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<編集部からのコメント>
6月になりました。つまりは2015年も折り返しを迎えつつあるということですね!早いものです・・・。5月は比較的暑かったようですが、今年の夏はどうなるのでしょうね?ただ早めに暑くなった夏はその後は意外と涼しいことも多い気がします。景気のためには「夏は暑く冬は寒い」方がよいということですが、個人的にはやはり「夏は涼しく冬は暖かい」方がよいですね。
これまでの夏はより南へ、プールへビーチへと、暑さに正面から挑んでおりましたがそろそろ「避暑」もたしなもうかな、と思い始める今日この頃です・・・。
さて6月と言えば下旬ごろからいよいよ夏のボーナス支給が始まってきますね。春に賃上げの動きが広がったように、今回のボーナスも昨年と比べれば増加することが予想されています。こちらについては素直に景気に貢献してくれることを期待したいと思います。
このタイミングでマイホームについて考え始める方も少なくないと思いますが、マイホームへの関心と密接に関連してくるのがそうした臨時収入に加え住宅ローン金利の動向です。当然のことながら金利が低下すれば追い風となる一方で金利が上昇すれば逆風となります。
では気になる今月=6月の住宅ローン金利動向がどうなっているかと言うと上記記事の通り・・・メガバンク各行は10年固定金利を0.05%引き上げてきたということですね!上昇幅は極めてわずかですが上昇は上昇です。残念です。
ここまでの住宅ローン金利の動向を振り返ると、ずっと金利低下を続けてきた住宅ローンが3月・4月に久しぶりに上昇した後、5月に低下したと思ったら今月は再度上昇したということでジグザグ・デコボコした動きになっています。とすると来月=7月は「低下する番」と言う気もしますが果たしてどうなるでしょうか。
なお先日のこちらのコラムでは「6月の住宅ローン金利は、固定金利タイプにつき+0.1%程度上昇」と予想しましたが、結果は及第点と言えそうです。2週間前の予測なので大きく外す方が難しいわけですが・・・。
>>>[6月の住宅ローン金利予想]長期金利は上昇 ローンも0.1%程度上げ
このように今月の住宅ローン金利が少し上昇した背景としては、もちろん市場金利が上昇したからですが、ここでいつものように実際の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
グラフ全体を見れば昨年10月31日に発表された日銀の追加的な金融緩和策の影響もあり金利はなだらかな低下傾向を維持しています。
一方でやはり気になるのが、1月に長期金利は0.195%の史上最低金利に到達した後に、なぜか大きく反発し0.45%を超える水準まで上昇したという点ですね。2月以降はおおむね0.4%前後で推移していることが分かります。
こうした急な金利の動きに驚かれた方も少なくないかもしれませんが、より不可解なのはそこまで金利が上昇する理由が見当たらないという点です。もちろん日米欧の金融緩和姿勢や景気の先行き・リスクに対する思惑は日々変化しますので市場金利もその影響を受けるということはあるのですが、ただそれだけでこうしたギッタンバッタンとした動きを説明することは難しいです。
先月もご案内しましたが、要するに、金利上昇理由があまりない中で金利が変動しているということは、一時的なものであったり、投機的な動きであったり、あるいは何らかの季節的な要因が影響している可能性が高く、そうした動きが落ち着けば再低下するのではないかと感じているわけですが、いかがでしょうか?
グラフを見る限り「高止まりしている」とも「落ち着き始めている」とも取れそうですが、今後の住宅ローンの需要期に向けて金利が低下してくることを期待したいと思います。
ちなみに本日の長期金利は0.430%ですが、先月のこの時期は0.360%でしたので、こちらも「上昇している」とも「引き続き0.4%前後で推移している」とも取れそうです。トレンドを見極めるにはもう少し時間がかかりそうですね。
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
こちらも1月に大きく下がったあと2月に再上昇しており、つまり・・・日本の長期金利とほぼ同じ動きをしているということですね!そう考えると日本の金利上昇も、国内要因ではなく、国際要因から捉えた方がいいですね。上記の通り国内では特に金利上昇要因がないわけですから当然かもしれませんが。
ちなみにアメリカの直近の金利の動きを見てみると、少し低下傾向が出始めています。いずれにしても金利がどんどん上昇するようなトレンドにはなっていませんので、今のところ日本の住宅ローン利用者としても過度に心配する必要はなさそうです。
次にドイツの金利はこのようになっています。
これまでモノサシを当てられるくらいまっすぐ金利低下し、歴史的な金利下落を見せつけたドイツ金利ですが、こちらも4月ごろにポッコリ上昇し、世界の市場金利に影響を与えた可能性が高そうです。
だとすると日本の長期金利の「2月の金利上昇」と「4月の金利上昇」はそれぞれアメリカ金利の影響とドイツ金利の影響を受けたということなのかもしれませんね。
あくまで一時的な海外要因で上昇したということなのであれば、やはり落ち着いて来れば金利が低下することになります。今後の金利動向を占う上で、当面はこのアメリカ金利とドイツ金利の動向に注目しておいた方がよさそうです。
そうしたわけで、日本の住宅ローン金利が落ち着き、再低下を始めるためにはもう少し時間がかかるのかもしれませんが、ただ多少変動したとしても今の住宅ローン金利が史上最低水準にあることに変わりありません。
住宅ローンをご利用の方やこれから利用しようとされている方は、わずかな金利の動きに戸惑うことなく、この住宅ローンを借りる歴史的な好機をしっかりご活用いただければと思います。
[2015年6月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、6月の住宅ローン金利は5月の金利から「固定金利タイプについては+0.05%程度上昇」と言う状態ですね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについては、メイン商品のフラット35の金利が5月と比較して+0.08%上昇しています。これにより2ヶ月ぶりの上昇ということですね。
より期間の短いフラット20の金利も同様に+0.08%上昇となっています。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、5月と6月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 0.850% → 0.900% (+0.050%)
・20年固定 : 1.570% → 1.540% (+0.110%)
・30年固定 : 1.680% → 1.650% (+0.120%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.400% → 1.450% (+0.050%)
・20年固定 : 3.350% → 3.450% (+0.100%)
・30年固定 : 1.880% → 1.990% (+0.110%)
>>>最新の金利はこちら
やはり全体的に金利は上昇していますね。主要(固定)金利につき+0.05%〜+0.128%の金利引き下げとなっています。
ちなみにこの2つの実質的な金利水準で見比べればやはり住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は「ネット専用住宅ローン」に注力しています。これは契約相手が住信SBIネット銀行ではなく、親会社である三井住友信託銀行となるもので、もちろん三井住友信託銀行は日本有数のメガバンクの一角ですから、より安心感を感じる方は少なくなさそうです。
引き続きこうした「低金利+安心・安全」な住宅ローンを維持していってほしいものです。
さて当サイトで人気の新生銀行の6月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.380% → 1.300% (変わらず)
・20年固定 : 1.500% → 1.550% (+0.050%)
・30年固定 : 2.200% → 2.200% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
こちらはどちらかと言うとほとんどの金利が据え置きですね。相対的な魅力が増していると言えるのかもしれません。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
[2015年7月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、短期的には上記の通りアメリカやヨーロッパの金利変動の影響が気になるところです。直近では上昇は止まり反落しつつあるように見えますが、さすがにまだ7月までは1ヶ月あり予断を許しません。
来月=2015年7月以降の住宅ローン金利は低下する可能性も上昇する可能性も両方ともありそうです。ご留意ください。
ただし繰り返しになりますが、「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのは間違いありません。
細かな金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討を進めていただければと思います。
なお、あえて今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
もちろん足元の物価は上昇の勢いが弱まっているだけでなく、原油安などの影響もあり、金融緩和を縮小・終了させるにはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については、多少頭に入れておきたいところです。
仮にそのように日本経済がインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことだと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では前月と比べると多少上昇したとはいえ、住宅ローン金利が史上最低水準を維持している今月=6月というのは住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2015年6月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:0.90%〜3.85%
・20年固定:1.55%〜3.45%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。