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<編集部からのコメント>
3月となりました。振り返ってみれば2月はそもそも住宅市場が盛り上がる時期だったことに加えて、「マイナス金利政策」という号砲が鳴らされたこともあり、住宅ローン市場は大盛り上がりだったようですね。
実際に申込件数が数倍になった銀行が続出しているようですが、当サイトのトラフィックも前月の数倍に跳ね上がりまして「マイナス金利効果」を肌で実感することができました。
ただ実際にマイナス金利政策が始まったのは2月16日からであることからも分かるように、今のところ「アナウンス効果」と言いますか、銀行側も顧客側も、狼狽や驚きといった心理的な動きが先行しており、本当の効果が分かるのは数ヶ月してもう少し落ち着いてからだと思います。
とは言いつつ今のところそうした短期的な心理効果は「急激な金利の低下」となって表れており住宅ローン利用者としては歓迎して良さそうです。2013年に発動した異次元緩和第1弾の後はむしろ金利が急上昇しましたからね!金融市場の動きというのは一筋縄ではいきません。
もちろんここからなぜか金利が上昇する局面が訪れる可能性はゼロではありませんが・・・。
それはともかくとして、先月の当欄でご案内したようにこの「マイナス金利政策」に伴い「マイナス金利」が適用されるのは、日銀の銀行向け当座預金の「ごくごく一部」です。そしてその当座預金の「残りのほとんどの部分」は「プラス金利」が維持されるのですね。
つまり「マイナス金利適用!」という響きほどには実際の影響はなく、今のところはあくまで「象徴的」なものであるのですが、それでも金利は素直に下がったわけですからやはり日銀は「うまくやった」と言えるのかもしれません。
残念ながら金利水準よりもっと重要な為替相場や株式相場は政策発表後も低迷しており、全体的な評価として成功とは言えなさそうではありますが・・・今のところ。
さて本題に入っていきますが、マイナス金利政策の影響に加えて、申し上げたようにこの時期は住宅市場が1年で最も盛り上がる時期ということもあり、今月も各銀行が住宅ローン金利を引き下げてきていますね!すばらしいことです。
マイナス金利が発表されたのは1月の最終営業日であり、要するに「2月の住宅ローン金利が決まった後」だったわけですから、尚更3月の住宅ローン金利が注目されたわけですが、全体的には期待以上の金利低下になっている気がします。
上記記事の通りメガバンクは10年固定金利を0.1%〜0.25%引き下げたということですから、やはりマイナス金利政策の影響は大きいですね。
ここでいつものように住宅ローン金利のベースとなる長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
やはり1月末からドスンとデジタル的に金利低下していますね。足元では−0.07%ということで・・・ついにこちらもマイナス水準まで低下しています。
先月のこの時期も0.08%ということで随分低いと感じたわけですが、市場金利は一足早く「異次元の世界」に足を踏み入れたことになります。
さすがに住宅ローン金利がマイナスになることはないと思いますが(金利がマイナスなら貸さない方が儲かります)、こうした金利水準が続き今後とも住宅ローンの金利低下が続くことを期待したいと思います。
なお先日のこちらのコラムでは「3月の住宅ローン金利は全体的に0.10%〜0.20%程度引き下げとなる可能性が高い」と予想しましたが、上記メガバンクの動きを見れば及第点と言えそうです。
もちろん2週間前の記事ですので大きく外す方が難しいわけですが。
>>>[2016年3月の住宅ローン金利予想]マイナス金利反映も下げ幅0.1%程度?
ここで世界の金利動向をチェックしてみるとアメリカの金利はこのようになっています。
アメリカは堅調な景気回復を背景に、昨年12月に一足早く政策金利の引き上げ=「利上げ」に踏み切ったわけですが、世界的な景気減速の動きや、もちろん日銀の「マイナス金利」も影響して足元では徐々に低下傾向ですね。
今は国内外で金利低下の圧力が強まっていると言えそうです。
[2016年3月の住宅ローン金利]
さて上記ご案内したように、3月の住宅ローン金利は2月の金利から「全般的に引き下げ」と言うことですね。住宅ローン利用者からすれば誠にありがたい状況です。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
具体的な金利をチェックしていくと、まずフラット住宅ローンについてはメイン商品のフラット35の金利が2月と比較して0.23%の引き下げとなっています。
より期間の短いフラット20の金利も同様に0.19%の引き下げですね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
なお、先月から開始したフラット35の金利予測では「0.25%の引き下げ」と予想しましたが、当たらずとも遠からずですね・・・精度を高めていきたいと思います。
>>>[2016年3月のフラット35金利予想]今月比−0.25% 実質金利1.40%〜
次に民間の住宅ローンをチェックすると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、2月と3月の住宅ローン金利の推移はこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(ネット専用住宅ローン)
・変動金利 : 0.579% → 0.568% (−0.011%)
・10年固定 : 0.790% → 0.590% (−0.200%)
・20年固定 : 1.250% → 1.060% (−0.190%)
・30年固定 : 1.590% → 1.420% (−0.170%)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.075% → 1.075% (変わらず)
・10年固定 : 1.050% → 0.800% (−0.250%)
・20年固定 : 3.050% → 2.900% (−0.150%)
・30年固定 : 1.560% → 1.430% (−0.130%)
>>>最新の金利はこちら
やはり全面的に引き下げと言うことですね。この中でも特に注目すべきは住信SBIネット銀行の10年固定金利が大きく引き下げられ変動金利に肉薄してきたという点です!ここまで下がれば変動金利ではなく固定金利を選ぼうとする方が増えるかもしれませんね。
かなりの注目を浴びそうです。
さて、そうしたこともあってこの2つの実質的な金利水準を見れば当然、住信SBIネット銀行が金利面で魅力的なわけですが、その住信SBIネット銀行は「ネット専用住宅ローン」の販売に注力しています。これは契約相手が住信SBIネット銀行ではなく、親会社である三井住友信託銀行となるもので、もちろん三井住友信託銀行は日本有数のメガバンクの一角ですから、より安心感を感じる方は少なくなさそうです。
引き続きこうした「低金利+安心安全」な住宅ローンを積極的に提供していってほしいものです。
さて当サイトで人気の新生銀行の3月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.680% → 0.630% (−0.050%)
・10年固定 : 1.250% → 1.150% (−0.100%)
・20年固定 : 1.500% → 1.400% (−0.100%)
・30年固定 : 2.100% → 2.000% (−0.100%)
>>>最新の金利はこちら
こちらも全体的に金利が引き下げとなっていますね。
>>>新生銀行の住宅ローン金利優遇キャンペーンについて詳しくはこちら
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。ちなみにこのサービスは日経新聞が選定した新商品・新サービスの中で、最優秀賞を受賞したようです。
[2016年4月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、既にご案内したように足元では「マイナス金利」の影響もあって市場金利が大きく低下しており、当面は今のような低金利が続くものと思います。
ただ上記の通り住宅ローン金利がマイナスになるとは考えにくいとすればいよいよ限界値が近づきつつあります。
また金融市場というのは天邪鬼な動きをすることもあり、どこかで反転しそうな気もします。さすがに長期金利までマイナス水準というのは「行き過ぎ」な気もしますからね。
そうしたわけで本格的な金利上昇については全く心配に及びませんが、0.1%や0.2%といったレベルの金利上昇というのは十分あり得ると思います。確たる根拠があるわけではありませんが、念のためご注意ください。
ただし、多少金利が上昇することがあったとしても、絶対水準的には歴史的な低金利を維持し、住宅ローン金利も概ね魅力的な金利水準を維持していくのは間違いありません。細かな金利変動に一喜一憂せず、冷静にご検討を進めていただければと思います。
ちなみに。
あえて今後の金利上昇の可能性を考えると、カギとなるのは物価です。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、頼みの綱である「異次元の金融緩和」も縮小に向かいますので、実需と金融政策の両面から金利上昇の機運が高まることになります。
では足元の物価動向はと言うと、原油安・資源安の影響もあって上昇の勢いが弱まっており、金融緩和を縮小・終了させるにはまだまだ力不足です。そもそも少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか疑問を感じなくもないですが、とは言いつつ長期的なインフレ=金利上昇の可能性については、多少頭に入れておきたいところです。
仮にそのように日本経済が本格的なインフレ経済に変貌するとしても、時期としてはかなり先のことであるのは間違いないと思いますが。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけで、むしろ安心しても良い、という気すらしますが、とは言いつつ住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は、そうした将来的な金利上昇リスクを頭の「片隅の片隅」に入れて、相対的に金利が低い間に着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では今月=3月というのは住宅ローン金利が史上最低水準を更新しているという点でも、住宅ローンを検討するのにベストなタイミングと言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2016年3月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.568%〜2.675%
・10年固定:0.59%〜3.70%
・20年固定:1.06%〜3.10%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、今までは考えられないような、極めて魅力的な金利水準ですね!
繰り返しになりますが、長期金利も住宅ローン金利も「史上最低水準」にあるのは間違いありません。多少の金利変動に一喜一憂せず、着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>