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ちょっと取り上げるタイミングが遅くなってしまいましたが、国土交通省が2016年7月時点での基準地価を発表していますね。概要としてはこのようになっています。
商業地については全国平均がついに+0.005%とプラスになったのですね!実に9年ぶりの上昇ということになります。9年前と言えば2007年ですから、「ミニバブル期」とも言えますし、「リーマンショック前夜」とも言えます。
いずれにしても商業地の地価については、リーマンショック後の長い長いトンネルからついに抜け出したわけですね。すばらしい。
他方で我々の生活と密接に関係してくる「住宅地」はと言えば、昨年の−1.0%から−0.8%と確かに下落ペースは縮小しつつあるものの、それでもマイナスであるのは変わりありませんし、単純計算で言えば下落が止まるのにあと4年程度かかることになります。
今の経済好調な状態があと4年間続くかと言えばそれはないでしょうから、残念ながら住宅地の全国平均がプラスに転じるのはかなり先となる気がするのですがいかがでしょうか。
なお住宅地の内訳は概ねこのようになっています。
・三大都市圏 : +0.4%
・地方圏 : −1.2%
・地方圏中核4市 : +2.5%
つまり今は、東京・名古屋・大阪の3大都市圏ではなく、地方中核4市=札幌・仙台・広島・福岡が熱い、ということですね。
物価上昇が地方都市に広がっているのだとするとバブルの最終盤という気がどうしてもするのですが・・・実際、そういう側面はあるのでしょう。特に投機的な不動産投資を検討されている方は十分ご注意ください。
そうしたわけで、ついつい記者は「今の地価上昇もそろそろお終いかな?」という弱気目線でデータを見てしまいますので、そうした兆候には過敏に反応してしまうわけですが、しかし数字は数字であって、それ以上でもそれ以下でもありません。フラットな目線で数字をチェックしていきたいと思いますが、まず全国の基準地価の変動率を昨年と比較するとこうなります。
・ 北 海 道 : -1.9 → -1.7
・ 青 森 : -2.8 → -2.0
・ 岩 手 : -0.9 → -1.1
・ 宮 城 : 0.6 → 0.6
・ 秋 田 : -4.0 → -3.4
・ 山 形 : -1.3 → -1.0
・ 福 島 : 2.0 → 1.5
・ 茨 城 : -1.3 → -1.1
・ 栃 木 : -1.6 → -1.2
・ 群 馬 : -1.4 → -1.0
・ 埼 玉 : -0.2 → -0.1
・ 千 葉 : 0.0 → 0.0
・ 東 京 : 1.3 → 1.5
・ 神 奈 川 : 0.1 → -0.2
・ 新 潟 : -1.8 → -1.7
・ 富 山 : -0.5 → -0.5
・ 石 川 : -1.1 → -0.9
・ 福 井 : -2.0 → -1.9
・ 山 梨 : -2.7 → -2.3
・ 長 野 : -1.7 → -1.3
・ 岐 阜 : -1.4 → -1.4
・ 静 岡 : -1.2 → -1.1
・ 愛 知 : 0.7 → 0.4
・ 三 重 : -2.3 → -2.4
・ 滋 賀 : -0.5 → -0.6
・ 京 都 : -0.4 → -0.4
・ 大 阪 : 0.0 → 0.0
・ 兵 庫 : -0.9 → -1.0
・ 奈 良 : -0.7 → -0.7
・ 和 歌 山 : -2.3 → -2.0
・ 鳥 取 : -2.7 → -2.0
・ 島 根 : -2.0 → -1.8
・ 岡 山 : -1.4 → -1.4
・ 広 島 : -1.7 → -0.8
・ 山 口 : -2.5 → -1.9
・ 徳 島 : -1.9 → -1.5
・ 香 川 : -1.9 → -1.2
・ 愛 媛 : -3.0 → -2.9
・ 高 知 : -1.5 → -1.1
・ 福 岡 : -0.5 → 0.0
・ 佐 賀 : -2.2 → -1.7
・ 長 崎 : -2.2 → -1.9
・ 熊 本 : -0.8 → -1.1
・ 大 分 : -1.4 → -1.1
・ 宮 崎 : -1.2 → -0.9
・ 鹿 児 島 : -2.7 → -2.4
・ 沖 縄 : 0.7 → 1.9
赤字が昨年より「下落幅が拡大」したか、もしくは「上昇率が縮小」した都道府県です。つまりターニングポイントを迎えつつあるかもしれない都道府県ですね。
青字は昨年と「変動率が変わらず」ということで、こちらも足踏みの兆しがでている都道府県です。
こうしてみると、確かに一足早く地価が上向いた東京・大阪・名古屋の三大都市圏や、震災エリアにて風向きが変わりつつあるような印象を受けます。神奈川県などは地価が下落に転じているわけですからね!驚きです。
もちろん上記の通り記者の目線は相当バイアスがかかっておりますので、もっと素直に上昇している都道府県を注目すべきなのかもしれませんが・・・やはり気になってしまいます。
なお、今年の上昇率を参考に、来年=2017年の基準地価の動向を予測するとこういうことになります。
・ 北 海 道 : -1.7 → -1.5
・ 青 森 : -2.0 → -1.2
・ 岩 手 : -1.1 → -1.3
・ 宮 城 : 0.6 → 0.6
・ 秋 田 : -3.4 → -2.8
・ 山 形 : -1.0 → -0.7
・ 福 島 : 1.5 → 1.0
・ 茨 城 : -1.1 → -0.9
・ 栃 木 : -1.2 → -0.8
・ 群 馬 : -1.0 → -0.6
・ 埼 玉 : -0.1 → 0.0
・ 千 葉 : 0.0 → 0.0
・ 東 京 : 1.5 → 1.7
・ 神 奈 川 : -0.2 → -0.5
・ 新 潟 : -1.7 → -1.6
・ 富 山 : -0.5 → -0.5
・ 石 川 : -0.9 → -0.7
・ 福 井 : -1.9 → -1.8
・ 山 梨 : -2.3 → -1.9
・ 長 野 : -1.3 → -0.9
・ 岐 阜 : -1.4 → -1.4
・ 静 岡 : -1.1 → -1.0
・ 愛 知 : 0.4 → 0.1
・ 三 重 : -2.4 → -2.5
・ 滋 賀 : -0.6 → -0.7
・ 京 都 : -0.4 → -0.4
・ 大 阪 : 0.0 → 0.0
・ 兵 庫 : -1.0 → -1.1
・ 奈 良 : -0.7 → -0.7
・ 和 歌 山 : -2.0 → -1.7
・ 鳥 取 : -2.0 → -1.3
・ 島 根 : -1.8 → -1.6
・ 岡 山 : -1.4 → -1.4
・ 広 島 : -0.8 → 0.1
・ 山 口 : -1.9 → -1.3
・ 徳 島 : -1.5 → -1.1
・ 香 川 : -1.2 → -0.5
・ 愛 媛 : -2.9 → -2.8
・ 高 知 : -1.1 → -0.7
・ 福 岡 : 0.0 → 0.5
・ 佐 賀 : -1.7 → -1.2
・ 長 崎 : -1.9 → -1.6
・ 熊 本 : -1.1 → -1.4
・ 大 分 : -1.1 → -0.8
・ 宮 崎 : -0.9 → -0.6
・ 鹿 児 島 : -2.4 → -2.1
・ 沖 縄 : 1.9 → 3.1
それでも埼玉や広島はプラスになる計算です。もちろん単純計算ですので信憑性はそれほど高くはありませんが・・・。
果たしてこれまで回復基調にあった地価がいよいよ失速していくのか注目ですね。
もちろんこれから住宅購入を検討されている方にとってはむしろ「下がってほしい」ということだとは思いますが。
なお、いつもご案内している国土交通省が毎月発表している2016年6月時点の住宅価格指数はこのようになっています。
相変わらずマンション価格が勢いよく上昇していることが分かります。高値警戒感から新築マンションについては供給も販売もスローダウンしている状態ですが、それでも価格だけは上昇していく、というのは一体どういうわけなんですかねぇ。
いずれにしてもマンション価格については短期間で3割も上昇しているわけですから、同じく3割程度下落する可能性は十分ある、ということです。
脅かすつもりは全くありませんが、しかしこのまま右肩上がりでどんどん上昇していくとはとても思えません。戸建て住宅や宅地の価格が安定しているので尚更、違和感を感じてしまいます。
マイホーム購入についてはライフイベント上の必要性もあるでしょうから、それほど長く購入を遅らすことはできないでしょうし、何も2倍や3倍になっているわけではなく「+3割」ですから、バブルと言うほどの破壊力はなさそうですが、現状をよく理解した上で冷静にマンション購入の是非をご検討いただければと思います。
当サイトとしても懸念される住宅価格の変調については十分注意していきたいと思います。
参考になさってください。