されれば金融市場にマネーがあふれることから基本的には金利低下圧力となるわけですね。実際日本で、この20年の間に金利が徐々に低下してきたのは、金融緩和が徐々に強化されてきたからです。
そして、この追加金融緩和の発表から約1ヶ月が経過し、これから徐々にその本領が発揮されるとすれば、さらなる金利の低下が待っているということになります
。実際、本日の長期金利は0.295%ということで一足早く0.2%台が実現されていますね!ほんの少し0.3%を下回っただけですので今のところ一時的なものである可能性もありますが、ただ金利の低下傾向はハッキリしていますので、早晩、安定的に0.2%台を実現するのではないかと思います。
とすると次なる目途は「0.1%台」ということになりますが・・・はたしてどこまで金利は下がるのでしょうか?
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
2015年半ばが確実視されている利上げに向けて順調に上昇しているかと思いきや、こちらも意外に低下傾向が鮮明ですね。急速に進む原油安などによってインフレ懸念が後退しているからでしょうか・・・。
次にドイツの金利はこのようになっています。
こちらはモノサシを当てられるくらいまっすぐ金利低下していますね!1年前の「3分の1」以下となり、「4分の1」に迫っております。こんなに劇的な金利低下はなかなかないのではないでしょうか。日本と同様、歴史的な金利低下であるのは間違いなさそうです。
いずれにしても今の金利環境は、国内の金融政策からも、世界の金利動向からも、強い低下圧力を受けている、ということですね。とすれば引き続き住宅ローン金利の低下が続くことを期待してもよさそうです。
繰り返しになりますが、住宅ローンをご利用の方やこれから利用しようとされている方は、この空前の好機をしっかりご活用いただければと思います。
[2015年1月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、1月の住宅ローン金利は12月の金利から「全面的に引き下げ」と言える状態ですね。ありがたいことです。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについては、メインのフラット35の金利が12月と比較して−0.09%低下しています。これにより6ヶ月連続で過去最低金利を更新した、ということですね。
それより期間の短いフラット20の金利も同様に−0.09%低下となっており、相対的な魅力が増していますね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、12月と1月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(Mr.住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 1.080% → 1.000% (−0.080%)
・20年固定 : 1.690% → 1.580% (−0.110%)
・30年固定 : 1.800% → 1.690% (−0.110%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.450% → 1.350% (−0.100%)
・20年固定 : 3.450% → 3.350% (−0.100%)
・30年固定 : 2.040% → 1.930% (−0.110%)
>>>最新の金利はこちら
やはり固定金利を中心に−0.1%程度引き下げとなっていることが分かります。ここまで金利が低下してくると0.1%の差でも結構大きいですね。「大きく引き下げ」と捉えて良さそうです。
さてこの2つの実質的な金利水準で見比べれば、やはり前者の住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は新商品である「Mr.住宅ローン」に注力しています。住宅ローン金利が低いだけでなく、従来の全疾病保障無料にプラスして、何と傷害補償や地震補償も無料で付加されます!
そうした「大盤振る舞い」のサービス内容でありながら、固定金利だけでなく変動金利も0.650%と極めて低水準に設定しているのですね。
こうした変動金利タイプのベースとなっているのは、「1日もの金利」などの超・短期の市場金利ですが、すでにゼロ金利となっている短期金利がさらに低下しているわけはありませんので、完全に「戦略的な金利引き下げ」ではないかと思います。つまり自社の利益を削って金利を引き下げた、ということですね。
引き続きこうした「低金利+高サービス」を維持していってほしいものです。
さて当サイトで一番人気の新生銀行の1月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.450% → 1.400% (−0.050%)
・20年固定 : 1.750% → 1.650% (−0.100%)
・30年固定 : 2.400% → 2.300% (−0.100%)
>>>最新の金利はこちら
こちらも今月の住宅ローン金利を象徴するかのように、全面的に引き下げとなっていますね。加えて新しく始まった「金利優遇キャンペーン」を加味するとこのようになります。
・変動金利 : 0.880% → 0.730% (−0.150%)
・10年固定 : 1.400% → 1.250% (−0.150%)
実質的には大幅な金利引き下げになっているということですね。期間限定ですのでご興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。
[2015年2月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り追加金融緩和の影響を受けて市場金利は急激に低下しています。金利が本格的に上昇する機運は全くありません。
2015年2月以降の住宅ローン金利も引き続きさらなる低下をうかがう展開となりそうです。
やはり「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのでしょうね。多少の金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討いただければと思います。
ちなみに。
上記新聞記事で印象的だったのは以下一文ですね。
「日銀の試算によると、国内銀行の住宅ローン金利の採算ラインは10年固定型で約1.12%という。1月からのメガバンクの金利は採算割れの水準に近づく。」
つまりは現状の住宅ローン金利はほぼ「採算割れ」の水準となっていることが示唆されているわけです。となるとここからの金利引き下げはベースとなる「市場金利の低下頼み」となってくるわけですが、その市場金利も長期金利でいえば0.2%台という現状は・・・ほとんど低下余地がなくなってきているわけですね。
住宅ローン金利の「大底」が徐々に近づきつつあるという点は頭の片隅に入れておいた方がよいかもしれません。
一方で。
翻って今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
とは言え足元の物価は上昇の勢いが弱まっているだけでなく、円安や増税といった「外圧」でかなりゲタを履いており、「実力」を考えれば本格的な金利上昇にはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性についてはこちらも頭に入れておきたいところです。
仮に日本経済がインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことではないかと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が史上最低水準を維持し、さらなる低下も期待できる今月=1月というのは、やはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2015年1月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:1.00%〜3.75%
・20年固定:1.58%〜3.35%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。