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<編集部からのコメント>
9月になりました。先月の当欄では「今年の夏は暑いですね!」と書き出したわけですが、1ヶ月経ってみると・・・むしろ肌寒い天候が続いております。慌てて衣替えを始めた家庭も少なくないかもしれません。年々こうした気候の変化が激しくなっているような気がするのは記者だけでしょうか?
これだけ気温の変化が激しいと体調を崩す人も多そうですね。感染リスクを完全にゼロにするのは難しいと思いますが、皆さまどうぞご自愛ください。
ただ一方で、7月以降気温の上昇と共にどうも停滞気味に感じていた住宅ローン市場ですが、当サイトのトラフィックなどを見る限り、最近再び勢いを取り戻しつつあるように感じます。もしこれが気温と関係しているのであればなかなか興味深いですね。つまりあまりに暑いと住宅ローン需要が減退するという仮説です。
暑すぎると出歩くのが億劫になり、住宅購入も住宅ローン借り入れも検討が滞りがちになるというのは何となく分かる気がしますが果たしてどうでしょうか?
とは言いつつそうした全くの仮説の域を出ない天候の影響はともかくとして、間違いなく影響があったのが最近の住宅ローン金利の上昇傾向ですね。具体的には3月・4月、そして6月・7月と断続的に住宅ローン金利はジワジワ上昇してきました。これが住宅ローン需要に冷や水を浴びせたのは間違いなさそうです。
そうした金利上昇の動きが反転したのが8月で、8月の住宅ローン金利はようやく3ヶ月ぶりに低下したのですね。最近の住宅ローン需要の回復にも大いに貢献していそうです。
では気になる今月=9月の住宅ローン金利動向がどうなっているかと言うと上記記事の通り・・・メガバンク各行は10年固定金利を0.05%〜0.10%程度引き下げてきたということですね!つまり2ヶ月連続の低下、ということになります。
この金利低下により住宅ローン市場がさらに勢いを増すのかどうか・・・注目したいと思います。
なお先日のこちらのコラムでは「9月の住宅ローン金利は全体的に2ヶ月連続の引き下げとなり、固定金利は−0.05%程度の引き下げとなる可能性が高い」と予想しましたが、及第点と言えそうです。2週間前の予測なので外す方が難しいですが。
>>>[2015年9月の住宅ローン金利予想]住宅ローン2ヶ月連続引き下げへ
このように今月の住宅ローン金利が2ヶ月連続で低下した背景としては、もちろん市場金利が低下したからですが、ここでいつものように実際の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
昨年10月31日に発表された日銀の追加的な金融緩和策の影響により金利は大きく低下したわけですが、グラフ全体で見れば1月以降の金利上昇でそのかなりの部分が帳消しになってしまったことになります。1月に長期金利は0.195%の史上最低金利に到達した後だけになおさらですね。
そして、より不可解なのはそこまで金利が上昇する理由が国内には見当たらないという点です。
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
こちらも1月に大きく下がったあと2月と4月に再上昇しており、つまり・・・日本の長期金利とほぼ同じ動きをしているということですね!そう考えると日本の金利上昇も、国内要因ではなく、国際要因から捉えた方がいいですね。
次に世界のもう1極であるドイツの金利はこのようになっています。
これまでモノサシを当てられるくらいまっすぐ金利低下し、歴史的な金利下落を見せつけたドイツ金利ですが、こちらも4月から急激に上昇していることが分かります。
だとすると日本の長期金利の「2月ごろの金利上昇」と「4月ごろの金利上昇」はそれぞれアメリカ金利とドイツ金利の影響を受けたということなのかもしれませんね。こうした海外要因で上昇したということなのであれば、やはり海外情勢が落ち着いて来れば金利が低下すると考えて良さそうです。
実際のところ日本の長期金利を含めた上記3つのグラフがいずれも6月をピークに徐々に低下しているように見えますね。やはり「世界金利同時上昇」局面は終息しつつあるということなのでしょう。
加えて足元では目下、「世界株価同時下落」が進んでおり、株価が下がれば金利も下がることから、最近の金利低下傾向はまだまだ続きそうですね。株安を喜ぶのは少し居心地が悪いですが、どちらかと言うと繰り返しになりますが1月以降の金利上昇の方が不可解だったわけで、金利が「元の水準」に戻ってくることは歓迎してよいと思います。
ちなみに本日の長期金利は0.365%ですが、先月のこの時期は0.400%でしたので、やはり相応に低下しているということですね。住宅ローン金利もこうした市場金利低下の動きに連動して低下したことになります。
住宅ローンをご利用の方やこれから利用しようとされている方は、この住宅ローンを借りる歴史的な好機をしっかりご活用いただければと思います。
[2015年9月の住宅ローン金利]
すでに上記ご案内しているように、9月の住宅ローン金利は8月の金利から「固定金利タイプにつき−0.05%〜−0.10%程度の低下」と言う状態ですね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについては、メイン商品のフラット35の金利が8月と比較して−0.04%低下しています。こちらも2ヶ月連続の金利低下ということですね。
より期間の短いフラット20の金利も同様に−0.04%の低下となっています。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、8月と9月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.650% → 0.650% (変わらず)
・10年固定 : 0.910% → 0.910% (変わらず)
・20年固定 : 1.440% → 1.440% (変わらず)
・30年固定 : 1.780% → 1.780% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.175% → 1.175% (変わらず)
・10年固定 : 1.500% → 1.400% (−0.100%)
・20年固定 : 3.500% → 3.450% (−0.050%)
・30年固定 : 2.000% → 1.970% (−0.060%)
>>>最新の金利はこちら
意外にも住信SBIネット銀行はどの期間も「据え置き」となっていますね。「すでに十分低い」ということでしょうか・・・。
ただそれでもこの2つの実質的な金利水準で見比べればやはり住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は「ネット専用住宅ローン」の販売に注力しています。これは契約相手が住信SBIネット銀行ではなく、親会社である三井住友信託銀行となるもので、もちろん三井住友信託銀行は日本有数のメガバンクの一角ですから、より安心感を感じる方は少なくなさそうです。
引き続きこうした「低金利+安心安全」な住宅ローンを積極的に提供していってほしいものです。
さて当サイトで人気の新生銀行の9月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.880% → 0.880% (変わらず)
・10年固定 : 1.350% → 1.300% (−0.050%)
・20年固定 : 1.600% → 1.550% (−0.050%)
・30年固定 : 2.250% → 2.200% (−0.050%)
>>>最新の金利はこちら
こちらは固定金利についてはいずれも−0.050%の引き下げとかなり積極的ですが、恒例となっている「借り換えキャンペーン」を考慮すると印象はさらに増します。このキャンペーンを利用すればこのような金利となります。
・変動金利 : 0.880% → 0.680% (−0.200%)
・10年固定 : 1.300% → 1.100% (−0.200%)
・20年固定 : 1.550% → 1.350% (−0.200%)
・30年固定 : 2.200% → 2.000% (−0.200%)
>>>最新の金利はこちら
つまり・・・実質的に金利を大きく引き下げているわけですね!相対的な魅力が増していると言えそうです。
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
[2015年10月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、短期的には上記の通り「世界株価同時下落」の動きもあり、金利は低下トレンドを維持するのではないかと思います。
その点では来月=2015年10月以降の住宅ローン金利はさらに低下する可能性が十分あるわけで、期待しておきたいと思います。
そもそも、繰り返しになりますが、「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少日本の市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も魅力的な金利水準を維持していくのは間違いありません。
細かな金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討を進めていただければと思います。
なお、あえて今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
では足元の物価動向はと言うと、上昇の勢いが弱まっており、金融緩和を縮小・終了させるにはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については、多少頭に入れておきたいところです。
仮にそのように日本経済が本格的なインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことだと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では前月と比べると多少下落し、住宅ローン金利が史上最低水準を維持している今月=9月というのは住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
そもそも一番人気の住宅ローン変動金利については、日銀のゼロ金利政策により、史上最低水準に張り付いたまま今月も全く上昇していないわけですからね。変動金利の利用を検討されている方は、上記のような長期金利の動きや住宅ローン固定金利の動きを気にする必要など全くない、ということです。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2015年9月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.57%〜2.675%
・10年固定:0.91%〜3.95%
・20年固定:1.35%〜3.45%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。