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これから住宅ローンを借りようとされている方にとってもすでに住宅ローンを借りている方にとっても、まわりがどれくらい住宅ローンを借りているかというのは気になるところですね。
それを知ることのできるデータが総務省が発表する「家計調査報告」ですが、その最新データである2016年平均結果が速報されていますので早速チェックしたいと思います。
まずそもそも年代別の負債保有世帯の割合ですが、2人以上の世帯では前年と比較してこのようになっています。
・平均 : 38.1%→37.3%
・40歳未満 : 52.6%→57.7%
・40〜49歳 : 64.6%→62.8%
・50〜59歳 : 54.6%→52.9%
・60〜69歳 : 27.1%→27.1%
・70歳以上 : 12.4%→11.2%
全体としては4割程度ですが、住宅ローン適齢期である40歳前後では6割程度となっており、過半の世帯では住宅ローンのお世話になっていることが分かります。
なお持ち家率は2人以上の世帯でこうなっています。
・平均 : 84.9%
・30歳未満 : 30.0%
・30〜39歳 : 59.9%
・40〜49歳 : 76.6%
・50〜59歳 : 86.8%
・60〜69歳 : 93.3%
・70歳以上 : 94.8%
なぜか「40歳未満」というくくりがなく、A型としては多少の苛立ちを感じなくもないですが、それはともかく何と平均ですら8割を超えているほか、50歳以上では約9割ということで・・・「持ち家神話」は健在ですね!世帯主にとってはそれなりのプレッシャーとなりそうです。
個人的には「あえて賃貸」という合理的な考え方も嫌いではありませんが、賃貸に多少の不確実性があるとすれば、絶対的な安心感を求めての「持ち家」という選択ももちろん理解できます。
ちなみに上記2つのデータを比較すると、負債保有比率の最大値は6割程度である一方、最終的な持ち家比率は約95%に達しており、3割程度の世帯は住宅ローンのお世話にならずにマイホームを手に入れていることが分かります。
もちろんローンを借りなくてすむならそれに越したことはありません。現実問題としてはなかなか難しいとは思いますが・・・。
さて最初の負債保有世帯の割合のデータに戻ると、全体としては高水準ではあるものの、ただ前年と比較すると微妙に減っていることが分かります。低金利に伴う住宅ローンブームはずっと続いていますし、これまで住宅市場を支えてきた「団塊ジュニア」世代も40代半ばとなり、これからは新たに借りるよりも返済を進める動きがメインになってきます。
実際、平均値も含めほとんどの世帯で負債保有比率は減っていますね・・・「40歳未満」を除いては。そう、そうした中、「40歳未満」は前年の52.6%から57.7%へ大きく増加しています!
今後、住宅ローン市場は人口の年齢カーブによって否応なく縮小してくると思いますが、もし「マイホーム取得&住宅ローン借り入れの若年化」が進んでいくのであればそれなりに縮小スピードが緩和されそうですね。もちろん金融業界にとっても「最後のフロンティア」になるわけですから競争が過熱するのでしょうか。
と言うか既に統計に現れているということは、もしかするとそうした「若年層の取り合い」がすでに過熱しているのかもしれませんが、こうした動きが今後も続くのかどうか注目です。
そうなると賃貸住宅の借り手が減るわけで、今の「賃貸住宅ブーム」は大きな禍根を残すことになりそうですね。結局オーナーだけでなく金融業界も困るわけですから笑えませんが・・・。
次に 「負債を保有している2人以上の世帯」で具体的な負債残高をチェックしてみるとこうなっています。こちらも前年と比較してみましょう。
・平均 : 1,310万円→1,357万円
・40歳未満 : 1,796万円→1,898万円
・40〜49歳 : 1,653万円→1,669万円
・50〜59歳 : 1,181万円→1,116万円
・60歳以上 : 708万円→810万円
今度はなぜか「60〜69歳」と「70歳以上」の2つの階層が「60歳以上」にまとめられており、これまたイラっとしてしまいますが、それはともかくこの中で目立つのは「40歳未満」と「60歳以上」の残高の増加ですね。
特に「40歳未満」については、負債保有比率も負債残高も増加しているわけで、やはり住宅ローン業界からすれば「有望なマーケット」ということになりそうです。これからは携帯電話のように「学割」ならぬ「若年割」のような住宅ローン優遇が出てくるかもしれませんね。それならそれで面白そうですけれど。
なお前年と比較しても「40歳未満」の負債残高の増加は顕著ですが、念のため10年前の2007年の残高と比較すると増加率はこのようになります。
・平均 : 1,242万円→1,357万円 = +9.3%
・40歳未満 : 1,459万円→1,898万円 = +30.0%
・40〜49歳 : 1,539万円→1,669万円 = +8.4%
・50〜59歳 : 1,132万円→1,116万円 = −1.4%
・60歳以上 : 786万円→810万円 = +3.1%
金利低下を背景にしてか全体としても負債残高は9.3%増加していますが、しかし何より「40歳未満」の+30.0%増というのはすごいですね!やはり住宅ローンの若年化が進んでいるのでしょう。
あるいは、住宅ローンの審査基準が緩くなっている面もあるのかもしれません。つまり、「より若い人に対して、より多くの住宅ローンをOKするようになってきた」可能性があるわけですね。
必ずしも若いうちの住宅ローンが良いとは思いませんし、少なくとも子供の数などがおおよそ確定してからの方が良いと思いますので、「住宅ローン適齢期」というのは金融機関の思惑にかかわらずおのずと定まってくるような気もしますが、住宅ローン利用者にとって自由度が増しているということなのであれば歓迎して良いのでしょう。
20代・30代での住宅ローン利用を検討されている方は参考になさってください。
もちろん、無理・無謀な借り入れが禁物であることは年齢に限らず当然です。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>