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<編集部からのコメント>
4月となりました。3月までは新学期や新年度を控え、さらには期末ということもあり、不動産市場も相応に盛り上がったのではないかと思いますが、今月はそうした季節的な動きが一服するのが通例です。実際、当サイトのトラフィックも先月までの規模からすればやや落ち着きつつあるようです。
ただこうした状況は、借り手からすれば迅速な手続きだったり、丁寧な対応が期待できますので、特に借入の期限が決まっていない「借り換え」を検討されている方にとっては好都合と言えるかもしれません。
例年、この時期一旦落ち着く住宅市場も、ゴールデンウィーク明けには再度盛り上がってくるという話を聞いたことがありますので、じっくり検討・相談したい方は住宅ローンを考え始めてみてはいかがでしょうか。
では気になる今月=4月の住宅ローン金利動向がどうなっているかと言うと上記記事の通り・・・三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行は10年固定金利を0.05%引き上げてきました。つまりは2月まで続いてきた住宅ローン金利低下の流れが一旦収束し、メガバンク3行の金利については3月そして今月と2ヶ月連続で上昇した、ということになります。残念ですね・・・。
しかし上昇したと言っても上昇幅はわずかである上に、今月の住宅ローン金利を先月から据え置いた銀行は数多くあります(メガバンクの中でもりそな銀行と三井住友信託銀行は据え置きとなっています)。
また、 現在主流の変動金利タイプについては今月もそうですが、ここ数年ずーっと金利は変わっておりませんので、実際の影響は限定的だとは思います。表面的な動きや報道に振り回されることなく、具体的な住宅ローン金利・住宅ローン返済額を把握していただければ慌てなくてすみそうですね。
なお先日のこちらのコラムでは「4月の住宅ローン金利は、固定金利タイプについては−0.1%〜+0.1%程度の範囲で小動き」と予想しましたが、結果は及第点と言えそうです。2週間前の予測なので大きく外す方が難しいわけですが・・・。
>>>[4月の住宅ローン金利予想]長期金利はわずかに低下 住宅ローン金利も小動きか
このように今月の住宅ローン金利について各銀行の対応が分かれた背景としては、市場金利が上がったり下がったりを繰り返し方向感を見出すのが難しかったからですが、ここでいつものように実際の長期金利=10年もの金利の推移を具体的にチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
昨年10月31日に発表された日銀の追加的な金融緩和策を受けて急激に低下した長期金利ですが、この1月に0.2%前後の史上最低金利に到達した後に、なぜか大きく反発し、翌2月には0.45%近くまで上昇したのですね!
急な金利上昇に驚かれた方も少なくないかもしれませんが、より不可解だったのはそこまで金利が上昇する理由が見当たらなかった点ですね。もちろん日米欧の金融緩和姿勢に対する見方が日々変化し市場金利もその影響を受けた、というのはあると思いますが、それだけでこうしたギッタンバッタンとした動きを説明することはできませんね。
要するに、金利上昇理由があまりない中で急上昇したということは、一時的なものであったり、投機的な動きであったり、あるいは「期末」という季節的な要因が影響していた可能性が高く、そうした動きが落ち着けば再低下するのではないかと感じておりましたが、実際グラフを見る限りすでに金利低下傾向が現れ始めているようにも感じます。少なくとも0.45%を超えるような金利上昇というのはその後起こっていません。
このまま金利が再低下していくことを期待したいと思います。
ちなみに本日の長期金利は0.375%ですが、これまでの史上最低金利は0.3%台だったわけで、そこから考えれば多少上昇したとしてもすでに十分低い水準である点は付け加えさせていただければと思います。
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
こちらも1月に大きく下がったあと、2月に再上昇する一方で、足元では低下傾向のように見えます。つまり・・・日本の長期金利とほぼ同じ動きをしているということですね!そう考えると日本の金利上昇も、国内要因ではなく、国際要因から捉えた方がよさそうです。
ちなみにアメリカの金利は、今年半ばの利上げが確実視されてきたわけですが、もしかするとそうした予想が多少後ずれしているのかもしれませんね。先日のアメリカの雇用統計もたまたまかもしれませんがかなり弱い内容でした。
次にドイツの金利はこのようになっています。
こちらはモノサシを当てられるくらいまっすぐ金利低下していますね!1年前の「8分の1」以下という水準です。こんなに劇的な金利低下はなかなかないのではないでしょうか。日本と同様、歴史的な金利低下局面であるのは間違いありません。
いずれにしても今の金利環境は、2月に一旦上昇したものの足元では再び低下傾向が現れ始めている、ということですね。少なくとも上昇する兆しはありません。だとすれば住宅ローンの超・低金利が当面続くことを期待してもよさそうです。
住宅ローンをご利用の方やこれから利用しようとされている方は、この空前の好機をしっかりご活用いただければと思います。
[2015年4月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、4月の住宅ローン金利は3月の金利から「固定金利については据え置きもしくは0.05%程度の引き上げ」と言う状態ですね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについては、メインのフラット35の金利が2月と比較して+0.07%上昇しています。これによりこちらも2ヶ月連続の上昇ということですね。
より期間の短いフラット20の金利も同様に+0.11%上昇となっています。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、3月と4月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 1.000% → 0.850% (−0.150%)
・20年固定 : 1.670% → 1.570% (−0.100%)
・30年固定 : 1.780% → 1.680% (−0.100%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.400% → 1.450% (+0.050%)
・20年固定 : 3.350% → 3.400% (+0.050%)
・30年固定 : 1.940% → 1.960% (+0.020%)
>>>最新の金利はこちら
おっと明暗が分かれていますね!上記の通り三菱UFJ銀行は全般的に+0.05%程度、金利を引き上げてきたのに対して、住信SBIネット銀行は逆に−0.10%程度金利を引き下げてきたことが分かります。これは驚きの「攻めの金利」と言ってもよさそうです。
そうしたわけで、この2つの実質的な金利水準で見比べればやはり住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は今月から「ネット専用住宅ローン」に注力しています。これは契約相手が住信SBIネット銀行ではなく、親会社である三井住友信託銀行となるもので、もちろん三井住友信託銀行は日本有数のメガバンクの一角ですから、より安心感を感じる方は少なくなさそうです。
引き続きこうした「低金利+安心・安全」な住宅ローンを維持していってほしいものです。
さて当サイトで人気の新生銀行の4月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.380% → 1.380% (変わらず)
・20年固定 : 1.580% → 1.580% (変わらず)
・30年固定 : 2.300% → 2.250% (−0.050%)
>>>最新の金利はこちら
こちらはこちらで、上記の住信SBIネット銀行や三菱UFJ銀行とは対照的に概ね据え置きということですね。今月の住宅ローン金利を象徴するかのように、各銀行で対応が分かれる結果となっています。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこちらのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
[2015年5月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り2月に大きく上昇した長期金利も足元では低下傾向が徐々に鮮明になってきており、こうした傾向が続くようであれば、住宅ローン金利は再び低下しそうですね。
来月=2015年5月以降の住宅ローン金利は再度、現状の過去最低金利を更新する展開となりそうです。期待したいですね。
やはり「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのでしょうね。細かな金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討を進めていただければと思います。
なお、あえて今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
もちろん足元の物価は上昇の勢いが弱まっているだけでなく、原油安などの影響もあり、金融緩和縮小⇒本格的な金利上昇へ移行させるにはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については、多少頭に入れておきたいところです。
仮にそのように日本経済がインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことではないかと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が史上最低水準を維持し、今後さらなる金利低下の可能性が期待できる今月=4月というのは、やはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングと言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2015年4月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:0.85%〜3.85%
・20年固定:1.58%〜3.40%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。