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[2017年10月の住宅ローン金利予想]
2ヶ月連続の金利低下は微妙な状態に

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2017年9月14日

長期金利は一時のマイナス金利からプラス金利に回復し0.03%


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)




9月も半ばですね。東京はここに来て暑い日差しが戻ってきております。

今更という感じですし個人的には涼しい方がよいですが、天候不順によって8月の書き入れ時を逃した海やプール、屋外レジャー施設の関係者の方からすれば腹立たしいのではないかと思います。農作物の出来も悪いでしょうしね。お察しいたします・・・。

しかし最近は暑すぎたり寒すぎたり、早すぎたり遅すぎたり、多すぎたり少なすぎたりと異常気象が普通になってきている気がします。温暖化の影響でしょうね。なぜ地球温暖化を疑う人がいるのか不思議です。

さて本題に入りまして、来月=10月の住宅ローン金利について予測していきたいと思います。

まずいつものようにこれまでの金利の推移を振り返ると、何と言っても衝撃的だったのが昨年1月末に発表された「マイナス金利政策」です。金利がマイナスになるというのは想定外でしたが結果的に住宅ローン金利も劇的に低下しました。

また2016年半ばには「Brexit」の影響などもあり、市場金利も住宅ローン金利も史上最低水準まで低下しました。終値ベースの長期金利の史上最低値は2016年7月27日の−0.297%だったようです。

しかし。

その後の長期金利は残念ながら回復傾向にあります。2016年7月末に発表された追加緩和策が期待外れだったことをキッカケに上昇を始め、9月に発表された新たな金融緩和の枠組み=「金利操作付き金融緩和」によって「−0.0X%」台まで上昇し、さらに11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利してからは「トランプラリー」の影響で「0.0X%」台となっています。

住宅ローン利用者からすれば誠に残念な動きであり、今後のさらなる金利上昇に対する不安が募るわけですが、ただ長期金利が今の水準以上に上昇するかと言うとそれはなさそうです。と言うのも上記、日銀による「金利操作付き金融緩和=イールドカーブコントロール」で長期金利は「0%前後」に操作されることになっているからですね。

今のところその「0%前後」とは「−0.1%〜0.1%の間」と解釈されておりまして、だとすれば足元の長期金利の水準=0.03%はまさにそのレンジ内のということになります。

2月上旬には一時0.15%に、そして7月上旬にも一時0.10%とその「上限」に達しましたが、すかさず日銀が指値オペをしたことから再びレンジ内に戻っております。長期金利のグラフに−0.1%と0.1%の線を足してやれば、今のところ日銀の思惑通り長期金利がコントロールされていることが分かります。



こうした状況が続く限り住宅ローン金利は「大きく上がることも大きく下がることもない」ということですね。住宅ローン利用者としても今後の市場金利、そして長期金利の変動にあまり過剰反応する必要はなさそうです。

実際、日本の長期金利は先月のこの時期が0.06%で、本日が上記の通り0.03%ですから低下したとは言え「小動き」にとどまっています。

なお日本の金利は中長期的に見ても「本格的に」金利が上昇する機運は全くありません。新たな金融緩和の枠組みによって長期金利の水準自体がコントロールされていることに加え、2%のインフレ目標達成に向けて努力している日銀が、インフレ率が低迷している今金融緩和策を終了させることはあり得ないからですね。

もしかすると来年の日銀黒田総裁の交替のタイミングで、このインフレ目標が多少現実的なものに修正される可能性はゼロではありませんが、しかしそれでも金融緩和の縮小・終了ということにはならないでしょうから、過度に心配する必要はないと思います。

気になるのはこの「金融緩和策」がいつまでどれくらい続くのかという点ですが、消費税増税が2年半延期となりましたので「異次元の低金利もまた2019年秋まで続く可能性が高い」ということになります。

プライマリーバランス黒字化」や「GDP600兆円達成」などの政策目標を考慮すれば実際には2020年代半ばまで続くということですかね?もちろん永遠に続く可能性すらあります。

報道によれば今年の「骨太の方針」から「19年10月の消費税増税の記述が消えた」らしいですしね・・・。

つまり我々が想像する以上に長い間、低金利が継続するかもしれないということです。金利上昇リスクを全く考えなくて良いということではありませんが、現状の低金利が維持される可能性の方がはるかに高いわけで、「金利が上昇した場合」の試算は当然必要だとしても、「金利が上昇しなかった場合」の試算も併せて行っておいた方が良さそうです。


[2017年10月の住宅ローン金利予想]

毎度前置きが長くなって恐縮ですが、大まかな金利の動きや背景を踏まえた上で、ここから来月=2017年10月の住宅ローン金利を具体的に予想していきたいと思います。

まず金利環境としては上記の通り、日銀の「金利操作付き金融緩和」によって長期金利はおおよそ「−0.1%〜0.1%」のレンジ内で推移しておりますので、住宅ローン金利もまた最大0.2%の幅の中で動いていくと考えられます。だとすると繰り返しになりますが、来月の住宅ローン金利は基本的に「大きく下がることも大きく上がることもない」ということですね。

その上で、もう少し細かく過去3ヶ月の長期金利の推移をみるとこうなっています。



8月末に向けて長期金利は久しぶりに順調に低下し一時10ヶ月ぶりにマイナス水準まで低下しました。

9月の住宅ローン金利は8月の下旬には決定していたのだとすれば、こうした金利低下の動きは9月の金利に十分に反映されてはいない可能性が高く、とすれば9月に続き来月=10月の住宅ローン金利も固定金利については全面的に低下する、と期待したいわけですが・・・ただ悩ましいのが今週に入って長期金利はジワジワ上昇している点です。

こうした傾向が続けば来月の住宅ローン金利低下期待は後退しそうです・・・。

そのように金利がここ数日上昇傾向にある理由は恐らく「北朝鮮問題」と「アメリカの金利動向」ではないかと思います。

まず前者の北朝鮮問題については、安保理にて全会一致で新たな制裁決議が可決された一方、それに対する北朝鮮の新たな挑発はなく、ひとまず金融市場の緊張は和らぎつつあるのではないかと思います。

本当に北朝鮮が制裁決議に懲りて挑発をやめたということであれば喜ばしいことですが、ただ常識的に(という表現が適切かどうかは分かりませんが)考えれば、やはり新たな挑発が起こされるのではないでしょうか?とすると長期金利が再びマイナス水準まで低下する可能性は大いにありそうです。

他方、ここ最近は日本の長期金利との連動性が際立つアメリカの長期金利は過去3ヶ月でこのように推移しています。



こちらは足元でよりハッキリと上昇していますね!もちろんこの金利の動きにも日本の長期金利と同様に北朝鮮問題が絡んでいるのかもしれませんが、それ以外の要因で上昇しているのであればもうしばらくこのトレンドが続く可能性があります。

少なくとも超大型ハリケーンの被害が想定ほどでもなかったという点は金利上昇要因になっていそうですし、停滞していた税制改革の話が進むようであればアメリカの金利はさらに上昇するでしょう。利上げ観測や金融引き締め観測も再び強まっているようですしね。

上記の通り日本の長期金利は先月のこの時期が0.06%で本日が0.03%ですから、微妙に低下しており、その点では「−0.03%+α」と言った細かな住宅ローン金利の下落はあり得ると言えるわけですが、このまま日米の金利上昇傾向が続けばそうした金利低下余地はあっさり無くなることになります。

加えて繰り返しになりますが、「北朝鮮が新たな挑発をするのかどうか」という点も間接的に来月の住宅ローン金利に影響を与えます。個人的には「あるのではないか」と感じておりますが(もちろん、それを期待しているわけではありません)、幸い動きがなければ金利上昇要因となります。

そう考えると現時点で来月の住宅ローン金利を予想するのは・・・なかなか難しいですねぇ。

結論を急ぐ前に、いつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆9月14日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : −0.11% → −0.15% (−0.04%低下
・10年 :  0.07% →  0.005% (−0.065%低下
・20年 :  0.58% →  0.54% (−0.04%低下
・30年 :  0.87% →  0.81% (−0.06%低下


軒並み低下しているわけですが、10年金利=長期金利同様、他の金利も足元では上昇傾向にあると思いますので、これだけで予測するわけにはいきません。

というわけで最終結論に入っていきますが、これまでの話をまとめると以下の要因のどちらが強いのかということになります。

・金利低下要因:北朝鮮の新たな挑発

・金利上昇要因:税制改革期待や追加利上げ・金融引き締め観測などを背景にしたアメリカの金利上昇

正直全く分かりませんが、どちらかと言うと後者のような気がします。とすると本日時点の「−0.03%+α」と言った金利低下余地は全く心もとないわけで、「行って来い」で9月の後半は8月後半と同じような金利水準となる可能性があり、結果的に「10月の住宅ローン固定金利は概ね据え置きとなる」、と予測しておきたいと思います。

金利の不確実性が高まるのであればなおさら据え置きとなりそうですしね。

ただし言うまでもありませんが、今後2週間の金利動向によっては「住宅ローン固定金利の全面的な上昇」も「住宅ローン固定金利の全面的な下落」もどちらも十分あり得ますのでご注意ください。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持してきました。

では9月14日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「−0.062%」とマイナス水準を維持しています。1ヶ月前の金利は「−0.028%」でしたから、順調に低下し引き続き「異次元の低金利」を維持しています・・・マイナスですからね。

加えて日銀のこうしたゼロ金利政策=短期金利の引き下げ政策もまた、十分なインフレ状態となるまで続けられますから、「相当の長期間」継続されるのは間違いありません。

そしてそのように短期金利の低下がまだまだ続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、「十分なインフレなど永遠に起こらない」かもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の約9年間全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということです。

参考になさってください。


[補足:これまでの金利動向と金利上昇リスクについて]

補足として、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



昨年はマイナス水準にあったわけですから当たり前ですが、長期金利は「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。ぜひこのチャンスを生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

一方で。

このグラフからあえて金利上昇リスクを探るとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という当時の過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。仮にそのように金利上昇すれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがそれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りマイナス金利政策や「金利操作付き金融緩和」が実行されている現状では金利が極めて上がりにくいことには変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、いつかは「多少なりとも」上昇する可能性があります。それが「かなり先」だとしてもです。

金利上昇リスクを過度に心配する必要がないというのは申し上げた通りですが、お伝えしたいのは今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会だと言うことですね。細かな金利変動に左右されることなく、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

<日本住宅ローンプランニング編集部>

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