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[11月の住宅ローン金利予想]
市場金利に逆らい2ヶ月連続で利上げする銀行は?

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2015年10月20日

長期金利は0.315%に低下 金利の低下傾向が続く


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)



<編集部からのコメント>

気が付けば10月も下旬に入り2015年も終盤ですね。ありきたりな表現ですが月日が過ぎるのは早いものです。今年こそ早め早めに雑事を片付け落ち着いた年末年始を過ごしたいものですが・・・そうはいかないでしょうね。少なくとも年賀状が完全に電子化されればその負担はかなり減るのですが。

ちなみに今の若人たちに年賀状を送る習慣というのはどれほど残っているのでしょうね!?LINE等でリアルタイムにつながっている昨今、元旦の0時付近で大方のあいさつが済んでいるとすれば昼ごろに届く年賀状で新年のあいさつというのはあまりに遅いです。年賀状の主たる目的である近況報告もSNSでまかなわれているとすれば尚更ですね。

一方でトータルの負担を考えればむしろ年末の苦労1回で済む「昭和方式」の方が軽いと捉える考え方もありそうです。友好関係のメンテナンスを「負担」と捉えている時点で落ちこぼれているのかもしれませんが・・・。

さて本題に入っていきますが、そのように冬が近づいてくる中で盛り上がりが期待できるのが住宅市場ですね。例年2月から3月にかけてが期末や引っ越しシーズンとも重なりピークシーズンだと言えますが、当然、マイホームは1日や2日で決めるものではなく、相応の検討期間が求められるとすればそろそろ来春に向けての情報収集活動が動き始めてもおかしくありません。

12月にはボーナスも支給されますので尚更ですね。年末年始に帰省したタイミングで親に援助を求めることも可能です。

住宅市場を取り巻く環境を見渡せば、特にマンション価格が全国で勢いよく上昇しており、そろそろ向かい風になりつつあるのではないかと感じておりますが、一方で2017年4月に控える消費税増税に向けての駆け込み需要の「兆し」が出始めてもおかしくありません。果たして消費者はどう動くのでしょうか?

しかしそのように住宅市場への影響を考えた場合、忘れてはいけないのは金利動向ですね。金利が下がれば当然追い風となる一方で、金利が上昇すれば冷や水を浴びせることになりますが、実際はどうかと言うと・・・最近の金利低下傾向を受けて、住宅ローン市場についても徐々に勢いを取戻しつつあるように感じています。当サイトのトラフィックも引き続き増加基調となっています。

今年の春以降、何度も金利上昇局面があり、そのたびに向かい風を受けてきた住宅ローン市場ですが、8月・9月と2ヶ月連続の引き下げとなったことで徐々に活気が出てきたということではないかと思います。

とすると住宅ローン利用者としては、こうした住宅ローン金利の低下傾向が続くことを期待するわけですが、実際に住宅ローン金利のベースとなる長期金利がどのように推移しているかと言うと上記グラフをご覧の通り・・・6月に0.5%台まで上昇した一方でその後は徐々に低下してきています。

つまり今年1月以降の金利上昇も一旦ピークアウトした、ということですね。具体的には10月20日現在の長期金利は0.315%ということで、1ヶ月前は0.360%でしたから、やはり徐々に低下しています。と言うよりかなり低下していますね!

だとすると当然11月の住宅ローン金利も更なる低下が期待されるわけで、実際多くの銀行が金利を引き下げてくるものと思います。

しかし。

そう楽観してばかりいられないのが今月=10月の住宅ローン金利の動きですね。上記のようにハッキリと金利が低下しているにも関わらず、代表的な金利タイプである「10年固定」はメガバンクの中でこのように対応が分かれました。

・引き上げ : 2行
・据え置き : 2行
・引き下げ : 1行

珍しく判断が分かれたわけですね!金利が低下基調とは言え、超低金利状態では実際の下げ幅は限定的で、その点では「据え置き」とする銀行があるのは理解できます。

けれどもこの状況で「引き上げ」という判断を下した銀行が出てきたのは本当に驚きました。

さらにサプライズとなったのは市場金利から機械的に金利を決定していると思っていたフラット35まで利上げとなった点です。長期金利が低下する中での利上げ判断とは一体どういうカラクリなのでしょうか・・・。

仮説としては、一部の銀行が「実質赤字」と懸念されてきた住宅ローンの採算をいよいよ改善しようと動き始めた、ということですね。メガバンクが軒並みATM手数料を有料に戻したりとサービスの「改悪」に勤しんでいるこれまでの流れを思い返せば、住宅ローンビジネスでも同じことが起きても不思議ではありません。

その点では全体的に「8月・9月・10月・11月と4ヶ月連続の利下げとなるか」という点よりも「低下を続ける市場金利に逆らって2ヶ月連続の利上げを実施する銀行が出てくるか」が11月の住宅ローン金利の最大の焦点かもしれませんね。

もちろん住宅ローン利用者からすればそのように消極的な金融機関を追いかけ続ける必要はありません。他に積極的な住宅ローンなどいくらでもあるからです。いずれにしても注目ですね!

ここで世界の金利をチェックしておくと、まずドイツの金利はこのようになっています。これまで「歴史的」と言っていいくらい見事な右肩下がりで下がってきたドイツ金利ですが、なぜか4月下旬を境にドンと上昇しました。



こうした動きがこの春の金利上昇の引き金になったのではないかと思いますが、 ただ6月以降は日本の金利と同じく徐々に低下してきているように見えます。

そして世界経済の中心であるアメリカの長期金利はこのように推移しています。



こちらは日本の長期金利と驚くほど同じ動きをしているのが印象的です。つまりは世界の金利は我々素人の知らないところで完全につながっているということだと思いますが、このアメリカの金利も足元では政策金利の利上げ懸念後退を受けてか徐々に低下していることが分かります。

これまでの日本の金利上昇の動きがこのように世界の金利上昇に同調したものなのであれば、世界の金利が低下すれば同じように下がるのは当然と言えそうですが、このまま落ち着いてほしいものです。

なお短期的には下落し始めた日本の金利ですが、中長期的に見ても上昇する機運は全くありません。2%のインフレ目標達成に向けて死にもの狂いの日銀が、虎視眈々と次の追加金融緩和策を発表するタイミングを狙っているわけですしね。金融緩和が拡大されれば金利がさらに低下するのはほぼ確実だからです。

いずれにしても日本の金利は、日銀の金融緩和が睨みをきかせている間は大きく上昇することはありえません。つまりもうしばらく住宅ローン金利に追い風が吹き続ける可能性が高く、住宅ローンをこれから借りようとされている方や、今後借り換えをしようとされている方は、多少の金利変動に戸惑うことなく、着実に検討を進めていただければと思います。

気になるのはこの「異次元の低金利」がいつまで、どれくらい続くのか、という点ですが、少なくとも金融緩和は次の消費税増税のタイミングである2017年4月までは続く可能性が高く、だとすれば金利もそれまでは本格的に上昇することはなさそうです。

2020年目標の「プライマリーバランス黒字化」や「GDP600兆円達成」に向けて少なくとも2020年まで続くという読みも最近よく目にするようになってきました。参考にしてみてください。

ちなみにより長期的に、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



春以降、多少上昇したと言っても今の長期金利は「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。これまで最も低い時期でも0.5%前後だったわけですから、今は「最低水準」ということですね。ぜひこのチャンスを生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

一方で。

あえて注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という当時の過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利の金利水準からすれば5倍ですし、仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りさらなる金融緩和が予想され、消費税増税が2017年4月まで延期になった現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、「これから更に下がるとしても限定的」という点でいつかは上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。

焦る必要は全くありませんが、そうした点からも今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの低金利を上手に活用してもらいたいと思います。

さて前置きが長くなりましたが、2015年11月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックするとするとこのようになっています。

◆ソニー銀行住宅ローン金利

・変動金利 : 0.889% → 0.889% (変わらず)
・10年固定 : 1.227% → 1.180% (−0.047%低下
・20年固定 : 1.892% → 1.818% (−0.074%低下
・30年固定 : 2.054% → 1.972% (−0.082%低下

長期金利は1ヶ月で約0.045%低下しているわけですが、概ねそれに準じた金利引き下げとなっています。予想通りではありますが来月=11月の住宅ローン金利は低下するということですね!各銀行がこうした動きに素直に追随するのであれば住宅ローン金利は4ヶ月連続の引き下げになるということです。

これまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆10月20日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : 0.00% → 0.00% (変わらず)
・10年 : 0.37% → 0.32% (−0.05%低下
・20年 : 1.15% → 1.10% (−0.05%低下
・30年 : 1.41% → 1.36% (−0.05%低下

やはり全体的に低下していますね。奇しくも1年ものを除きどの期間も約0.05%低下しているのが印象的です。

その点では市場金利から推測すれば11月の住宅ローン金利は全体的に4ヶ月連続の引き下げとなり、固定金利は−0.05%程度の引き下げとなる可能性が高いというわけですが・・・気になるのは上記の通り、そうした金利環境を無視して利上げに転じた住宅ローンの存在ですね。

仮に11月も10月と同様、利下げする銀行と利上げする銀行が出てくるのだとすれば、消費者としては当然、前者をしっかり見極めることがより重要になってきます。これからは「今月の金利」だけでなく「これまでの金利推移」もチェックしないといけない時代になる、ということでしょうか・・・。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持しているのですね。

10月20日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「0.076%」と文字通りケタ違いの低金利=ゼロ金利となっています。1ヶ月前の金利は「0.076%」でしたから、同水準を維持しているということですね。

日銀のこうしたゼロ金利政=短期金利の引き下げ政策は、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますし、繰り返しになりますが、少なくとも増税延期目途である2017年4月まで継続されるのはほぼ間違いないと思います。

そしてそのように短期金利はまだまだ低金利が続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、十分なインフレなど永遠に起こらないかもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の6年以上全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。こちらも参考になさってください。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

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