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[2017年11月の住宅ローン金利予想]
固定金利は+0.05%程度上昇、変動金利は据え置き

このページでは、足元の金利動向から、来月の住宅ローン金利を予想します。
2017年10月15日

長期金利は株価好調もあり0.06%に上昇


■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)




10月も半ばですね。つまりは2017年も終盤に入ってきたということです。

今年は特に関東においては夏が短かったこともあり、余計に季節の巡りが早い気がします。衆議院選の真っただ中ではありますが、このまま大過なく年の瀬を迎えられることを祈っております。

かの国では新たな巡行ミサイルの発射準備がされているという報道もありましたが・・・。

さて本題に入りまして、来月=11月の住宅ローン金利について予測していきたいと思います。

まずいつものようにこれまでの金利の推移を振り返ると、何と言っても衝撃的だったのが昨年1月末に発表された「マイナス金利政策」です。金利がマイナスになるというのは想定外でしたが結果的に住宅ローン金利も劇的に低下しました。

また2016年半ばには「Brexit」の影響などもあり、市場金利も住宅ローン金利も史上最低水準まで低下しました。終値ベースの長期金利の史上最低値は2016年7月27日の−0.297%だったようです。

しかし。

その後の長期金利は残念ながら回復傾向にあります。2016年7月末に発表された追加緩和策が期待外れだったことをキッカケに上昇を始め、9月に発表された新たな金融緩和の枠組み=「金利操作付き金融緩和」によって「−0.0%」台まで上昇し、さらにもう1年前となりつつありますが、11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利してからは「トランプラリー」の影響で「0.0%」台となっています。

つまりプラス金利まで上昇してきたということですね。

住宅ローン利用者からすれば誠に残念な動きであり、今後のさらなる金利上昇に対する不安が募るわけですが、ただ長期金利が今の水準以上に上昇するかと言うとそれはなさそうです。と言うのも上記、日銀による「金利操作付き金融緩和=イールドカーブコントロール」で長期金利は「0%前後」に操作されることになっているからですね。

今のところその「0%前後」とは「−0.1%〜0.1%の間」と解釈されておりまして、だとすれば足元の長期金利の水準=0.06%はまさにそのレンジ内のということになります。

2月上旬には一時0.15%に、そして7月上旬にも一時0.10%とその「上限」に達しましたが、すかさず日銀が指値オペをしたことから再びレンジ内に戻っております。長期金利のグラフに−0.1%と0.1%の線を足してやれば、今のところ日銀の思惑通り長期金利がコントロールされていることが分かります。



こうした状況が続く限り住宅ローン金利は「大きく上がることも大きく下がることもない」ということですね。住宅ローン利用者としても今後の市場金利、そして長期金利の変動にあまり過剰反応する必要はなさそうです。

実際、日本の長期金利は先月のこの時期が0.03%で、本日が上記の通り0.06%ですから、上昇したとは言え「小動き」にとどまっています。

なお日本の金利は中長期的に見ても「本格的に」金利が上昇する機運は全くありません。新たな金融緩和の枠組みによって長期金利の水準自体がコントロールされていることに加え、2%のインフレ目標達成に向けて努力している日銀が、インフレ率が低迷している今金融緩和策を終了させることはあり得ないからですね。

もしかすると来年の日銀黒田総裁の交替のタイミングで、このインフレ目標が多少現実的なものに修正される可能性はゼロではありませんが、しかしそれでも金融緩和の縮小・終了ということにはならないでしょうから、過度に心配する必要はないと思います。

黒田総裁が続投となる可能性も結構あるようですしね。

気になるのはこの「金融緩和策」がいつまでどれくらい続くのかという点ですが、2019年秋の消費税増税後に景気が相応に落ち込むとすれば金融緩和はむしろ拡大しないといけないかもしれませんし、 「プライマリーバランス黒字化」や「GDP600兆円達成」などの政策目標を考慮すれば実際には2020年代半ばまで続くということですかね?もちろん永遠に続く可能性すらあります。

つまり我々が想像する以上に長い間、低金利が継続するかもしれないということです。金利上昇リスクを全く考えなくて良いということではありませんが、現状の低金利が維持される可能性の方がはるかに高いわけで、「金利が上昇した場合」の試算は当然必要だとしても、「金利が上昇しなかった場合」の試算も併せて行っておいた方が良さそうです。


[2017年11月の住宅ローン金利予想]

毎度前置きが長くなって恐縮ですが、大まかな金利の動きや背景を踏まえた上で、ここから来月=2017年11月の住宅ローン金利を具体的に予想していきたいと思います。

まず金利環境としては上記の通り、日銀の「金利操作付き金融緩和」によって長期金利はおおよそ「−0.1%〜0.1%」のレンジ内で推移しておりますので、住宅ローン金利もまた最大0.2%の幅の中で動いていくと考えられます。だとすると繰り返しになりますが、来月の住宅ローン金利は基本的に「大きく下がることも大きく上がることもない」ということですね。

その上で、もう少し細かく過去3ヶ月の長期金利の推移をみるとこうなっています。



8月末〜9月上旬にかけて長期金利は久しぶりに順マイナス水準まで低下しました。

ただその後は残念ながら上昇傾向ですね。このように金利が上昇している背景は恐らく「アメリカの金利動向」と「日本の株価動向」ではないかと思います。

というわけでまずアメリカの長期金利をチェックしてみるとこうなっています。



日本の長期金利とほぼ同じタイミングで上昇していることが分かります。ただ足元ではカクっと下がっており、今後のアメリカの金利動向には注意をしておいた方が良いかもしれません。

次に日本の株価は、日経平均のグラフをチェックするとこうなっています。



足元ではかなりの勢いで上昇しているわけですね!基本的に株価と金利は、「株価が上昇すれば金利も上昇する」関係にありますので、その点では仮にアメリカの金利が低下に転じても、日本の金利は上昇を続けるということもあり得そうです。

もちろん、そうなったとしても日本の長期金利の上限は当面0.1%のままですが・・・。

というわけで月末に向けて長期金利は上昇傾向が続く可能性が高そうですが、逆に金利が低下する可能性があるとすればどういったケースでしょうか?考えてみると・・・

・北朝鮮の新たな挑発によって危機的な状態が起きた時。

・衆院選で自公が勝利した時。

と言った感じでしょうか。

ただ前者については相当ヒヤっとするようなものでなければ、もはや金融市場は反応しなくなっている気がしますし、後者については逆に安心感から株価が更に上昇し、それにつられる形で金利が上昇する、というシナリオもあり得そうです。

そのように考えると長期金利はやはり、「月末に向けて上昇していく」という可能性が高いということですね。

上記の通り日本の長期金利は先月のこの時期が0.03%で本日が0.06%ですから、その点では住宅ローン金利の上昇余地は今のところ「+0.03%程度」と言うことになります。

ここでいつものように今月の国債の平均金利と、先月のこの時期の国債の平均金利の差をチェックするとこのようになります。

◆10月15日現在の今月の国債の平均金利と、先月中旬までの国債の平均金利

・1年  : −0.15% → −0.14% (+0.01%上昇
・10年 :  0.01% →  0.06% (+0.05%上昇
・20年 :  0.54% →  0.59% (+0.05%上昇
・30年 :  0.81% →  0.87% (+0.06%上昇


やはり上昇していますね!概ね「+0.05%程度上昇」ということになります。

と言うわけで今回はシンプルに、何のひねりもなく、 「11月の住宅ローン固定金利は概ね+0.05%程度の上昇」と予測しておきたいと思います。

当たってほしいような、当たってほしくないような・・・複雑な気分ではありますが。

最後に住宅ローン「変動」金利について。

人気の住宅ローン金利タイプと言えば変動金利ですが、この変動金利タイプのベースとなるのは長期金利ではなく「短期金利」です。

そしてこの短期金利については日銀の「ゼロ金利政策」によって一足早く金利ゼロに到達したことに加え、日銀が完全にコントロールしているために上がることも下がることもなくずっと「超・低金利」を維持してきました。

では10月15日現在の代表的な短期金利である「無担保コール翌日物」金利は「−0.021%」とマイナス水準を維持しています。1ヶ月前の金利は「−0.062%」でしたから多少上昇しているものの引き続き「異次元の低金利」を維持しています・・・マイナスですからね。

加えて日銀のこうしたゼロ金利政策=短期金利の引き下げ政策もまた、十分なインフレ状態となるまで続けられますから、「相当の長期間」継続されるのは間違いありません。

そしてそのように短期金利の低下がまだまだ続くとすれば、それはつまり、住宅ローン変動金利タイプもまだまだ低金利が続くことを意味します。

そもそも少子高齢化が進む日本では、円安や増税などの一時的な要因を除けば、「十分なインフレなど永遠に起こらない」かもしれませんしね。

住宅ローン金利が上昇した、低下した、と言ってもそれはあくまで10年固定や20年固定といった「固定金利タイプ」の話であり、「変動金利タイプ」は基本的にはゼロ金利政策が復活した2008年12月以降の約9年間全く上昇していません。

住宅ローンの変動金利タイプをご検討の方は、長期金利の変動に一喜一憂する必要は全くない、ということです。

参考になさってください。


[補足:これまでの金利動向と金利上昇リスクについて]

補足として、2000年からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっています。



昨年はマイナス水準にあったわけですから当たり前ですが、長期金利は「歴史的な低水準」にあることがよくわかります。ぜひこのチャンスを生かして、毎月の住宅ローン返済額を大いに削減していただければと思います。

一方で。

このグラフからあえて金利上昇リスクを探るとすれば、前回の景気回復局面である2003年〜2006年ごろの金利推移を見てみると、2003年には長期金利が0.5%前後という当時の過去最低水準まで下がったのち、その後1.5%近くまで跳ね上がっていることが分かります。

たかが1.5%ではあるのですが、されど1.5%と言えます。仮にそのように金利上昇すれば住宅ローン金利も当然、相応に上昇することになります。

2003年当時、世界経済の見通しが大きく好転したことや、小泉政権への期待、りそな銀行への公的資金注入により金融不安が大幅に後退したことに加え、「VaR」と呼ばれるリスク管理手法に起因する「VaRショック」と名づけられた「国債の投げ売り」が金利上昇を加速させたと言われてますが、そもそも金利のバイオリズムとして、「好景気の前が最も金利が低い」のだとすると、長期的に見れば、これから金利が上昇する可能性というのはゼロではありません。

繰り返しになりますがそれは「長期的に見れば」ということであり、上記の通りマイナス金利政策や「金利操作付き金融緩和」が実行されている現状では金利が極めて上がりにくいことには変わりません。

しかしそれでも今の歴史的な低水準からすれば、いつかは「多少なりとも」上昇する可能性があります。それが「かなり先」だとしてもです。

金利上昇リスクを過度に心配する必要がないというのは申し上げた通りですが、お伝えしたいのは今が住宅ローンの借り入れ・借り換えの絶好の機会だと言うことですね。細かな金利変動に左右されることなく、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。

<日本住宅ローンプランニング編集部>

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