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毎年1回公表される公の地価の1つ、「路線価」が発表となりました。トレンドとしてはもちろん上昇または回復しているのでしょうけれど、結果は
・全国平均は前年比プラス0.2%で、8年ぶりに上昇
とのことです。アベノミクス始動以降、緩やかな景気回復が進んできているわけですが、いよいよ路線価も全国平均では上昇に転じたということですね。
東名阪などの都心エリアの路線価は早くから上昇となっておりましたが、今回は「全国で上昇」ということですので意味があります。景気回復が地方にも広がっている、ということでしょうか?あまりそうした話は聞きませんが・・・。
と言うわけで 、全国の数字を書き出すとこのようになっています。
全 国 : ▲0.4 → 0.2
北海道 : ▲1.1 → 0.8
青森県 : ▲2.9 → ▲1.9
岩手県 : ▲1.4 → ▲0.8
宮城県 : 2.5 → 2.5
秋田県 : ▲4.6 → ▲3.9
山形県 : ▲1.6 → ▲0.9
福島県 : 2.3 → 2.3
茨城県 : ▲1.7 → ▲1.2
栃木県 : ▲2.1 → ▲1.1
群馬県 : ▲1.9 → ▲1.1
埼玉県 : 0.1 → 0.2
新潟県 : ▲2.0 → ▲1.5
長野県 : ▲1.9 → ▲1.4
千葉県 : 0.3 → 0.4
東京都 : 2.1 → 2.9
神奈川県 : 0.6 → 0.5
山梨県 : ▲2.6 → ▲1.9
富山県 : ▲0.9 → ▲0.5
石川県 : ▲1.5 → ▲0.1
福井県 : ▲2.4 → ▲1.6
岐阜県 : ▲1.1 → ▲0.9
静岡県 : ▲0.9 → ▲0.9
愛知県 : 1 → 1.5
三重県 : ▲1.7 → ▲1.8
滋賀県 : 0 → ▲0.2
京都府 : 0.1 → 0.8
大阪府 : 0.5 → 1
兵庫県 : ▲0.7 → ▲0.3
奈良県 : ▲0.6 → ▲0.5
和歌山県 : ▲2.7 → ▲1.9
鳥取県 : ▲3.6 → ▲1.8
島根県 : ▲2.9 → ▲1.7
岡山県 : ▲0.5 → ▲0.3
広島県 : ▲0.9 → 0.5
山口県 : ▲2.7 → ▲1.6
徳島県 : ▲1.1 → ▲1.1
香川県 : ▲2.4 → ▲1.7
愛媛県 : ▲2.6 → ▲2.1
高知県 : ▲2.1 → ▲1.3
福岡県 : 0 → 0.8
佐賀県 : ▲3.5 → ▲1.6
長崎県 : ▲1.0 → ▲0.9
熊本県 : ▲0.8 → 0.1
大分県 : ▲2.0 → ▲0.6
宮崎県 : ▲2.5 → ▲1.1
鹿児島県 : ▲3.4 → ▲1.7
沖縄県 : 0.3 → 1.7
昨年と比べると3つの都道府県がプラスとなる一方で、1つの都道府県がマイナスになっており、全体的にはこういうことですね。
・プラスの都道府県 : 12 → 14
・マイナスの都道府県 : 35 → 33
確かにプラスの都道府県が増加しているのは間違いないですが・・・ただ都道府県レベルで見れば14勝33敗ということでまだまだ負け越していますね!
とすると、この「全国平均」というのは一体何なのでしょうね?路線価というのはその名の通り「道」ベースで決まっておりますので、あくまで「全国の道平均」ということでしょうか?
だとすると道が相対的に多そうな都心部の数字に引っ張られてしまうのも当然なのかもしれません。
そうしたわけで「全国で上昇!」という響きほどは広がりを感じないわけですが、それはともかくいつものように来年の路線価の増減率を、今年の変動から占うとこうなります。
全 国 : 0.2 → 0.8
北海道 : 0.8 → 2.7
青森県 : ▲1.9 → ▲ 0.9
岩手県 : ▲0.8 → ▲ 0.2
宮城県 : 2.5 → 2.5
秋田県 : ▲3.9 → ▲ 3.2
山形県 : ▲0.9 → ▲ 0.2
福島県 : 2.3 → 2.3
茨城県 : ▲1.2 → ▲ 0.7
栃木県 : ▲1.1 → ▲ 0.1
群馬県 : ▲1.1 → ▲ 0.3
埼玉県 : 0.2 → 0.3
新潟県 : ▲1.5 → ▲ 1.0
長野県 : ▲1.4 → ▲ 0.9
千葉県 : 0.4 → 0.5
東京都 : 2.9 → 3.7
神奈川県 : 0.5 → 0.4
山梨県 : ▲1.9 → ▲ 1.2
富山県 : ▲0.5 → ▲ 0.1
石川県 : ▲0.1 → 1.3
福井県 : ▲1.6 → ▲ 0.8
岐阜県 : ▲0.9 → ▲ 0.7
静岡県 : ▲0.9 → ▲ 0.9
愛知県 : 1.5 → 2.0
三重県 : ▲1.8 → ▲ 1.9
滋賀県 : ▲0.2 → ▲ 0.4
京都府 : 0.8 → 1.5
大阪府 : 1 → 1.5
兵庫県 : ▲0.3 → 0.1
奈良県 : ▲0.5 → ▲ 0.4
和歌山県 : ▲1.9 → ▲ 1.1
鳥取県 : ▲1.8 → 0.0
島根県 : ▲1.7 → ▲ 0.5
岡山県 : ▲0.3 → ▲ 0.1
広島県 : 0.5 → 1.9
山口県 : ▲1.6 → ▲ 0.5
徳島県 : ▲1.1 → ▲ 1.1
香川県 : ▲1.7 → ▲ 1.0
愛媛県 : ▲2.1 → ▲ 1.6
高知県 : ▲1.3 → ▲ 0.5
福岡県 : 0.8 → 1.6
佐賀県 : ▲1.6 → 0.3
長崎県 : ▲0.9 → ▲ 0.8
熊本県 : 0.1 → 1.0
大分県 : ▲0.6 → 0.8
宮崎県 : ▲1.1 → 0.3
鹿児島県 : ▲1.7 → 0.0
沖縄県 : 1.7 → 3.1
今の上昇ペースが続くことが前提となりますが、石川県、兵庫県、鳥取県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県の7つの都道府県がプラスとなる計算になります。
九州では長崎を除く全ての県がプラスとなるということですね!実際には先日の熊本地震の影響もありますのでこの通りにはならないとは思いますが。
また、仮にこの通りになったとしても全体的には21勝26敗ということでまだ過半数に届きません。
とすると都道府県レベルで平均がプラスとなるのは早くて2018年、ということでしょうか。
では記者が今の地価回復傾向があと2年続くと考えているかと言うと・・・かなり微妙です。中国の景気はスローダウンしておりますし、アメリカ経済は景気が伸びきっております。
また、ヨーロッパは当面「Brexit」でゴタゴタしそうであり、とすると輸出企業が支える日本経済が好調を維持できるのか、という点はかなり怪しくなってきますね。
折しも物価が下落基調になっている点を踏まえれば、地価についても曲がり角を迎えてもおかしくありません。そもそも「8年ぶり」という枕詞自体、「そろそろ地価上昇も終わりかな?」と思わせる響きがあります。
これから住宅購入を検討されている方にとってはむしろ「下がってくれた方がありがたい」ということではないかと思いますが、今の地価上昇傾向がいつまで続くのか注目ですね。
ただし。
上がった下がったと言っても今年の全国平均で「+0.8%」ということですから、正直、「誤差の範囲」と言っていいかもしれません。もちろん下がるとしても同じことですね。
全体の地価のトレンドを理解しておくことは大切ですが、一喜一憂する必要は全くなさそうです。住宅購入においてはそれより、いつもご案内しているように「この家に一生住みたい!」と思える物件に出会うことの方が重要なのでしょうね。
それでは最後に、路線価と言えばコレ、と言えそうな都道府県庁所在地の最高路線価ランキングはこうなっています。
最も高いのは「東京都中央区銀座5丁目銀座中央通り」、通称「鳩居堂」前ですね。31年連続ということで不動と言いますか、逆に32年前はどこだったのか知りたいくらいですが、1平方メートルあたり3,200万円とのことです!
30坪の家を建てるには土地代だけで32億円必要ということですね。もちろん、実際に32億円で売ってくれる人はいませんので安心してください。
しかしこの「鳩居堂」前で注目すべきはその値段ではなく上昇率でしょうね。前年比で+18.7%、つまり2割近く上昇しています!それ以外にも上位には10%〜20%の上昇率が並んでおりまして、地価に関しては全くの素人の記者ですが、賃料などのキャッシュフローがそこまで上昇しているという話は聞きませんので、やはりこれは「バブル」なのでしょうね。
その点からも、この地価上昇の流れは早晩、ターニングポイントを迎えそうです・・・。
なおランキングと聞くと気になるのが「下位」の顔ぶれですがこちらは1平方メートルあたり11万円〜16万円ととても庶民的な数字が並んでおります。
加えて上昇率もほとんどが「マイナスもしくは±0」という状況ですね!「二極化」が指摘されて久しいですが、地価の面でも全くの好対照となっております。
なお好対照と言えば、いつもご案内しているように「戸建て」と「マンション」でもその価格の動きが大きく異なっています。
国土交通省が発表している最新の不動産価格指数はこうなっております。
なるべく安くマイホームを手に入れたい、という方はこうした統計データも参考にしてみてください。
もちろん繰り返しになりますが、マイホーム選びには「この家に一生住みたい!」と思える物件に出会えることが大前提ではあります。
参考になさってください。