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突然決まった衆議院の解散&選挙ですが、気が付けば投票日まで残り2週間となっています。そうした中、なかなか公約が発表されないなと思ったら、「公職選挙法上、公約は選挙期間以外での配布が認められていません」とのことです。
このルールが決まった時点では公平を期する等の何等かの合理的な理由があったのでしょうけれど、今のようにネットで情報が瞬時に伝えられるだけでなく、その発信コストもほぼゼロという状況においては全く無意味ですね!
実際、報道機関向けにはすでに「公約」は発表されているわけですし・・・。憲法9条の改正論議もいいですが、行政にはこうしたすぐに変更できるルール変更にも着手してほしいものです。
さて今回の衆院選においては、その「憲法改正」と並び、「政権交替」や「消費税増税」が主な争点となっており、無事にリベラル層の受け皿もできましたので、有権者各自がご自分の政治信条に近しい政党を選べばよいと思いますが、当サイトでは住宅ローン金利にフォーカスし、「どの政党に投票すれば住宅ローンの低金利が維持されるのか」という観点で政党選びを考えてみたいと思います。
なおこれはあくまで「思考実験」のようなもので、当サイトや記者個人の支持政党と必ずしも一致するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
まず住宅ローンの金利が低金利を維持する条件を考えてみると主に以下3つではないかと思います。
1.現状の大規模金融緩和の維持・拡大
2.消費税増税など財政健全化に向けての着実な取り組み
3.政治の安定
こう並べると自ずと結論が出てしまいますが、結論を急がずまず全体を俯瞰すると、これまでやや不透明だった各党の立ち位置が明確となり、
・自民+公明
・希望+維新
・民主+共産
という3極に分かれたことは有権者としては良いことなのでしょうね。ということで自民党・希望の党・立憲民主党のそれぞれの政策を比較していきたいと思います。まず1つ目は上記の通り「現状の大規模金融緩和の維持・拡大」についてですが、3党の公約はこのようになっています。
・自民党 : ○
今回の公約の中で金融緩和に関する記述は見つからなかったものの、安倍総理は日銀・黒田総裁の金融政策とデフレ解消の手腕を高く評価。
・希望の党 : △
今回の公約の中で以下のように記載。現状の金融政策に対する問題意識が垣間見える。
「金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出すユリノミクスを断行する。」
「日銀の大規模金融緩和は当面維持した上、円滑な出口戦略を政府日銀一体となって模索する。」
・立憲民主党 : ×
今回の公約の中では触れず。ただし2016年6月の民進党の公約では以下のように記載。
「マイナス金利は撤回させます。」
現状の金融緩和の継続が最も確実なのは自民党ということですね。
2つ目は「消費税増税など財政健全化に向けての着実な取り組み」です。財政がさらに悪化し、国債の信用力が低下すれば、中長期的に金利上昇圧力となってきます。これについて3党の公約はこうなっています。
・自民党 : ○
今回の公約の中で消費税増税を明記。
「消費税10%時の増収分について、全世代型社会保障へと大きく舵を切ります。」
・希望の党 : ×
今回の公約の中で消費税凍結を明記。
「成長の実感が伴わない中での消費税増税は凍結する。」
・立憲民主党 : ×
今回の公約の中で消費税凍結を明記。
「直ちに、消費税率10%へ引き上げることはできません。」
借金返済という点では、「使途変更」というのはネガティブな材料となりますが、それでも増税を明確に打ち出しているのは自民党だけということですね。
3つ目は「政治の安定」です。再び「決められない政治」に戻ってしまうと、不透明感から「日本売り」につながり市場金利に上昇圧力が加わることになります。その点ではこうなります。
・自民党 : ○
・希望の党 : △
・立憲民主党 : ×
一緒に参院選も行われるのであれば話は別ですが、参議院を与党が押さえている以上衆議院で与党が負ければ必然的に国会が「ねじれ」ることになり、政治が不安定化するのは間違いありません。
と言うわけでやはり、「住宅ローンの低金利維持を最も期待できる政党」は自民党(or公明党)ということですね。支持政党が自民党でない人もこの結論に違和感はないのではないかと思います。
なお今回真面目に各党の選挙公約をチェックしましたが、最も耳障りがいいのは意外にも(?)、立憲民主党でした。リベラルというのは多分に理想主義が内包されているので心地よいですね。ネットで支持を集めているのも理解できる気がします。
政治にはリアリズムも求められるわけですが・・・。
では最後に最新の世論調査をチェックしたいと思います。
<朝日新聞/9月26日〜27日→10月3日〜4日>
・自民党 : 32% → 35%
・希望の党 : 13% → 12%
・立憲民主党 : − → 7%
・公明党 : 6% → 7%
・共産党 : 5% → 6%
<読売新聞/9月28日〜29日→10月7日〜8日>
・自民党 : 34% → 32%
・希望の党 : 19% → 13%
・立憲民主党 : − → 7%
・公明党 : 6% → 5%
・共産党 : 5% → 4%
まず希望の党はいきなり失速しているということ、そして消去法的に出来上がった立憲民主党が結構健闘していることが分かります。単純合算すると政党支持率はざっくりとこのようになります。
・自民+公明 : 40%
・希望+維新 : 15%
・民主+共産 : 15%
残りの30%も最終的には概ねこのような比率になるとすれば、最終結果はこうなります。
・自民+公明 : 57%
・希望+維新 : 21%
・民主+共産 : 21%
このまま行けば与党の過半数獲得は確実ということですね。また、小選挙区では「勝者総取り」ですから、最終的には前回を上回るかどうかは分かりませんが、「与党大勝」の可能性は今のところ最も高いと言えます。
とすれば住宅ローン金利の上昇を懸念する必要はあまりなさそうですね。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>