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1ヶ月前までは日銀の追加金融緩和への期待から−0.3%前後まで低下した長期金利ですが、7月末に発表された緩和の内容が金利面では期待外れに終わったことや、9月の金融政策決定会合時に実施される「これまでの総括」への警戒感から、−0.1%前後まで上昇しています。
そうした影響を受けて残念ながら9月の住宅ローン金利は多少なりとも上昇することになりそうです。
となると今後の金利動向が気になるところですが、そもそもこれまでの長期金利の下落が極端すぎたことに加え、日銀の設定するマイナス金利が−0.1%である以上、そこから大きく上昇することは考えにくいです。
実際上記グラフを見ても金利上昇は−0.1%前後でピタっと止まっていることが分かります。上がるにしても下がるにしても今の長期金利の「基準点」は−0.1%だということですね。
また、先日発表された2016年4−6月期のGDPを見てみると、ぎりぎり前年比プラスを維持したわけですが、その原動力となったのは民間の住宅投資であり、その原動力となったのはマイナス金利と思われます。
景気浮揚や物価上昇にあまり効果がないと思われていたマイナス金利ですが、「実は効果があった」ということであれば、9月の「総括」にて「マイナス金利は効果があるのでさらに強化しよう」と判断される可能性は十分あります。
そうなればもちろん、金利は再び低下することになりますね。9月の住宅ローン金利は仕方ないとして10月以降は再び金利が低下していくことを期待したいと思います。
いずれにしても9月の金融政策決定会合の結論に注目ですね。
さてすでにその9月の住宅ローン金利の全体的な予測については以下の通りご案内しております。
>>>[2016年9月の住宅ローン金利予想]+0.1%〜0.2%程度上昇 その後は安定・再低下も
予想としては「9月の住宅ローン金利は+0.1%〜+0.2%程度上がる可能性が高い」としました。
ただし9月の日銀会合の結果次第では10月以降の住宅ローン金利が再低下する可能性があるのは申し上げた通りです。
一方で。
本題の9月のフラット35住宅ローン金利を予測するのはずっと簡単です。
と言うのも、フラット35金利のベースとなる住宅金融支援機構の「機構債」の条件がすでに発表されているからですね!したがってここから市場金利が上昇しようが下落しようが、少なくとも9月のフラット35金利はほぼ確定です。
と言うわけでその「機構債」金利から、9月のフラット35住宅ローンの金利を予想してみたいと思います。
ちなみにフラット35住宅ローンの金利は概ね以下のような金利の積み上げで決定されているようです。
1.ベース金利=機構債金利
+
2.住宅金融支援機構のフラット35事業運営コスト
+
3.販売金融機関のマージン
残念ながら上記2や3の詳細な内訳は分かりませんが、しかしこれらがほとんど変動しないとすれば、上記1、つまり機構債の条件の変化がそのまま出来上がりのフラット35金利の変化となります。
では具体的に今月発行の機構債の条件はと言うと、前月7月と比較してこのように変化しています。
◆前月と今月の住宅金融支援機構債の発行条件
・0.19% → 0.33% (+0.14%上昇)
今月はいきなり+0.14%も上昇したということですね!やはりしっかり上昇しています。
フラット35の金利としては最低水準にある楽天銀行をベースにするとこのように変化することになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(単純計算)
・フラット20金利 : 0.83% → 0.97% (+0.14%上昇)
・フラット35金利 : 0.90% → 1.04% (+0.14%上昇)
フラット35の金利は1%超になる、ということですね。
とは言いつつ毎回、微妙に予測を外しておりますのでもう少し精度を高めるべく、過去6ヶ月の機構債の金利変動と、楽天銀行のフラット20、フラット35の金利変動をチェックするとこうなっています。
・2016年2月の機構債金利変動 : 0.79%→0.54%(−0.25%低下)
3月のフラット20金利 : 1.21% → 1.02% (−0.19%低下)
3月のフラット35金利 : 1.48% → 1.25% (−0.23%低下)
・2016年3月の機構債金利変動 : 0.54%→0.48%(−0.06%低下)
4月のフラット20金利 : 1.02% → 1.02% (変わらず)
4月のフラット35金利 : 1.25% → 1.19% (−0.06%低下)
・2016年4月の機構債金利変動 : 0.48%→0.34%(−0.14%低下)
5月のフラット20金利 : 1.02% → 0.96% (−0.06%低下)
5月のフラット35金利 : 1.19% → 1.08% (−0.11%低下)
・2016年5月の機構債金利変動 : 0.34%→0.36%(+0.02%上昇)
6月のフラット20金利 : 0.96% → 0.99% (+0.03%上昇)
6月のフラット35金利 : 1.08% → 1.10% (+0.02%上昇)
・2016年6月の機構債金利変動 : 0.36%→0.23%(−0.13%低下)
7月のフラット20金利 : 0.99% → 0.85% (−0.14%低下)
7月のフラット35金利 : 1.10% → 0.93% (−0.17%低下)
・2016年7月の機構債金利変動 : 0.23%→0.19%(−0.04%低下)
8月のフラット20金利 : 0.85% → 0.83% (−0.02%低下)
8月のフラット35金利 : 0.93% → 0.90% (−0.03%低下)
こうしてみると、多少のイレギュラーはあるものの、全体的には概ね連動しているということですね。
ただそうした中でもフラット35は機構債の金利変動に概ね追随する一方、フラット20はそれに比べて多少マイルドになる、ということのようですので、当サイトの9月のフラット35金利予測は最終的にこう結論づけたいと思います。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論)
・フラット20金利 : 0.83% → 0.95% (+0.12%上昇)
・フラット35金利 : 0.90% → 1.04% (+0.14%上昇)
金利が上昇することを喜ぶわけではありませんが、予想と近しい結果になることを期待したいと思います。
いずれにしても9月のフラット住宅ローン金利が上昇するのは間違いない、ということですね。住宅ローン人気も一服ということになりそうです。
なおこの予測に楽天銀行の金利を利用しているのは、楽天銀行のフラット35は、金利+手数料のトータルコストが最低水準だからですが、それでもこれはあくまで「表面金利」であり、取扱い手数料や、団体信用保険のコストなどを加味すると「実質金利」は概ねこのようになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論:実質金利)
・フラット20金利 : 1.27% → 1.39% (+0.12%上昇)
・フラット35金利 : 1.34% → 1.48% (+0.14%上昇)
表面金利からすれば魅力は低下してしまいますが、それでも「全期間固定金利」という点を踏まえれば、かなり魅力的と言えます。
ただし上記金利はあくまで「予測」ですので、実際の金利は来月1日以降に正式発表されてからご確認いただければと思います。
>>>フラット35の最新金利について詳しくはこちら
ちなみにこのフラット35、フラット20、そして機構債の金利推移をグラフにするとこのような感じになります。
過去5年間の平均値を見る限り、フラット35・フラット20の金利変動と、機構債の金利変動にやはり差はほぼありません。つまり連動してきたということですね。
と言うことはやはり9月のフラット35住宅ローン金利が上昇するのは間違いなさそうです。
上記の通り10月の住宅ローン金利再低下に期待しましょう。
参考になさってください。
みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。
<日本住宅ローンプランニング編集部>