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[8月の住宅ローン金利予想]
超長期金利の低下に注目!ただし9月は上昇の可能性も

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2016年7月14日

長期金利はイギリス国民投票の結果や日銀の追加緩和期待から−0.280%に低下


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)




7月も半ばとなりました。最近の住宅ローンに関する話題はと言えば先月もご案内しましたが、長期金利の大幅な低下ですね。6月からもう一段下がり、足元では−0.3%前後という合理的にはちょっと説明がつかないレベルまで低下しています。

そうした金利環境を背景に7月の住宅ローン金利はさらに下がり、当サイトのトラフィックなどから推測すると、住宅ローンへの関心が再び高まっているように感じます。これから住宅ローンを借りようとされている方も、すでに住宅ローンを借りている方も、この千載一遇のチャンスをぜひ確実に活かしていただければと思います。

さて、この金利低下については1ヶ月前に2つの可能性を挙げました。1つ目はイギリスのEU離脱が現実味を帯びてくる中で、投資マネーがより安全な日本の国債に流入していた可能性。そして2つ目は先月開催された日銀の金融政策決定会合でさらなる金融緩和への期待が高まっていた可能性ですね。

その結果は皆さんもよくご存知の通り

・イギリス → EU離脱
・日銀会合 → 金融緩和なし

ということで、金融市場の事前の懸念・期待に対しては「一勝一敗」となりました。だとすると金利は多少上昇しそうなものですが、そうならなかったところを見ると、それだけ「イギリスのEU離脱という投票結果は衝撃的だった」というのは間違いないでしょうね。

直前の予測も、投票直後の世論調査も、「僅差で残留派が勝利」というものでしたので記者もすっかり「残留で決まり」と思っておりました。英国独立党の党首も一旦は「敗北宣言」をしましたしね。

ただそのBrexitショックも新しい首相が決まるなどする中で徐々に消化されつつあるように感じます。実際、ポンドの急落も止まり、アメリカの株価は過去最高値を更新しているようです。

とすると、またまた金利は多少上昇しそうなものですが、やっぱりそうなっていないところを見ると・・・先月と同じですが今月末に開催される日銀の金融政策決定会合で追加緩和が発表されることへの期待が高まっている、ということなのでしょうね。

参議院選挙も終わりアベノミクス2.0が求められておりますし、一方で大幅に円高が進み、物価もマイナス水準=デフレに後退するなど、日銀に対するプレッシャーは徐々に高まっております。そうした状況で追加緩和を予想するのは当然かもしれません。

>>>[速報!2016年7月の消費者物価指数]総合-0.4でデフレ!今後の住宅ローンは?

要するに先月と同様今月も、「Brexit=イギリスのEU離脱」と「追加緩和期待」の2つの要因で市場金利は低いまま、という見立てですね。

ただし。

これまで何度かご案内してきたように、日銀が素直に追加緩和に応じるかというのは微妙です。と言うのも「受け身で緩和を行ってもその効果は限定的」だからですね。やはり十分な効果を挙げようと思えばサプライズが必要ですが、次回の会合で追加緩和を発表してもよほどのことがない限りはサプライズは起こらないと思います。

とすると一旦スルーする可能性は十分あります。

加えて国債の買い取り額を増やす「量的緩和」はそろそろ限界という話も聞きますし、「マイナス金利」もわれわれ住宅ローン利用者を除いては、すこぶる評判が悪い上にその効果も判然としません。

そのように考えるとやはり素直に金融緩和が決まるということはないように感じます。

さらに仮に追加緩和が決まり、マイナス金利が「引き下げ」になったとしても、いきなり−0.1%が−0.3%になる可能性は低いと思います。常識的に考えれば次は「−0.15%」や「−0.20%」なのではないでしょうか。

冒頭、今の長期金利が「合理的にはちょっと説明がつかないレベル」と表現したのもそういった背景があるからですね。

もちろん報道されているように、さらなる円高期待やドル資金に対する金利上乗せの実態など、「Brexit」や「追加緩和期待」以外の力学が働いている可能性もありますが、それでも「追加緩和期待」が相応に今の金利低下に影響しているとすれば、「日銀会合結果への失望」から金利が上昇する可能性は十分あります。

たとえば、−0.3%前後の長期金利が「Brexit前水準」である−0.1%前後まで上昇するような事態ですね。

そうなってくると今後の住宅ローン金利は多少上昇する可能性すら出てきます。7月28日・29日という会合のタイミングを考えれば8月の住宅ローン金利には間に合いませんが、追加緩和が発表されるにせよ、されないにせよ、9月の住宅ローン金利への影響については頭の片隅に入れておいていただければと思います。

要するに今後の住宅ローン金利は日銀の追加緩和の有無次第、というわけですが果たして結果はどうなるでしょうか。

ここで世界の金利をチェックしておくと、まずドイツの金利はこのようになっています。気が付けばこちらもマイナス水準ですね!やはりBrexitショックの影響は大きそうです・・・。



次に世界経済の中心であるアメリカの長期金利はこのように推移しています。



こちらも大きく低下していますね!アメリカは昨年12月に政策金利引き上げ利上げを開始したわけですが、今のところその影響は皆無です。と言うよりむしろ、利上げしてからの方が金利低下傾向が鮮明ですね・・・。

このように世界の金利も低下傾向にあることは日本の住宅ローン金利には良い材料です。

なお、日本の金利は短期的にはともかくとして、中長期的に見ても上昇する機運は全くありません。2%のインフレ目標達成に向けて死にもの狂いの日銀が、タイミングは分かりませんがいつかどこかで次の追加金融緩和策を発表するのは間違いないからですね。

こうした日銀の金融緩和姿勢が睨みをきかせている間は大きく金利上昇することはありえないと言えます。

気になるのはこの「異次元の低金利」がいつまで、どれくらい続くのか、という点ですが、これまでは「次の消費税増税のタイミングである2017年4月までは続く可能性が高い」とご案内してきました。

しかし増税は2年半延期となりましたので「異次元の低金利もまた2019年秋まで続く可能性が高い」ということになります。

プライマリーバランス黒字化」や「GDP600兆円達成」などの政策目標を考慮すれば実際には2020年代半ばまで続くということですかね?もちろん永遠に続く可能性すらあります。

つまり我々が想像する以上に長い間、低金利が継続する可能性があるということですね。参考にしてみてください。

ちなみに2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



マイナス水準にあるわけですから当たり前ですが、長期金利は「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。これまで最も低い時期でも0.5%前後だったわけで、今は「空前の低金利」ということですね。繰り返しになりますが、ぜひこのチャンスを生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

一方で。

あえて注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という当時の過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利はマイナスですからね!仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りマイナス金利政策が実行された上にさらなる金融緩和が予想され、デフレに戻りつつあるように見える現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、いつかは「多少なりとも」上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。

焦る必要は全くありませんが、そうした点からも今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの低金利を上手に活用してもらいたいと思います。

さて2016年8月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックすると・・・一歩早かったのかまだ発表されていませんね!

恐らく明日から週明けにかけて発表されると思いますので気になる方はチェックしてみてください。

次に、これまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆7月14日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : −0.26% → −0.35% (−0.09%低下
・10年 : −0.14% → −0.27% (−0.07%低下
・20年 :  0.22% →  0.04% (−0.18%低下
・30年 :  0.29% →  0.08% (−0.21%低下

・・・盛大に下がっていますね!特に20年もの・30年ものの金利低下が半端ありません。このままいけば来月は「プラス金利消滅」もありえますね・・・「世も末」という気すらしてきます。

もちろん住宅ローンにはありがたい動きではありますが。

そうしたわけでこのままの状態が続くようであれば8月の住宅ローン金利は「−0.1%〜−0.2%程度下がる」可能性が高いと予想します。特に20年固定・30年固定金利がどれだけ下がるか見ものですね!

ただし繰り返しになりますが、今月末の日銀会合の結果次第では、8月はともかくとして9月の住宅ローン金利は多少とも上昇する可能性があります。ご注意ください。

上昇するとしても例えば「+0.1%」と言ったレベルだとは思いますが。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持してきました。

では7月14日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「−0.050%」とこちらもマイナス水準ですね!1ヶ月前の金利は「−0.053%」でしたから、同水準を維持しています。

とするとこれまであまり変動してこなかった住宅ローン変動金利についても「もう少し下がってもいい」ような気がしますが、期待しておきたいと思います。

なお日銀のこうしたゼロ金利政策=短期金利の引き下げ政策もまた、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますから、「相当の長期間」継続されるのは間違いありません。

そしてそのように短期金利の低下がまだまだ続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも繰り返しになりますが、少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、「十分なインフレなど永遠に起こらない」かもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の約8年間全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。

参考になさってください。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

<日本住宅ローンプランニング編集部>

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