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[7月の住宅ローン金利予想]
長期金利は世界的に上昇
住宅ローン金利も0.05%程度引上げへ

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2015年6月16日

長期金利は0.500%に上昇 上昇傾向が鮮明に


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)



<編集部からのコメント>

6月も半ばとなり、いよいよ2015年も折り返しですね。早いものです。このままあっと言う間に2016年になるかと思うと少し恐ろしい気もしますが、そのように少し先の将来に目をやると住宅関連で最も影響が大きそうなイベントが2017年4月に予定されている10%への消費税再増税ですね。

今のままの税制の枠組みで言うと、8%→10%への増税は完全に「負担増」ですから相応の駆け込み需要が起こるのは間違いありません。

ちなみに前回の5%→8%への増税時は住宅ローン減税の拡充とすまい給付金の創設により「むしろ8%の時の方が減税される」という手厚い緩和措置が用意されていたのですが、それでも一定の駆け込みが起こりました。そう考えれば今度の駆け込み需要は思ったより大きくなるのかもしれませんね。気になるところです。

もしかすると「2017年4月なんて2年先の話じゃないか」と思われるかもしれませんが、実際には引き渡しまでに日数がかかる新築マンションや注文住宅の契約などはその半年前の2016年9月あたりが実質的なデッドラインになってきます。そう考えると意外と日がないことに気が付きます。

特に新築マンションなどは建設に数年かかるため、8%時に契約・購入しようと思えば、恐らく今、計画中もしくは建設中のものの中から選ぶ、ということになるのではないでしょうか?だとすると結構、現実感が出てきますね。

もちろん必要もないのに購入してはいけませんし、増税後に逆に値下がりする可能性はゼロではありませんが、ただ少なくとも8%増税後も住宅価格は上昇し続けており、判断に迷うところですね。

ちょうとボーナスの支給が近づき、マイホームについて改めて考える方も少なくないかもしれませんが、焦らず、しかし先送りもせず、じっくり購入の是非を検討していただければと思います。

さて、そうしたマイホーム購入と表裏一体にあるのが住宅ローンですが、ここ最近の住宅ローンを巡る動きで印象的なのはやはり金利上昇傾向ではないかと思います。昨年の秋以降、ずっと金利の低下が続いていた住宅ローン金利ですが、3月・4月と2ヶ月連続で上昇し、5月に一旦低下したものの、6月には再度上昇しているのですね!

このように金利が上昇してしまった理由としてはお察しの通り、住宅ローン金利のベースとなる市場金利が上昇したからですが、長期金利がどのように推移しているかと言うと上記グラフをご覧になっても分かるとおり・・・再上昇しているわけですね。特に足元では0.5%を超え上昇傾向が鮮明になっている点には注意が必要です。

具体的には6月16日現在の長期金利は0.500%ということで、1ヶ月前は0.375%でしたから、やはりはっきりと上昇していますね。

気になるのが、ではなぜ4月に落ち着いたように見えた長期金利が再び動き出したのかという点ですが・・・恐らく震源地はドイツの金利上昇なのではないかと思います。これまで「歴史的」と言っていいくらい見事な右肩下がりで下がってきたドイツ金利ですが、なぜか4月下旬を境にドンと上昇しているのですね。



これについては著名な投資家が「売りの絶好のチャンス」と発言したことから国債の売り取引に拍車がかかった可能性があります。つまり極めて投機的な動きなのではないでしょうか。

確かにヨーロッパの物価などに改善の兆しがあるものの、ウクライナ問題やギリシャ問題などはますます長期化・深刻化しているわけですからね。これまでの金利低下が「行き過ぎた」面はあるのかもしれませんが、とはいえ金利が順調に上昇していく状況ではありません。景気テコ入れのためにヨーロッパの金融緩和がさらに拡大される可能性も相応にありますしね。

だとするとこうした投機的な動きがおさまれば早晩、ドイツの金利も世界の金利も再度低下を試すトレンドになりそうな気がするのですがいかがでしょうか?

ちなみにいつもご案内しているアメリカの長期金利はこのように推移しています。



こちらは日本の長期金利とほぼ同じ動きをしているのが印象的です。目盛りがなければどちらがどちらの金利かわからないくらいです。そのように考えると、今は世界の債券相場=長期金利が投機的な動きを強めていると言えそうです。

こうした動きは実体経済とは乖離して動きますので分析してもあまり意味がないのかもしれません。早晩、落ち着くことを期待したいと思います。

ただ日本の金利について冷静に眺めると、印象はともかくとして実際の金利上昇幅はわずかです。

一時的にはともかくとして、金利が本格的に上昇する機運は日本だけでなく世界を見渡しても全くありませんし、加えて日本で金利がどんどん上昇するとは考えにくい背景として、2%のインフレ目標達成に向けて死にもの狂いの日銀が、虎視眈々と次の追加金融緩和策を発表するタイミングを狙っている点も指摘しておきたいと思います。

いずれにしても日本の金利は、日銀の金融緩和が睨みをきかせている間は大きく上昇することはありえません。つまり短期的にも中長期的にも住宅ローン金利に追い風が吹き続ける可能性が高く、住宅ローンをこれから借りようとされている方や、今後借り換えをしようとされている方は、多少の金利変動に戸惑うことなく、着実に検討を進めていただければと思います。

気になるのは今の「異次元の低金利」がいつまで、どれくらい続くのか、という点ですが、少なくとも金融緩和は次の消費税増税のタイミングである2017年4月までは続く可能性が高く、だとすれば金利もそれまでは本格的に上昇することはなさそうです。参考にしてみてください。

ちなみにより長期的に、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



多少上昇したと言っても今の長期金利は中長期的に見て、「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。これまで最も低い時期でも0.5%前後だったわけですから、今の金利水準は「最低水準」ということですね。ぜひこの追い風を生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

ちなみに。

あえて長期的な観点から注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利の金利水準からすれば3倍ですし、仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りさらなる金融緩和が予想され、消費税増税が2017年4月まで延期になった現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、「これから更に下がるとしても限定的」という点でいつかは上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。

焦る必要は全くありませんが、そうした点からも今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの低金利を上手に活用してもらいたいと思います。

さて前置きが長くなりましたが、2015年7月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックすると今月と比較してこのような推移となっています。

◆ソニー銀行住宅ローン金利

・変動金利 : 0.889% → 0.889% (変わらず)
・10年固定 : 1.329% → 1.355% (+0.026%上昇
・20年固定 : 1.946% → 2.033% (+0.087%上昇
・30年固定 : 2.107% → 2.195% (+0.088%上昇

長期金利は1ヶ月で約0.13%上昇したわけですが、こちらは0.03%〜0.09%と割と控えめな上昇ということですね。夏のボーナスシーズンを控えて多少上昇幅を抑えた、ということはあるのでしょうか。

次にこれまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆6月16日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : 0.00% → −0.00% (−0.00%低下
・10年 : 0.42% → 0.47% (+0.05%上昇
・20年 : 1.19% → 1.26% (+0.06%上昇
・30年 : 1.45% → 1.51% (+0.06%上昇

1年もの金利がついにマイナス金利となっているのは驚異的ですが、それはともかくとして全体的にはやはり上昇していますね。

ただ上昇幅は平均で見ると0.06%前後ということですね。そう考えるとソニー銀行の金利上昇幅=0.03%〜0.09%というのは市場金利の動きに即した合理的なものと言えそうです。

後2週間、金利がこのままの状態で推移すれば、7月の住宅ローン金利は、固定金利タイプにつき切りがいいところで+0.05%程度上昇ということになりそうです。

せっかく6月・7月と需要期を前に2ヶ月連続で住宅ローン金利が上がってしまうのであれば残念ですが、ただ冷静に考えると仮に上昇したとしても予想される金利上昇幅は極めてわずかであり、住宅ローン金利が史上最低水準を維持することに変わりはありません。

そういう意味では繰り返しになりますが、細かな変動にとらわれずに着実に住宅ローンの借り入れ・借り換えの検討を進めていただければと思います。世界の国債市場=長期金利に投機的な動きが続くとすれば8月はさらに上昇する可能性もゼロではありませんからね。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持しているのですね。

6月19日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「0.073%」と文字通りケタ違いの低金利=ゼロ金利となっています。1ヶ月前の金利は「0.068%」でしたから、ほぼ同水準を維持しているということですね。

日銀のこうしたゼロ金利政=短期金利の引き下げ政策は、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますし、繰り返しになりますが、少なくとも増税延期目途である2017年4月まで継続されるのはほぼ間違いないと思います。

そしてそのように短期金利はまだまだ低金利が続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、十分なインフレなど永遠に起こらないかもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の6年以上全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。こちらも参考になさってください。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

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