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マンション価格の高騰に伴い住宅市場に逆風が吹いているのは間違いありません。いつもご案内している住宅価格指数はこのようになっています。
マンション価格はアベノミクス開始以降、劇的に上昇しているわけですが、こうした価格上昇を背景にマンションの供給量が減っているにも関わらず契約率も下がっているようですので、需要・供給の両面で逆回転が起こっていることになります。
もちろん価格が上昇して需要が伸び続けるなら「バブル」ということですから喜ばしいことではなく、むしろ価格に合わせて需要が後退する動きの方が「あるべき姿」と言えるのでしょうけれど、ただこれからマンションを購入しようとされている方には悩ましい状況ですね。
では実際にマンション購入を検討されている方の心境はどのようになっているかと言うと、スタイルアクト社が発表した「第35回マンション購入意識調査」では、「現在のマンション価格への意識」についてこのような回答となっています。
3ヶ月に1回実施されているこちらの調査ですが、確かに「購入を諦めるほど高い」と回答されている方の割合は徐々に増えているものの、一方で「購入をためらうほど高い」を加えた「青色」の部分はやや足踏みしているように見えますね。
マンション価格の高騰を踏まえるとやや違和感のある回答結果と言えそうです。
また、回答者のマンションの「買い時感」はこのように推移しています。
こちらは意外なことに6ヶ月前の32回目の調査を底に明らかに上昇していますね!「買い時である」という回答は徐々に減少しているものの、「やや買い時である」がそれをカバーしていることになります。
「買い時ではない」は逆に減少していますしね。
このようにこちらはもっと違和感のある回答結果なわけですが、その理由の1つがこの調査は「直近3か月間に新築マンションの販売センターに行った経験がある方のみを対象
」としているからですね。
そもそも今が「買い時ではない」と思っている方はなかなか販売センターに行かないわけで、最初からネガティブな意見が出にくい調査だと言えます。
そうしたわけで一般消費者全体に対する調査結果が知りたくなってくるわけですが、ちょうどよいタイミングでリクルートがアンケート調査をしています。こちらは一般消費者5万6千人を対象にしているわけですが、その「買い時感」はこのようになっています。
こちらは上記スタイルアクト社の調査とは対照的に低下していますね。
ただ確かに低下しているものの絶対水準で見てみると足元の17.4という指数は過去3年の中ではむしろ高いくらいです!
奇しくも2つの調査結果が、「消費者は意外とマンション&住宅購入に弱気ではない」という状況を浮かび上がらせているわけですが、だとするとその理由を知りたいところですね。
そのヒントとなりそうなアンケート結果についてもリクルートが発表しています。「今は住宅を買うタイミングだと感じている理由」について以下のような回答となっています。
様々な理由の推移が分かるわけですが、3月の調査から大きく跳ね上がっているものが2つあります。以下2つですね。
・お金が借りやすいから : 26.1%
・金利が下がりそうだから : 24.8%
後者の「金利が下がりそうだから」という回答はすでにピークアウトしたようですが、前者の「お金が借りやすいから」という回答は引き続き消費者心理に強い影響力を与えていることが分かります。
お金が借りやすいにはおそらく「金利が低いこと」と「審査条件が易しくなっていること」の2つの意味が込められているのではないかと思いますが、当面しばらく住宅ローンの低金利は続くでしょうから、マンション価格の高騰にも関わらずその需要は底堅く推移していく・・・のかもしれませんね。
記者自身はマンション価格についてそこまで強気ではありませんが。
なおこの結果で興味深いのは、消費税増税が2019年秋まで延期されたにも関わらず、引き続き「消費税の引き上げ」が「買い時感」の首位を維持している点です。
2年後というと随分先のような気がしますが、それでも強く意識されているとすれば・・・これまたずっと住宅市場を刺激し続けるのかもしれません。
とすると思っていた以上にマンション価格が高値を維持する可能性があります。やはり、なかなか悩ましいですね!
これから住宅購入を検討されている方、特にマンションを検討されている方はこうした価格の推移や需要の変化を考慮に入れながら、より良い購入タイミングを図っていただければと思います。
少なくとも価格上昇を続けるマンションに決め打ちするのではなく、可能であれば戸建てについても検討した方がよさそうですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>