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[9月の住宅ローン金利予想]
+0.1%〜0.2%程度上昇 その後は安定・再低下も 

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2016年8月15日

長期金利は日銀の追加緩和策への失望や、次回会合での「総括」への警戒から−0.110%に上昇


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)




8月も半ばとなりました。ちょうどお盆休みということもあってのんびり・・・というわけにはいかなそうですね。まず何といってもオリンピックがあります。日本は怒涛のメダルラッシュで右を見ても左を見ても「○年ぶり」「史上初」ということで息をつく暇もありません。毎日が見どころ満載ですね!テレビが1台では全く足りません。

さらに曲者が12時間という時差で、夜9時ごろから翌昼12時ごろまでの競技時間は「がんばれば見れる」という、なかなか悩ましい状況を作り出しております。記者も完全に寝不足です・・・。

ただ夏のオリンピックだけで考えると、4年に1度のたった2週間の祭典ですからね。頑張る甲斐はあります。日本人選手のさらなる活躍を期待したいと思います。

そのようにオリンピックだけでも気ぜわしいところに国民的アイドルグループの解散のニュースがあり全く落ち着きません。

骨休めできるはずの夏休みもお盆休みが土日と重なり、土曜に帰省ラッシュで日曜にはUターンラッシュでしたからね。日程的にもハードとなっているのではないでしょうか。

そうした状況の元では「住宅ローンなど後回し」というのが多くの住宅ローン利用者の正直な気持ちなのではないかと思いますし、記者も個人的には「どうぞオリンピックが終わってからゆっくりご検討ください」と申し上げたいところではあるのですが、そうは言っていられないのが最近の長期金利の動きですね。

先月までは、何度もご案内してきたように

・Brexitショック
・日銀の追加緩和期待

から長期金利は−0.3%台という、ちょっと合理的には説明がつかないレベルまで低下していました。

しかし前者のBrexitショックについては、イギリスで早々と新首相が決まり、無難な船出となったことから徐々に収まりつつあります。そもそも数年単位の長い交渉ですからね。現段階で金融市場の取引材料から外れていくのは当然かもしれません。

また後者の追加緩和期待については、7月末に発表された緩和策が「ETF購入額倍増」という内容ではあったものの、金利面ではゼロ回答だったことから失望に変わっております。

記者自身は「ゼロ回答もあり得る」と思っておりましたので、むしろ事前の金融市場の期待の高まりに違和感を覚えていたわけですが、結果は思っていた通りの展開になっております。金融市場は本当に懲りません。

加えて新たな金利上昇要因となっているのが、次回の日銀会合で議論される「これまでの緩和策の総括」に対する警戒感ですね。常識的に考えれば日銀は会合ごとに総括しているわけでわざわざ明言するほどのことでもないわけですが、今回わざわざ明言したということで「方針転換のサイン」と捉えられたわけです。

たとえば

・マイナス金利の撤廃
・インフレ目標の縮小・撤廃
・これまでの緩和策の抜本的な見直し

といったことですね。仮にそのような結果となれば金利が大きく上昇するのは間違いなさそうですが、実際にはそれはないと思います。と言うのも、会見で黒田総裁が何度も明言したように、この「総括」は「1日も早く物価目標を達成するため」に行うものだからですね。

それほど効果はなかったにしても、マイナス金利を含む金融緩和を縮小して物価が上昇するはずがありませんからね。その点では今の金融市場の疑心暗鬼は完全に「杞憂」ということではないかと思います。

とは言いつつ、そのような「金利上昇要因」を背景に長期金利は久しぶりに上昇傾向にあります。上記グラフの通りですが、−0.3%前後から−0.1%前後まで、一気に0.2%ほど上昇しているのですね。

ちなみに先月の当欄ではこのようにご案内しました。

・ 日銀会合結果への失望から金利が上昇する可能性は十分あります。たとえば、−0.3%前後の長期金利が「Brexit前水準」である−0.1%前後まで上昇するような事態です。

>>>[8月の住宅ローン金利予想]超長期金利の低下に注目!ただし9月は上昇の可能性も

手前みそで恐縮ですが、今のところ想定内の動きと言えそうです。想定は広めでしたが・・・。

となると気になってくるのが今後の金利動向ですね。今後もどんどん金利上昇が進むようであればオリンピックどころではなくなってくるわけですが、結論から言えば今の「−0.1%前後」という状況から大きく上昇することはないと思います。

と言うのもやはり日銀が設定しているマイナス金利水準である「−0.1%」が効いていますね。これより金利が高くなれば日銀の当座預金に預けるよりは国債を買った方がマシですから「実需」が出てきます。

そうしたわけで当面、長期金利は今の「−0.1%前後」という金利水準を維持するのではないでしょうか。

また、9月の日銀会合の「総括」によって新たな次元の緩和策が出てくれば金利が再度低下する可能性もありますね。

だとすると慌てる必要はないものの、ただそうは言いつつ先月から+0.2%ほど長期金利は上昇しているわけで、その影響は来月=9月の住宅ローン金利に反映されてくるものと思います。要するに9月の住宅ローン金利は相応に上昇する可能性が高いということですね。

その気になる具体的な上昇幅についてはこのコラムの後段で改めて予想してみたいと思います。

ここで世界の金利をチェックしておくと、まずドイツの金利はこのようになっています。気が付けばこちらもマイナス水準ですね!



次に世界経済の中心であるアメリカの長期金利はこのように推移しています。



こちらも大きく低下していますね!アメリカは昨年12月に政策金利引き上げ利上げを開始したわけですが、今のところその影響は皆無です。と言うよりむしろ、利上げしてからの方が金利低下傾向が鮮明ですね・・・何とも皮肉な状態です。

このように世界の金利も低下傾向にあることは日本の住宅ローン金利にとっても良い材料となってきます。

なお、日本の金利は短期的にはともかくとして、中長期的に見ると本格的に上昇する機運は全くありません。2%のインフレ目標達成に向けて必死の日銀が、今の金融緩和策を後退することはあり得ないからですね。

こうした日銀の金融緩和姿勢が睨みをきかせている間は大きく金利上昇することもまた、あり得ないということです。

気になるのはこの「異次元の低金利」がいつまで、どれくらい続くのか、という点ですが、これまでは「次の消費税増税のタイミングである2017年4月までは続く可能性が高い」とご案内してきました。

しかし増税は2年半延期となりましたので「異次元の低金利もまた2019年秋まで続く可能性が高い」ということになります。

プライマリーバランス黒字化」や「GDP600兆円達成」などの政策目標を考慮すれば実際には2020年代半ばまで続くということですかね?もちろん永遠に続く可能性すらあります。

つまり我々が想像する以上に長い間、低金利が継続する可能性があるということですね。参考にしてみてください。

ちなみに2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



マイナス水準にあるわけですから当たり前ですが、長期金利は「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。これまで最も低い時期でも0.5%前後だったわけで、今は「空前の低金利」ということですね。繰り返しになりますが、ぜひこのチャンスを生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

一方で。

あえて注意点を挙げるとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という当時の過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。今の長期金利はマイナスですからね!仮にそうなれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがこれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りマイナス金利政策が実行された上にさらなる金融緩和が実施され、デフレに戻りつつあるように見える現状では金利が極めて上がりにくいこと自体は変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、いつかは「多少なりとも」上昇する運命にあります。それが「かなり先」だとしてもです。

焦る必要は全くありませんが、そうした点からも今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会であることは間違いありません。多少の金利変動に左右されることなく、ぜひこの低金利を上手に活用してもらいたいと思います。

さて2016年9月の住宅ローン金利を占う上で、いつものように早めに来月の金利を発表しているソニー銀行の住宅ローン金利をチェックすると・・・今月も一歩早かったのかまだ発表されていませんね!

恐らく明日には発表されると思いますので気になる方はチェックしてみてください。

次に、これまたいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆8月15日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : −0.35% → −0.22% (+0.13%上昇
・10年 : −0.27% → −0.08% (+0.19%上昇
・20年 :  0.04% →  0.27% (+0.23%上昇
・30年 :  0.08% →  0.37% (+0.29%上昇

やはり全体的に大きく上昇していますね。上記の通り、7月末発表の追加緩和策への失望の大きさが分かります。言い換えれば「期待が大きすぎた」ということでしょうけれど。

そうしたわけでこのままの状態が続くようであれば9月の住宅ローン金利は「+0.1%〜+0.2%程度上がる」可能性が高いと予想します。たかが+0.2%ですが、されど+0.2%ですね。ご留意ください。

ただし繰り返しになりますが、当面はそれ以上上昇することはないと思いますのでご安心ください。また、9月の日銀会合の結果次第では再低下する可能性があるのも申し上げた通りです。

また9月と言えば「期末」であり、住宅ローンについても一定の需要増加があるとすれば、あえて戦略的に「金利を据え置き」とする銀行も出てくるかもしれません。その点は期待したいところです。

そうした銀行もさすがに10月は引き上げてくるかもしれませんが。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持してきました。

では8月15日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「−0.041%」とこちらもマイナス水準ですね!1ヶ月前の金利は「−0.050%」でしたから、ほぼ同水準を維持しています。

従って来月、住宅ローン金利が上昇するとしてもそれは「変動金利タイプ以外」ということですね。

加えて日銀のこうしたゼロ金利政策=短期金利の引き下げ政策もまた、日銀自身が明言しているように十分なインフレ状態となるまで続けられますから、「相当の長期間」継続されるのは間違いありません。

そしてそのように短期金利の低下がまだまだ続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも繰り返しになりますが、少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、「十分なインフレなど永遠に起こらない」かもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の約8年間全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということですね。

参考になさってください。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

<日本住宅ローンプランニング編集部>

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