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[6月の住宅ローン金利予想]
長期金利は再上昇 住宅ローンも0.1%程度引上げへ

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2015年5月19日

長期金利は0.375%に上昇 再び変動が激しい状態に


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)



<編集部からのコメント>

早くもゴールデンウィークが終わり、5月も半ばとなってきました。6月に入るといよいよボーナスシーズンですね。今年の春闘では賃上げの動きが広がったわけですが、最近の経済報告でもそうした賃上げ動向が確認されており、特に地方において目立ってきたようです。

政府は地方の活性化を目指しているわけですが、早くもその効果が現れてきたのだとすると「出来すぎ」の感はなくはないですが、ぜひ腰折れすることなく景気回復の実感が日本の隅々まで波及することを期待しております。

そうした点ではこの夏のボーナスは重要なわけですが、上記の通り賃金と同様、ボーナスについても増額の傾向が強まるのではないかと思います。二極化の傾向はあるのかもしれませんが、先日の報道によれば上場企業の連結決算は過去最高の見通しのようですから、これも追い風となってきます。

そのように賃金に続きボーナスも増えることになれば、今一つさえない住宅市場もいよいよ本格的に底入れされてくるのかもしれません。そろそろ2017年の10%への再増税が意識され始めてもおかしくありませんしね。

どうなるかはわかりませんが、上向きに回転し始めた景気の影響には注目です。

さて、ここ最近の住宅ローンを巡る動きで印象的なのはやはり金利上昇傾向ではないかと思います。昨年の秋以降、ずっと金利の低下が続いていた住宅ローン金利ですが、3月・4月と2ヶ月連続で上昇してしまったのですね!

このように金利が上昇してしまった理由としてはお察しの通り、住宅ローン金利のベースとなる市場金利が上昇したからですが、ではその後の長期金利がどのように推移したかと言うと上記グラフをご覧になっても分かるとおり・・・3月に入って一旦落ち着いたように見えたのもつかの間、4月末ごろから再び上昇し変動幅が大きくなっています!

足元では徐々に落ち着き始めているように見えるものの、これから住宅ローンの借り入れ・借り換えを検討されている方にとっては気になる動きと言えます。具体的には5月19日現在の長期金利は0.375%ということで、1ヶ月前は0.325%でしたから、やはりわずかではありますが上昇していますね。

気になるのが、ではなぜ落ち着いたように見えた長期金利が再び動き出したのかという点ですが・・・正直よく分かりません。

と言うのも世界的には日本を先頭に金融緩和が強力に進められている一方で、独り先を行くアメリカでも最近の弱めの経済指標をベースに夏ごろと予想されていた利上げのタイミングが後ずれすると見られているからですね。

つまり金利上昇要因がほとんど見当たらない中での今回の金利の動きということになりますが、間違いないのはこれはグローバルな金利の動きに影響されている、ということです。いつもご案内しているアメリカの長期金利はこのように推移しています。



日本の長期金利とほぼ同じカーブを描いているのですね!

さらに印象的なのがヨーロッパ経済の中心であるドイツの長期金利で、このようになっています。



これまで「歴史的」と言っていいくらい見事な右肩下がりで下がってきたドイツ金利ですが、なぜかこちらも4月下旬を境にクっと上昇しているのですね。

これについては著名な投資家が「売りの絶好のチャンス」と発言したことから投機的な動きに拍車がかかった可能性がありますが、もしかすると今回の世界的な金利上昇の震源地はこのドイツ国債市場なのかもしれませんね。

ただどの金利を見ても足元では上昇は一段落しているように見えることに加え、印象はともかくとして実際の金利上昇幅はわずかです。

上記の通り金利が本格的に上昇する機運は世界を見渡しても全くありませんし、加えて日本で金利がどんどん上昇するとは考えにくい背景として、2%のインフレ目標達成に向けて死にもの狂いの日銀が、虎視眈々と次の追加金融緩和策を発表するタイミングを狙っている点も指摘しておきたいと思います。

いずれにしても日本の金利は、日銀の金融緩和が睨みをきかせている間は大きく上昇することはありえません。つまり短期的にも中長期的にも住宅ローン金利に追い風が吹き続ける可能性が高く、住宅ローンをこれから借りようとされている方や、今後借り換えをしようとされている方は、多少の金利変動に戸惑うことなく、着実に検討を進めていただければと思います。

気になるのは今の「異次元の低金利」がいつまで、どれくらい続くのか、という点ですが、少なくとも金融緩和は次の消費税増税のタイミングである2017年4月までは続く可能性が高く、だとすれば金利もそれまでは本格的に上昇することはなさそうです。参考にしてみてください。

ちなみにより長期的に、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



今の長期金利は中長期的に見ても、「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。これまで最も低い時期でも0.5%前後であり、0.3%台という金利水準は「異次元の低金利」ということですね。ぜひこの追い風を生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

ちなみに。

あえて長期的な観点から注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利の金利水準からすれば4倍近いですし、仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りさらなる金融緩和が予想され、消費税が2017年4月まで延期になった現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、「これから更に下がるとしても限定的」という点でいつかは上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。

焦る必要は全くありませんが、そうした点からも今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの低金利を上手に活用してもらいたいと思います。

さて前置きが長くなりましたが、2015年6月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックすると今月と比較してこのような推移となっています。

◆ソニー銀行住宅ローン金利

・変動金利 : 0.889% → 0.889% (変わらず)
・10年固定 : 1.241% → 1.329% (+0.088%上昇
・20年固定 : 1.839% → 1.946% (+0.107%上昇
・30年固定 : 1.984% → 2.107% (+0.123%上昇

長期金利は1ヶ月で約0.05%上昇したわけですが、こちらは0.09%〜0.12%とそれを上回る上昇ということですね!先週まで長期金利はもう少し高い水準でしたのでそれを反映させたのではないかと思います。

逆に言えばどのタイミングで6月の金利を決定するかで最終的な金利水準も大きく変わってくるのかもしれません。

次にこれまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆5月19日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : 0.02% → 0.00% (−0.02%低下
・10年 : 0.35% → 0.42% (+0.07%上昇
・20年 : 1.13% → 1.19% (+0.06%上昇
・30年 : 1.38% → 1.45% (+0.07%上昇

1年ものの低下は誤差の範囲として、やはり全般的に金利は上昇していますね!後2週間、金利がこのままの状態で推移すれば、6月の住宅ローン金利は、固定金利タイプにつき+0.1%程度上昇ということになりそうです。

せっかく今月低下した住宅ローン金利が上がってしまうのであれば残念ですが、仮に上昇したとしても予想される金利上昇幅は極めてわずかであり、住宅ローン金利が史上最低水準を維持することに変わりはありません。

そういう意味では繰り返しになりますが、細かな変動にとらわれずに着実に住宅ローンの借り入れ・借り換えの検討を進めていただければと思います。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持しているのですね。

5月19日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「0.068%」と文字通りケタ違いの低金利=ゼロ金利となっています。1ヶ月前の金利は「0.060%」でしたから、ほぼ同水準を維持しているということですね。

日銀のこうしたゼロ金利政=短期金利の引き下げ政策は、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますし、繰り返しになりますが、少なくとも増税延期目途である2017年4月まで継続されるのはほぼ間違いないと思います。

そしてそのように短期金利はまだまだ低金利が続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、十分なインフレなど永遠に起こらないかもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の6年以上全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。こちらも参考になさってください。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

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