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これまで何度もご案内してきているように、住宅ローン金利のシェアは概ねこのようになっています。
・変動金利 : 6割
・当初固定金利 : 3割
・全期間固定金利 : 1割
長年続く金利低下の動きを背景に住宅ローンの過半数が変動金利となっているのですね。
また、当初固定金利(固定金利期間選択型)も、その固定金利が終了すれば変動金利に移行しますので、仕組みとしても変動金利が増えやすい傾向があります。
もちろん、これら3つのタイプの中では基本的には変動金利が一番金利が低いわけですから、これまでの金利動向も含めて結果オーライと言えそうですね。
では具体的に金利タイプのシェアがどのようになっているかと言うと、最も信頼できる国土交通省の調査結果はこのようになっています。
やはり、6割・3割・1割という比率になっています。
>>>住宅ローンの金利タイプ “本当は”何が選ばれている?国土交通省調査
特に全期間固定金利の代名詞とも言えるフラット35=証券化ローンは6.9%にとどまっています。FPなどの専門家がこぞって推奨するフラット35ですが、実際には顧客の支持をそれほど得られていない、というわけですね。
そうした中で住宅金融支援機構が2015年10月〜12月の業態別の住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移を発表しております。住宅金融支援機構が発表する調査結果の中には信頼できるものと全く信頼できないものがあるわけですが、こちらは金融機関等が回答している調査ですので「信頼できる調査」と言えます。
その最新結果は以下の通りです。
2015年4−12月期としては前年比+6.9%と堅調な一方、10−12月期としては+0.3%とややスローダウンしています。もう過去の金利動向は記憶のかなたですが念のため振り返っておくとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:3年)
2015年は年明けからなぜか金利が上昇する一方で、6月ごろにピークアウトし、その後は徐々に下がっていったのですね。そうでした、そうでした。とすると10−12月期はむしろ前年比でもっと上昇しても良さそうなものですがどういうことなのでしょうね。
そこで過去8四半期の住宅ローンの新規貸出額の推移を並べてみるとこうなっています。
要するに2015年4−6月期と7−9月期の伸びが全体を押し上げたわけですが、この時期は住宅ローンとしては上記の通り金利が概ね上昇していた時期ですね!
素人考えとしては「金利が下がれば住宅ローンが増える」と思いがちですが、短期的には「金利が上がれば住宅ローンが増える」という面があるのかもしれません。つまり様子を見ていた人が慌てて動くということです。
だとすれば住宅ローンは「上がろうと下がろうと金利が動けば増える」ということなのかもしれませんね。
そのように2015年全体としては住宅ローンの新規貸出が比較的好調だったわけですが、中でも好調だったのが調査によれば住宅金融支援機構の買い取り債権、つまりフラット35ですね!10−12月期も、4−12月期もどちらも前年比で1.5倍を超える伸びとなっています。
シェアとしても約12%ですからこれまでの実績と比較すればほぼ倍ですね!
その要因としては全体的な金利の低下傾向に加えて、税金投下に基づく手厚いフラット35の金利優遇策があったわけですが、直接的な影響としては・・・やはり後者でしょうね。
いつもご案内しているようにどうせ税金を投下するならフラット35だけでなく民間住宅ローンの金利も優遇してほしいものですが、いずれにしても2015年はフラット35にそのような追い風が吹いていたことになります。
逆に言えばそうした特別な優遇策が終了した2016年の貸出動向によっていよいよフラット35の「実力」が分かりそうです。今後の調査結果に注目ですね。
ただ、夏の参議院選挙の公約としてまたもフラット35の金利優遇策が出てきそうではありますが・・・。
加えてそうは言いつつこれだけ変動金利と固定金利との金利差が狭まってくると、フラット35などの全期間固定金利の魅力が相対的に増しているのは間違いありません。
特に実質金利で1%を切ってきたりすればいよいよ借り時が来た、という気になりそうです。
そこまで下がるかどうかは分かりませんが、住宅ローン利用者の皆さんの金利選びにも変化が出てくるでしょうか?気になるところです。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>