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<編集部からのコメント>
2月となりました。時期的には受験シーズンということになるのでしょうか。
住宅ローン利用者層=ファミリー層であり、ちょうどお子さんがまさに受験の真っただ中、という方も多いかもしれません。親としては受かるかどうかも心配かと思いますが、受かったら受かったで今度は学費の問題が出てきます。国公立か私学か、実家か下宿かで学費は何倍、何十倍と変わってきますからね。
お金の心配がもたげてきたらチェックすべきなのが住宅ローンです。借りたらもう金利のことなんて無頓着、という方は結構多いようですね。しかし「借り換え」に「繰上返済」を組み合わせれば、支払利息を数百万円単位で削減することができます。子どもがテスト勉強する傍らで、親は住宅ローンの勉強をすべし!ということなのかもしれません。該当される方は検討してみてはいかがでしょうか。
しかしそうした方でも、そうでない方でも、住宅ローン利用者にとって大きな朗報となったのが1月29日に発表された日銀の新たな金融緩和策=「マイナス金利」です。これについてはまた改めてコメントしたいと思いますが、率直な感想は「日銀はうまくやったな」ということです。
と言うのもあまり報道されていませんが、今回の「マイナス金利」が適用されるのは、日銀の銀行向け当座預金の「ごくごく一部」です。そしてその当座預金の「残りのほとんどの部分」は「プラス金利」が維持されるのですね。
つまり「マイナス金利適用!」という響きほどには実際の影響はなく、あくまで「象徴的」なものであり、言ってみれば「100万円の束の最初の1万円だけ本物で残りの99枚は新聞紙」といったような「張りぽて」のシロモノなわけですが、しかし結果的にはみんなが「100万円だ!100万円だ!」と騒いでいるわけですから、秀逸なプロモーションと言えるのかもしれません。
要するに日銀総裁に求められているのは、「素晴らしい曲を創り出す創造性」ではなく、「ありふれた曲でも素晴らしい曲であるかのように売り出せる演出力」ということなのでしょうね。つまりは記者の理解が正しければプロデューサー業ということです。
ただこれは、国民の「心理」に働きかけ、「インフレ期待」を醸成しようとしている今の日銀の目的からすれば当然の役割と言えるのかもしれませんが。
一方で気になるのが、「あれ、マイナス金利と言っても実際には何も変わっていないのでは?」とみんなが気付き始めた時に大きな反動が来るリスクですね。それを防ぐためには日銀は今後も「今はほんのちょっとだけだけれど今後はもっとマイナス金利を拡大するよ」と「脅し」続けないといけないのでしょう。ご武運をお祈りしたいと思います・・・。
さて本題に入っていきますが、こうした市場金利の低下に加えて、1月〜3月という住宅市場が最も盛り上がる時期を意識してか、今月も各銀行が住宅ローン金利を引き下げてきていますね!すばらしいことです。
ただし、上記の通りマイナス金利が発表されたのは1月の最終営業日であり、要するに「2月の住宅ローン金利が決まった後」ですね。さすがに最終営業日まで翌月の住宅ローン金利が決まらないということはないと思います。
だとすれば、今回のマイナス金利に伴う金利低下の影響が住宅ローン金利に反映されるのは「3月以降」ということですね。期待したいと思いますし、それまでは市場金利が今の金利水準を維持してほしいものです。
と言うわけで、いつものように住宅ローン金利のベースとなる長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
やはり1月末にドスンとデジタル的に金利低下していますね。足元では0.08%ということで、何と0.1%を下回っている水準です!「マイナス金利」という言葉がいかにビビッドなものであったのかよく分かります。繰り返しになりますが「日銀はうまくやった」ということです。
こうした金利水準が月末まで続き、3月の住宅ローン金利もまた、ドスンと下がることを期待したいと思います。
なお先日のこちらのコラムでは「2月の住宅ローン金利は「全体的に0.05%〜0.10%程度引き下げとなる可能性が高い」と予想しましたが、結果的にはおおむね固定金利を中心に0.05%程度引き下げられましたので及第点と言えそうです。
もちろんこれは上記の通り「マイナス金利を予見していた」というわけでは全然なく、単に「マイナス金利の影響は今月はほとんど全く反映されなかった」ということに過ぎないわけですが。
>>>[2016年2月の住宅ローン金利予想]長期金利は史上最低更新!住宅ローンも引き下げへ
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
アメリカは堅調な景気回復を背景に、12月に一足早く政策金利の引き上げ=「利上げ」に踏み切ったわけですが、世界的な景気減速の動きや、もちろん日銀の「マイナス金利」も影響して足元では徐々に低下傾向ですね。
今は国内外で金利低下の圧力が強まっていると言えそうです。
[2016年2月の住宅ローン金利]
さて上記ご案内したように、2月の住宅ローン金利は1月の金利から「全般的に引き下げ」と言うことですね。住宅ローン利用者からすれば誠にありがたい状況です。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについてはメイン商品のフラット35の金利が12月と比較して0.06%の引き下げとなっています。
より期間の短いフラット20の金利も同様に0.06%の引き下げですね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、1月と2月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.588% → 0.579% (−0.009%)
・10年固定 : 0.830% → 0.790% (−0.040%)
・20年固定 : 1.300% → 1.250% (−0.050%)
・30年固定 : 1.620% → 1.590% (−0.030%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.075% → 1.075% (変わらず)
・10年固定 : 1.100% → 1.050% (変わらず)
・20年固定 : 3.100% → 3.050% (−0.050%)
・30年固定 : 1.650% → 1.560% (−0.090%)
>>>最新の金利はこちら
やはり全面的に引き下げと言うことですね。この中でも特に注目すべきは住信SBIネット銀行が変動金利を引き下げてきたという点です!市場の短期金利は日銀の「ゼロ金利政策」によりすでにゼロ金利近辺にまで低下していますので基本的には低下余地はほとんどありません。
そうした中で変動金利を引き下げてきたということは・・・自社の儲けを削ってきたということですね。競争の激化を象徴する動きと言えそうです。
さて、そうしたこともあってこの2つの実質的な金利水準を見れば当然、住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は「ネット専用住宅ローン」の販売に注力しています。これは契約相手が住信SBIネット銀行ではなく、親会社である三井住友信託銀行となるもので、もちろん三井住友信託銀行は日本有数のメガバンクの一角ですから、より安心感を感じる方は少なくなさそうです。
引き続きこうした「低金利+安心安全」な住宅ローンを積極的に提供していってほしいものです。
さて当サイトで人気の新生銀行の2月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.680% → 0.680% (変わらず)
・10年固定 : 1.300% → 1.250% (−0.050%)
・20年固定 : 1.550% → 1.500% (−0.050%)
・30年固定 : 2.150% → 2.100% (−0.050%)
>>>最新の金利はこちら
こちらも全体的に金利が引き下げとなっていますね。加えて条件を満たせば住宅ローン金利が−0.15%となるキャンペーンを開始しています!それを勘案すれば実質的な金利はこようになっています。
・変動金利 : 0.680% → 0.530% (−0.15%)
・10年固定 : 1.250% → 1.100% (−0.15%)
・20年固定 : 1.500% → 1.350% (−0.15%)
・30年固定 : 2.100% → 1.950% (−0.15%)
つまり金利を大幅に引き下げてきたということですね!台風の眼となりそうです。
>>>新生銀行の住宅ローン金利優遇キャンペーンについて詳しくはこちら
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
[2016年3月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、既にご案内したように足元では「マイナス金利」の影響もあって市場金利が大きく低下していますが、この影響が住宅ローン金利に反映されるのは来月=3月以降ですね。期待しておきたいと思います。
なお、このような「異次元の金融緩和」が実施されている間は、多少金利が上昇することがあったとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も概ね魅力的な金利水準を維持していくのは間違いありません。
細かな金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討を進めていただければと思います。
しかしながら、あえて今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
では足元の物価動向はと言うと、原油安・資源安の影響もあって上昇の勢いが弱まっており、金融緩和を縮小・終了させるにはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については、多少頭に入れておきたいところです。
仮にそのように日本経済が本格的なインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことだと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では今月=2月というのは住宅ローン金利が史上最低水準を更新し、さらなる低下が期待できるという点では、住宅ローンを検討するのにベストなタイミングと言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2016年2月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.53%〜2.675%
・10年固定:0.79%〜3.85%
・20年固定:1.25%〜3.25%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。